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04_初山別みさき台公園キャンプ場~稚内の小屋(その1)

Nong Sukjaiの「ピザ屋のバイクでツーリング」 (2002年・夏・北海道)~
               前の話

 
 「みさき台公園キャンプ場」でまんじゅうと牛乳の朝ご飯の後、出発した。

 今日は稚内までの約100キロの道のりだ。
 平均時速35km/hほどで走っても3時間で着く計算である。のんびりゆこう。

 10kmほど走ると「道の駅富士見」があった。

 小さな土産物屋に併設する食堂で、屈強そうな男たちが集団でそばを食べていた。
 しかもそろいも揃ってみんな「ニシンそば」であった。

 運ばれてきたニシンそばを横目で見ると、実に旨そうであった。
 それで、ぼくもつられて注文した。
 なあに、2度目の朝食というわけである。
 
 ニシンは脂がのっていてとても美味であった。

ズズズ・・・ああ旨いニシンそば

 その後、土産物屋のほうで売っていた、茹でたてトウモロコシ(北海道ではトウキビと言う)も食べた。

 我ながらよく喰う。参考までに写真で紹介しておこう。

ああ旨いトウキビ

 雨がきつくなってきた頃、手塩町に入った。
 
 郷土資料館の看板が見えたので、その方へ右折した。
 
 正直に言えば、雨宿りがしたかっただけである。
 
 博物館を出るとき、管理人のおじさんに、天気のことを訊いた。
 台風13号は北海道には上陸せず、オホーツク海の北東へ抜けたらしいが、まだ当分雨と風が残るらしい。

 外は本格的な雨で、博物館に入る前よりも強くなっていて、風も出ていた。

 きのう、留萌の「セイコマート」という本州では聞いたこともない名前のコンビニで150円で買った雨合羽は、ホックのところから破けてきていて、すでにぼろぼろの状態であった。
 でもこれしか雨を防ぐものはないので、それを着るしかなかった。
 これを拒否したら、小樽からのジャージのように、濡れ鼠になってしまうのである。

 「セイコマート」の150円雨合羽を着てサイドミラーに映った自分の姿を見ると、まさにネズミ小僧であった。

 天塩川を渡ると、いよいよサロベツ原野に入る。

 天気がよければその開放感が最高であろうが、風雨が強い今日は、遮るものが何もない原野を走ると、もろに横風を受けるのであった。

 ぼくの「ピザ屋のバイク」は横風に弱い。

 屋根が飛行機の羽根のように湾曲しているので、風向きによっては、本当にフワリと浮かび上がるほどの圧力を感じるのである。

 そんなとき、もちろんハンドルをとられるし、進路を左右に揺さぶられてしまう。

 特に大型トラックに追い越される時の風圧がこわい。
 下手をすると、バランスを崩して大きな車輪に巻き込まれてしまう恐れがあるからだ。

 だから、大型トラックが後ろから来るときは、路肩のスペースを見つけて、先に通してあげているのである。

 だが今は、大型トラックが来なくても、北東の方角から、意地の悪い風が常に吹いているのだ。
 おまけに雨も降っている。
 すなわちピザ屋のバイクは盛大にワイパーを動かしつつ「ゆ~ら、ゆ~ら」と揺れながら、見るも危なげに走っているのである。

 とうていスピードなんて出せない。安全の為、巡航速度は35km/hと決めた。

 しかし、時に強風になるときは30km/hを下回り、25km/hで走ることもたびたびあった。
 
 今日は決して35km/hを超えて走らないことに決めた。

 ま、のんびりゆこうよ、人生は。
 
 ふわりふわりと揺られつつ、低速で走っていると、エンジンの音がセスナのように聞こえてきた。

 どこかに共鳴して、車体が心地よくブワーン、ブワーンと振動するのである。
 まるで超低空を飛行するセスナ機を操縦している感覚になる。なかなか気分がよいものだ。

 「こちら、機長です。ただいま、乱気流の中を通過中です。みなさま、安全のため、お席につき、シートベルトをお締めください」ってか。

 独り言を言うようになったらオシマイなのである・・・

 「ああ・・・北半球ど真ん中だ・・・」

 決して気が触れたわけではない。そう書いてあったから素直に読み上げただけのことである。

 『北半球ど真ん中・北緯45度通過点』

・・・だとさ

 そしてその反対の海側には、「N」(NorthのN)をあしらったモニュメントが建っていた。

「45」ではなくて「N(North)」の形らしい

 北半球のど真ん中とはよく言ったものだ。
 
 たしかに90度の半分は45度だなあ。スイカを8等分するときに包丁を入れる箇所だったけ? 

次は 05_初山別みさき台公園キャンプ場~稚内の小屋(その2) に続く。

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