松重豊主演脚本監督「劇映画・孤独のグルメ」2025.01.10封切り 映画ツッコミ日記 2025.01.14
スクチャイのむちゃおもしろ日記008 映画ツッコミ編 松重豊主演脚本監督「劇映画・孤独のグルメ」 2025/01/10封切り
<序>※ネタばれ注意!
思いっきりネタばれです。
読んでしまうと観なくてよくなるかもしれません。
吾輩は責任はとれないのでそのおつもりで。(≧∇≦)
さらにこの文章は記録ではなく記憶から書くので記憶違いで正確ではない点があるかもしれない。
そこのところを了承のうえお読み下さい。
1.まずはJAL機内
1.1.JAL機内
JALファンの吾輩としてはニヤッとするシーンから始まった。
いきなり見覚えのあるギャレーで、見覚えのあるJALロゴ。
思いっきりJALの宣伝やん!と思った。
そういえば最近JALのクラスJシートの宣伝で松重豊氏が出ていることは知っていた。
その宣伝ではシートに収まる松重氏は他の乗客よりも頭一個分飛び出てるのだった。
スポンサーは目立つ人を採用すると得ですな。
松重豊氏はジャイアント馬場さんみたいな頭が飛び出た役割ができるのかもしれない。
1.2.ギャレー
さて、ギャレーである。
オーブンで温めるシーンとbeef or chickenの2種類の機内食メインの大映しだ。
ビーフはシチューで、鶏は焼き鳥だ。
どちらも相当うまそうだ。
そういえばJALの機内食はたとえエコノミー席であっても最近は世界一とか噂されているほど評判がいいのだ。
ちなみに機内食に関してはプレミアムエコノミーでもエコノミーと同じ内容だ。
プレミアムと普通のエコノミーは座席の作りが違うだけに他ならない。
つまり映像で映し出されていた機内食はJALの普通のエコノミーの機内食ということだ。
そう考えるとやっぱりJALの機内食は普通席でも出来が良くて美味そうだと納得する。
1.3.現実においしそうな香り
・・・ここで現実の話だが、香ばしいおいしそうな香りが漂ってきたのだ。
なぜか海鮮の干物系のおいしそうな香り。
映画を観たのは久しぶりだったもので、最近はにおいまで再現する技術があるのかと誤解してしまうところだった。
しかしまさかそんなことはなく、実際は背後の老夫婦の、たぶんおっちゃんの方がスルメか魚の乾燥おつまみを食べているのだった。
入場時も開始時も案内されていたが、イオンシネマでは持ち込みの飲食は禁止である。
それなのに背後でおいしそうな香りを漂わせてる老夫婦・・・やれやれ・・・_| ̄|○
1.4.プレミアムエコノミー
松重豊氏は、いやここから井之頭五郎氏に呼び名を換えるが、井之頭氏はプレミアムエコノミーらしきシートに収まっていた。
いや、らしき、ではなく確実にプレミアムエコノミーシートだ。
井之頭氏は中央4人掛けの右から2番目だった。
一人旅行なのに、よりによって窮屈そうな席で気の毒に思った。
かと言って、ビジネスクラスのゆったり過ぎる席だと絵的に面白味がないだろう。
そもそも食べ物はもっと違ってくるし。
しかも、JALなのに、なぜか日本人らしい人は画面のどこにも見あたらない。
一人だけ背後から頭だけ映った、ヘッドフォンを付けた女性だけが日本語で「ビーフ」と答えるシーンがあった。
このように日本人もいるようなのだったが日本人乗客の顔は画面にはいっさい映らなかった。
井之頭氏の両隣席も、画面に映っている全員の乗客も、みんな外国人だった。
人の良さそうな濃いぃインド系が入ったような顔立ちの男性と女性に挟まれて座っていた。
実際日本発着のJALでこんなことはなさそうに思うのだった。
実際には日本人だらけのはずだ。
しかし井之頭氏の周囲には日本人がいない方が似合っていた。
