【小説】神洲ストーム・スパイダース②
大きな灰色の第一鳥居の下でカキモトの使いの三人組は待ちぼうけを食わされていた。彼らは各々のバイクを魚鱗の陣形に並べて、退屈そうにしている。鳥居の左右の並木の下からは、時々小さな赤色巨星かと思われる光が蛍のそれのようにかわるがわる点滅したが、これは雨宿りをしている突撃隊員の煙草の火だ。彼らも所在なさげに佇んでいる。誰一人三人にイチャモンをつけようともしない。実は雨もだいぶこぶりになっていたのだが、彼らはただ薄気味悪そうなまなざしで彼らを睨んでいるだけである。実力に無頓着な思い