ワイン ステーション + さんとブルーノさんのペアリングイベント 20241020
豪徳寺駅前にあるワインステーション+さんと今治のワインバー ブルーノの青野さんのコラボな貴重な会。いわゆる私淑のワインペアリング会は逃したら後悔するよねと参加しました。
ワイステさんと同様に青野さんとインスピレーションを共有する、少し前に開催された京王永山のwinetime GiOさんとの会は、タイミングが合わずスルーしてしまいましたが、今回は上手く滑り込みできました。
初期のワインステーション+さんは食事メニューも最小限だったとTwitter上の情報で見ましたが、南アフリカのワインをメインに、今や食事の様々な名物を売りにするくらいの人気店、こちらの三周年記念の目玉イベントとなれば期待しかありません。
ペアリング スペシャルコース
では早速内容を見て参りましょう。
1 クレソンサラダ 胡桃ドレッシング
フランスのボージョレ地方のペットナットロゼと合わせてはワインステーション+さんの料理担当のマキさんの出身地、山梨のクレソンに胡桃がたっぷり入ったドレッシング。後口に少しだけ青さが来るところに合わせるという狙い、旨みのある爽やかさだけでない泡との適合。
2 穂紫蘇のキッシュ
穂紫蘇からボウルにいっぱいになるほどの大量の実だけを外す作業がとても大変だったという青野さんの力作。スパイシー感とプチプチとした食感がポイント。ドイツのグラウブルグンダー(ピノグリのシノニム)は主張をしっかり出したいというセレクト。冷涼地ならではな、酸味ありつつしっかり主張する味わいと、スパイス感をぶつける意欲的なペアリング。
3 ドライイチヂクのキッシュ
ブルーチーズ、塩がポイント。赤はアメリカ、オレゴンのウィラメットバレーのピノノワール、冷涼地ならではの綺麗な酸味と奥行きが吉。普通ならブルーチーズだともっと太いワインを合わせてしまいそうですが面白い組み合わせ。
4 鯛のテリーヌ
オーストリア、ニコライホーフのグリューナーヴェルトリーナー、鯛は身を塩で締めて、皮目は炙って混ぜ込んだそう。生なのでひょっとしたら臭みとか出るのかと思ったら、全く危惧する必要のない仕上がり。これが今回のハイライトかもしれません、これは今治を感じて欲しいという意図に沿った素晴らしい品。グリューナーの切れ味と鯛の食感、そして全体を支えるテリーヌ(確か鶏肉だったはず)のバランスが良かった。
5 ラムミートボールスパイス仕上げ
アメリカ、ワシントン州のシラー、ラムのワイルドさと野菜類、ソースとのネットリ感が果実味しっかりある赤と合う。カンフーガールとかで人気の生産者さんのワイン、エチケットも覚え易いデザインですね。
6 スペアリブのスパイス焼き
フランスのアルザス地方のゲヴェルツトラミネール、ハーブや唐辛子に対して合わせたいという狙いから、ゴツゴツした見た目の肉にあえて白ワイン。ゲヴェルツトラミネールと合わせてなら、エスニックだと野菜類使っての中華や東南アジアあたりの炒め物のイメージだったのですが、更に攻めの合わせと感じました。
7 南瓜と猪のカレー
アメリカ、モントレーのプティシラーにプティヴェルドの赤、カボチャにイノシシのカレーは敢えてトマトを排し、熟成味噌を使用してバランスをとったそう。シナモン、カルダモンを使用、あえてターメリックとか主要なスパイスを意図的に使わずネットリしたコクのある旨みより、ソースとバスティマライス、イノシシ肉とバスティマライスと食べることでクリアな味の変化を狙ったとのこと。
8 紅茶のバスクチーズケーキ
ただの紅茶の葉の風味でなく、スパイスの効いたチャイの雰囲気のバスチー、強めな甘口のワインではなくあえてややふくよか系も、フランスの酸味もあるロゼを合わせるという意外性、各種スパイスの奥行きあるエスニックな香りとの合わせが楽しい。
おまけ
早く現地に着きすぎて待つ間と、コース終了の最後に追加でいただいた、ここの売りである南アフリカワインのご紹介です。
シャルドネ使用のスパークリング、爽やかでかつリッチな口当たりが吉。
なかなかなハイレベルなボトル、奥に伸びる香りと口当たり。駅長(店主様)はあんまり高くするのが気が引けると言われてましたが、正直価格設定が安過ぎと感じるほどに美味しいと思いました。
Twitterで繋がった縁から看板のデザインまで手掛けた多才な青野さんが今回の裏テーマにしたのはともかくスパイスだったそう。酸味の綺麗な白、赤、普段積極的に飲まないタイプのロゼやペットナット、ゲヴェルツまで、華やかなスパイス感との組み合わせをどのように見せるのかは、とてもアグレッシブに攻めながらも統一感があり、さすがプロの仕事ですね。ワイン ステーション+さんでは珍しい、南アフリカのワインがでないペアリングは、青野さんのセレクトによるものでしょうか。
あっという間に次の回の準備時間になってしまい名残惜しい感じでしたが、ワインステーション+さんのレギュラー営業日にもまた伺いたいし、いつの日か今治の地、ブルーノさんになんとかお邪魔したいと思った至福の時でした。