すでにしてそこは外国という雰囲気が醸し出されていたからだ。
1.5.長考の末の「ビーフシチュー」
井之頭氏は先にメニューの写真を渡されていたが、すっちー(客室乗務員の古い呼び方)に順番に訊かれたときは即答できなかった。
長考しているのだ。
しばらく後に再度すっちーが戻ってきて訊かれたとき、井之頭氏は意を決したように「ビーフ」とお願いした。
しかし、ビーフはワゴンにはなく、ギャレーに戻って取ってくることになった。
不思議と乗客はほとんど全員ビーフを注文していたのでワゴンのビーフはなくなってしまったのだ。
焼き鳥のチキンを注文したのは唯一井之頭氏の左隣のメガネのインド系女性だけだった。
しかしそこでシートベルト着用のサインが点灯して気流の悪いところを通過中とのことで食事や飲物のサービスがストップしてしまう。
そのときのJALのアナウンスもJALそのもので、観ている吾輩も機内にいる気分でちょっと旅行に出かける雰囲気が出て嬉しくなってしまった。
しかし気の毒なのは空腹の井之頭氏である。
1.6.お目覚めシール
空腹をこらえるうちに寝てしまったようで、気付くと井之頭氏の目の前に「お目覚めシール」が貼ってあった。
「お目覚めシール」とは寝ている乗客は起こさずに機内サービスを省略するときに、起きたら注文してねと促す貼り付けメモのことだ。
そのシールが、目の前のシート背面はもとより、なぜか自分の左の手のひらにもう一枚貼ってあった。
★ツッコミ所:そもそもなんで手のひらに貼ってんねん!?
都合2枚の「お目覚めシール」に気付いた井之頭氏は機内食を2回すっ飛ばされたことに気付き嘆く。
2回もだ!
すぐにすっちーを呼んで食事をお願いする。
左隣の、人の良さそうなメガネのインド系女性からYou sleep very well!と笑いながら言われる。
1.7.納豆を食べつつパリに着陸
しかしその直後にシートベルト着用サインが点灯した。
これから降下を開始するとの機内アナウンス。
もうパリに到着なのだ!
周囲はすでに明るかった。
ブラインドを上げて外の明かりを取り入れているのは到着間近の証だ。
★ツッコミ所:15時間ぐらいかかるパリに飛んでいたはずの井之頭氏はどんだけ寝てんねん!
楽しみにしていた機内食を2食も逃してしまい絶望の井之頭氏だった。
そこにすっちーが現れ、何やら小袋を2個くれたが、着陸準備のためすぐに去って行った。
その小袋はJAL国際線名物のJALマーク入り「NATTO(納豆)」、乾燥納豆の小袋2袋だった。
★ツッコミ所:JALファンにとっては笑うところだろうが、JALに縁のない田舎の会場だったせいか客席からは一切笑いは起こらず。
ともかく、おいしい機内食2食分がNATTO小袋2袋に化けたのだった。
井之頭氏は空腹しのぎに仕方なくNATTOを一袋破り、ポリポリと食べ始めた。
右隣の、これまた人の良さそうなインド系丸顔の男性は、丸い目玉をぎょろぎょろさせてNATTOを勢いよく食べる井之頭氏をもの珍しそうに眺めていた。
2.パリだ!
2.1.パリのロールキャベツ
パリのエッフェル塔を背後に「腹減った」ポーズをする井之頭氏。
空腹の絶頂で歩き回りようやく見つけた「ロールキャベツ」。
★ツッコミ所:パリのおしゃれなフランス料理店でなんだかむちゃ庶民風のロールキャベツ発見で喜ぶ!?
しかも後になってわかったがそのロールキャベツを食べていたのはその店のオーナー(おじいちゃん)だったのだ。
つまり賄いだったのかもしれない。
2.2.絶品オニオンスープ
漸く井之頭氏にとってまともな食事だ。
「オニオンスープ」
この映像を見た吾輩は、「ぐーっ」とお腹が鳴った。
2.3.(余談)映画館にもトナラー!?
