界面活性剤の種類
ドレッシングを使う前に分離してたら、ボトルを振ったりスプーンでかき混ぜたりしますよね?
主に「酢・油・砂糖・塩こしょう」でできているドレッシングが分離するのは「液体である酢と油が混じり合わないため」です。
このように水に油を注いでもこの2つが混じり合うことはなく、境目ができてしまいます。
この境目をなくして油と水を混ぜ合わせる (油と水の両方となじむことができる) ものが「界面活性剤」です。
「汚れを落とす・水を浸透しやすくする・汚れが付きにくくなる」などの作用があります。
界面活性剤は洗剤やシャンプー、卵黄などに含まれており、大きく3種類に分類されます。
1つ目が「合成界面活性剤」です。
ハンドソープ・洗剤・化粧品・洗顔・シャンプー・リンス・ボディソープ・歯磨き粉などに含まれており、石油などを原料にして化学的に作られたものです。
合成界面活性剤が使われた洗剤を「合成洗剤」といいます。
安価で大量生産しやすく、洗浄力が強い (泡立ちがいい) のが特徴です。
#一部の合成界面活性剤は泡立ちが控えめです
2つ目が「石けん」です🧼
石けんも界面活性剤の一つですが、合成界面活性剤とは原料や成分が違います。
石けんは動物や植物の油脂 (牛脂や米ぬか油など) にアルカリ成分 (水酸化ナトリウムや水酸化カリウム) を反応させて作られたもので、肌や環境に優しいのが特徴です。
3つ目が「天然界面活性剤」です。
卵黄や大豆 (レシチン)・牛乳 (カゼイン)・抹茶やオリーブ、マメ科植物 (サポニン) などに含まれています。
生分解性 (自然に戻る・微生物によって分解される) が高いので環境への影響が少ないのが特徴です。
合成界面活性剤が入ったシャンプーやリンス、洗剤、化粧品は安価で薬局やスーパーなどでよく目にします。
しかし、それらを使い続けてたり、長時間肌につけているとどうなるか?
少し長くなるので次回お伝えします!
参考:近藤行成「界面活性剤の定義と種類」
齋藤勝裕「よくわかる最新界面活性剤の基本と仕組み」
齋藤俊和「界面活性剤の基礎ーセッケンと合成洗剤ー」
守口徹「眠れなくなるほど面白い脂質の話」日本文芸社
森田隼人『挑戦「無添加を科学する」〜人と自然により優しく〜』
山下裕司「化粧品分野における界面活性剤の新展開」