ところで、こんなに空いてる田舎の劇場なのに、開始直前に隣に一人の兄やんが来た。
何もわざわざ隣に来なくてもよさそうなものを、と思った。
トナラーというヤツか!?
ともかくそのトナラーにも吾輩のお腹の鳴き声は聞こえたに違いない。
でも、頼んでもないのに隣に座りに来たヤツに気を遣う必要なんかあるもんか。
まあイオンシネマのプレミアムアップグレードシートなので衝立とテーブルがある分だけ隔離感はあるのだが。
井之頭氏はプレミアムエコノミー席で左隣はインド系の明るい女性。
吾輩は映画館のプレミアム席で左隣はトナラー兄ちゃん・・・
そして背後には持参の乾き物を喰う老夫婦、という環境なのだ。
2.4.(余談)オニオンスープへの怨念
話を戻して「オニオンスープ」
現実の私的な話だが、1年ぐらい前に近くの地元田舎ホテルでヨーロッパで食べたオニオンスープを店員に語り、店員は「うち(ホテル)のオニオンスープも試して」と言うのでその後日食べた。
が、値段は1600円を越す高いものだったが明らかにインスタントの顆粒コンソメスープに玉葱の刻んだのを浮かせただけのなんちゃってオニオンスープで愕然としたのだった。
田舎ではシェフ自体が本物を知らないのだ。
せいぜい地元の料理学校で基礎を学んだだけなのだろう。
日本の片田舎で本物のオニオンスープを所望した吾輩こそが間違っていたのだろう。
それ以来約1年間、吾輩は「オニオンスープ」にはずっと未練があった。
そんな状態で井之頭氏に今日本場のパリの「オニオンスープ」を見せつけられたのだ。
お腹が鳴るのはごく自然のことだった。
2.5.パリに住む井之頭氏の元カノ家族
ところでなぜ井之頭氏はパリに来たのか?
昔パリでつきあっていた女性の娘の依頼で、一緒にパリに住むお祖父さん(つまり女性の父)が生まれ育った思い出の五島列島の民家を描いた絵を届けたのだった。
ちなみにお祖父さんと孫娘さんが住む部屋に登るリフト(エレベーター)はむちゃくちゃ狭いのだった。
2人が乗ってぎりぎりで、井之頭氏が持つ絵が一瞬挟まれてしまったのだ。
お祖父さんは年なのでもう五島列島には帰らないと決心しているのだった。
今は亡くなってしまったらしいかつての井之頭氏の彼女であったお母さんは、「何かあったら井之頭さんに相談したら助けてくれる」と娘に言い残したらしい。
それで彼女のお父さんは孫娘を通じて五島列島の昔住んでいた民家の風景画を所望したようだった。
お祖父さん曰く、写真は記録だが、絵画は記憶、思い出だから、とのことだ。
で、パリに住む一家では「何かあったら井之頭さんに相談したら助けてくれる」ということになっていて、お祖父さんは今回絵画を届けてもらっただけでは飽きたらず、子供の時に食べた「いっちゃん汁」という汁が忘れられず、死ぬ前にもう一回食べてみたい、井之頭さん、なんとかならないか?と来た。
最初冗談かと思ってさすがに無理と断りかけた井之頭氏だが・・・、なぜか乗せられて俄然探す気になった。
3.五島列島
パリからいきなり五島列島に場面が変わる。
立ち漕ぎカヌーが穏やかな海面を行き来している平和な島の風景だ。
「いっちゃん汁」の食材のうちのひとつである乾燥深海魚があるということを知った井之頭氏は当日中に隣の島の魚屋さんに行くことにしたが船の最終便が出た後だった。
その店は明日から連休で今日は夕方6時まで営業と電話で確認しているので井之頭氏は是非とも今日中に行きたかった。
目の前に見えている島の集落だ。
そんなに距離もなさそうだし、その間は波もない穏やかな海だ。
しかし定期船がなければ海上タクシーもなし。
井之頭氏は立ち漕ぎカヌーで目の前の島に渡ることにした。
無人の貸しカヌー屋にお金を置いて勝手に借りて立ち漕ぎし始めた。
五島列島に出発する前に電話していた30年来つきあいの同業者に、電話の最後に「ところで台風・・・」と言われかけたが井之頭氏はそこを聞かずに電話を切ってしまっていた。
井之頭氏は台風や天気のことは一切知らなかったようだ。
最初は青空無風で波もないおだやかな海面をスイスイ進む立ち漕ぎカヌーだったが、天気は急変した。
ドス黒い雲に吹き荒れる風、すぐに暴風雨。
波に巻かれた井之頭氏は単身救命胴衣だけで海を彷徨ったのだろう。
4.韓国の島に上陸
4.1.異国の無人島でサバイバル
場面は変わり、波打ち際に打ち上げられた井之頭氏。
砂だらけの顔で意識が戻り生きていることを喜ぶ。
しかしそんな生死を彷徨った直後でも「腹が減った」ポーズなのだ。
無人島のようだが、食堂なんてあるのか?
と思わせておいて、なぜか浜辺でガスコンロと鍋を見つけた。
4.2.(余談)漫画パワーパフガールズ
ここで吾輩は、パワーパフガールズという漫画の、3人の悪い囚人の話を思い出した。
牢屋に入れられている3人の囚人は正義の味方で有名なパワーパフガールズに変装したら堂々と牢屋を出してもらえると思いつく。
しかし、どうやって変装するの?と子分が親分に訊く。
あたりを見回す親分。
すると、独房の壁には3人分のパワーパフガールズ変装セットがきちんとぶら下げられてあった。
★ツッコミ所:なんでそんなとこにパワーパフガールズ変装セットが用意されてんねん!?
しかも大きさが大の大人用で大きいやつ!3人の囚人がそれぞれの着ぐるみを被ると本物のパワーパフガールズよりかなり大きな体格だが変装セットそのものは3人の囚人たちにはぴったりのサイズだった。
パワーパフガールズの恰好をした3人の囚人は看守の目の前を堂々と横切り、しかも敬礼されてまで監獄の外まで見送られた。
世の中(の話)にはこのような「なんでやねん!?」が往々にしてあるのだ。
4.3.無人島で使えるガスコンロと鍋発見
今回の井之頭映画では、お腹が空いた井之頭氏の目の前に、朽ちてはいるが稼働可能なカセットガスコンロと鍋が手の届くところにあった。
浜辺を手でまさぐる井之頭氏。
大きな貝を拾った!
森に入り・・・
キノコを採った!
井之頭氏はキノコをつまんで嬉しそうな表情だ。
★ツッコミ所:それ、食べられるやつ!?井之頭さん、詳しいの?
川から淡水を汲み、煮込み始めた。
一瞬映った鍋の中にはタコのような吸盤も見えた。(見間違いでなければタコである)
★ツッコミ所:いつの間にタコ捕ったねん!?
汁はさすがに海水の塩味かな?と思って見ていると、鞄からJALでもらったNATTO小袋残りの1袋をきれいな状態で取り出した。
★ツッコミ所:暴風雨の海面を漂ったにしてはきっちりとNATTOが鞄の中に入ってたではないか。
井之頭氏は汁にNATTOを加えて、納豆菌の風味のある汁を作ってうまいうまいと言って全部食べた。
4.4.笑って倒れる
・・・その後、井之頭氏は笑い始めた。
満腹のヨロコビか?
と思いきや、泡を吹いて倒れけいれんして気を失った。
★ツッコミ所:やっぱりワライタケだったのだ。言わんこっちゃない・・・
5.ここはどこだ!?まさか北朝鮮!?
映画では北朝鮮という言葉は一切発していないが、井之頭氏が
「ここはどこだ? まさか、き・・・」
の「き」に聞こえたのは北朝鮮を意味していたのではないかと思う。(空耳かもしれない)
オイルランプに照らされた独房のような場所の寝台に寝かされていて飛び起きてランプに頭をぶつけて、夢だった・・・と言った。
★ツッコミ所:どこまで遡って夢なのだ!?
次の瞬間、いや、夢じゃないと悟る。
大声で叫び、扉を叩くと聞こえてくるのは韓国語だった。
韓国語だけだと北か南かもわからない。
井之頭氏はむちゃ不安になった。
扉が開き、そこに立っていた黒人系アメリカ人の軍人っぽい男が手を差し出す。
井之頭氏はその軍人とNice to meet you!とのんきに挨拶をして握手しようとしたが、軍人は井之頭氏の手を引っ張り関節技を決めたまま取調室のようなところに連れて行った。
いったいどこなんだここは!?井之頭氏の頭の中には疑問が旋回する。
きっと、北朝鮮に拉致された!?との懼れも完全に払拭しきれていなかったはずだ。
取調室のような応接間には2人の女性がいて、連れて来た軍人風の男は呼ぶまで外に出てるようにと指示された。
男は使用人であるらしい。
で、2人の女性のうちひとりは日本人であった。
韓国語も喋るので通訳なのだ。
「ここは無人島にある食品研究所」
★ツッコミ所:よりによって平和な名前「食べ物研究所」!?ぜんぜん物騒ではないやん!
「居るのは女ばかりで、みんな男に愛想を尽かした女が集まって生活してるのよ」
とのことだ。
あの軍人風の男は、いわゆる用心棒なのだそうだ。
5.なぜか井之頭氏が料理の味見役
韓国人女性7人+日本人1名の合計8名の女性が作った韓国料理を井之頭氏が食べる役。
★ツッコミ所:怪しい漂流者をここまで歓待するのはなんでやねん!?
井之頭氏が「おいしい!」と感想を言うと、飛び跳ねて喜ぶ女性8人。
(なんだか某国のヨロコビ組に見えてくるではないか)
★ツッコミ所:そもそも漂流して岸に打ち上げられ砂だらけ海藻まみれになりつつワライタケの鍋を食べて泡を吹いて気絶して拉致され・・・さらに今朝の散歩の山道で足を滑らせて転がり泥だらけになり着替えも何もないはずなのだが、食事をしている井之頭氏はいつもの小ぎれいでピシッと決まった背広姿であった。なんという不思議な変わり身の早さ!
海難とは言えど、不法入国には違いないので警察に連絡され別の島のイミグレーションに行くことになった。
その島に行くボートに乗せられ女性達とお別れ。
井之頭氏にとっては無人島の「食品研究所」でパリのお祖父さんが言っていた「いっちゃん汁」のヒントを得たようだった。
別の島で降ろされた井之頭氏は警察との待ち合わせで長時間待ちぼうけされる。
「腹が減った」ポーズ。
港にある食堂に入り注文し終わったところでイミグレーションと書かれた警察の車が現れたが井之頭氏は「人を長時間待たせといてお腹が空いた。注文してしまったからちょっと待て」とイミグレーションの男に言い、彼には水だけ与えただけで目の前でおいしそうにいろいろ食べる。
一通り食べ終わってさあ行こうとイミグレーション男に目配せされたとき、注文していた一番希望のおいしそうな「鯖焼き」が配膳された。
井之頭氏は食べるに決まってる、という表情でイミグレーションをさらに待たせて食べてしまう。
ところでイミグレーション男には井之頭氏は食事前に日本のパスポートを提示した。
★ツッコミ所:パスポートも風雨にさらされ海を漂いキノコに中り気を失い山道で滑り泥だらけになった後でもきれいな日本のパスポートであった。
6.東京
場面はいきなり東京だ。
韓国の無人島の「食品研究所」にいた唯一の日本人女性からもらった名刺の店を訪れた。
そこの主人はフレンチのシェフで元その女性の夫であったがコロナ禍以降仲が嫌悪になり別れ「男に愛想を尽かした女性」になって韓国の無人島の「食品研究所」に移住したのだ。
で、会いに行ったその元夫は限りなく無愛想な男だった。
レストランは雑然として暗く「ウチは炒飯しかできないよ。いやだったら他行って」
井之頭氏が食べたその炒飯は絶品だった。
何度か通って炒飯を食べる井之頭氏。
そこで同じように炒飯を食べる一人の男と出会う。
元夫からは「あんたもしつこいね」と嫌われている。
その男に別の店でホットドッグとチョコレートパフェを奢り、パリのお祖父さんが探している「いっちゃん汁」の再現を元夫に再現してもらえるように協力してもらう。
★ツッコミ所:協力してもらうための奢りが「ホットドッグとチョコレートパフェ」
チョコパフェを食べた男はかつてそこで出していたラーメンを再開して欲しいのだった。
そこで井之頭氏と五島列島と韓国食材研究所で仕入れた出汁の食材を持って行って元夫のシェフと交渉した。
3日後。
さらに3日後。
出来た。
うまいラーメンだ。
食材も安く手に入るルートがあると井之頭氏が伝える。
パフェ男はTVのプロデューサーのような職業で、ラーメンを再開した後は、ぜひTVで紹介したいと元夫に提案するのだが・・・
元夫はそんなTVのグルメ番組は嫌いだと拒否する。
パフェ男はグルメ紹介番組ではなくドラマ仕立てだと言い、最終的にTVに出ることに同意を得る。
経営には宣伝も重要だからということで説き伏せた。
7.TV番組は「孤高のグルメ」
井之頭五郎氏に似る背広姿の男が店に入ってきて一回リハーサル。
次に本番。
「炒飯とラーメンしかない。潔い店だ!」
なとど井之頭セリフを言いながら・・・
背広の井之頭五郎さん役がラーメンを食べるその隣には一般客に扮した普段着の松重豊氏がラーメンを食べていた。
★ツッコミ所:松重豊にちょっと似る役者が主役を演じる『孤高のグルメ』。松重豊自身は一般客を装うなど、芸が細かい。松重豊イズムのひとつかもしれない。
その店は長らくラーメンをやってなかったのでラーメン用のどんぶりは処分して棚は空っぽだった。
そこに井之頭氏30年来のつきあいの同業者の協力で30碗を用意した。
★ツッコミ所:その30年来の腐れ縁同業者の男はおしゃべりでお節介でアイス好きでヨガ好きだ。見るからにうるさいやつ。最後に金一封を井之頭氏に渡したかと思えば封筒の中身はキャラクターボールペン一本だった。
新しく用意した碗の底には元妻のデザインした店名入りの柄が入っていた。
映画では夫婦が元に戻るとかには触れていない。
吾輩の想像ではたぶん戻らないような気がした。
8.いっちゃん汁
元夫が完成させたスープはパリのお祖父さん宅と韓国「食品研究所」に送った。
それぞれで素晴らしいと賞賛された。
特にパリのお祖父さんは最初「違う!」と言われたがそれは「うまく出来すぎだ!」との褒め言葉だった。
孫娘に作らせてもう少し下手にしたら昔食べた汁になるだろうとのこと。
ちなみに「いっちゃん汁」の「いっちゃん」はお祖父さんの名前からきた小さい頃の呼び名のことだった。
つまり「いっちゃん汁」は家庭内での呼び名で、世間では通じるはずもない名前だったのだ。
★ツッコミ所:いっちゃん汁が五島列島の郷土料理と思わせるところが笑う所。
9.腹が減ったでしょ?
映画の最後に、井之頭氏がアップで映り、観客に向かって、
「どう?腹が減ったでしょ?」
と言い、居酒屋のような店に入って行った。
それにしても映画の中で井之頭氏は少なくとも二度死にかけた。
★ツッコミ所:観客をハラハラさせておいて腹が減ったでしょ?どころやないっちゅうねん!
「どう?腹腹したでしょ?」
ならまだわかる。(わかるが当然のことながらこれでは面白くない)
1回目は台風で身ひとつで海に投げ出され異国まで漂流したとき。
2回目は無人島で採取した訳のわからないキノコを嬉しそうに鍋に入れて食べたとき。
★ツッコミ所:松重豊氏は正真正銘気丈な人で観ていてこんなに楽しい俳優はいない。いったい何回死んでんねん!?
(おわり)
10.余談
10.1.松重豊氏の映画館の挨拶まわり
東京圏(埼玉や横浜などを含む)では封切りの1月10日から各地TOHO映画館などで上映後に松重豊氏自身が登場し挨拶をして回っているようだ。(当人のインスタグラムによる)
マメで義理堅い松重豊氏らしいフットワークだと感心し、ますます松重氏のファンになる人も増えることだろう。
さすがに吾輩の住む片田舎の映画館までは来ないとはわかっていたが、映画が終わるとなんだか脇から本物の松重豊氏が登場してくる気がしたのだった。
10.2.韓国について
ひとつ書きたい感想だが、TV東京は韓国と何かつながりがあるのか?と常々思っている。
TV「孤独のグルメ」では以前から韓国編はあったし、特に今回の映画は時間比で韓国のシーンが結構な割合を占めていた。
吾輩は以前延べ3か月かけて韓国全土を回ったことがある。
料理はもちろん文化にも興味があり片言の韓国語を喋れるようになり旅は楽しかったが、それでも未だに韓国が日本に対してしかけてくる数々の嫌がらせにはさすがに辟易しているのだ。
正直言って今の今でも心の底では好きになれず距離を置きたい国なのだ。
この映画でも表現されているように、旅をして現実に個人個人に会ってみるとみんないいヤツということはわかる。
ただ、かつてソウル滞在中、「This restaurant is for national people only!!!」(この食堂は国民だけのためのものです!)つまり「日本人はだめです」と女店員に怒鳴られ追い出された忘れられない経験がある。
そこはソウルで知り合った親切な兄ちゃんに教えてもらったおいしいらしい食堂でぜひ行ってみてね、と言われていたから行ったのだった。
行列ができていて並んで、いざ吾輩に順番が来て入ろうとしたときに女性店員に日本人か?と訊かれてそうですと言ったら先の言葉が返ってきて驚いたのだった。
10.3.いろいろな国を舞台とした松重豊イズム映画をもっと観たい
話を戻して、今回の映画では韓国の良い面が出ていて後味も良かった。
しかしながら韓国があるなら台湾もタイも香港もインドもヴェトナムも、いろいろな国があってもいいじゃないか。
次の劇映画「孤独のグルメ」ができるなら、そしてそこに日本以外のグルメネタも入れるなら、ぜひ韓国以外の国もバランス良く入って欲しい。
いつか劇映画「孤独のグルメ」第二弾ができることを大いに楽しみにしている。
脚本と監督が松重豊氏という役柄は今までのTV版「孤独のグルメ」とはまた違った独特のユーモアと話の展開があってこれが松重豊イズムなのだろうかと感じた。
あくまで第一作目だから一作目としての感想だ。
この線で行ってくれると、ますます松重豊イズムを楽しませてくれるのでないだろうか?と大いに期待してしまう。
これからも松重豊イズムの奥深くをもっと観たいな、というところなのだ。
繰り返すようだが、第二弾も観たい。映画を作るのは一回だけと言わず、今後も脚本監督松重豊氏の本領をますます発揮していただき、同時に素晴らしい主役を演じて第二弾、第三弾・・・と続けていただきたいのだ。
(余談おわり)