【エッセイ】オージーとの付き合い方
少し前に「オーストラリア移住のメリット・デメリットは?」と言う記事を投稿した。
その中で「孤独とかホームシックとかが最も心配すべき問題である」と書いた。それと少し関係あるのだが、今回の表題にあるように「オーストラリア人は外の人間に冷たい」「日本人などの外国人の友達しかできない」という噂をたまに聞くことがある。特に自分がいるような地方都市は交友関係が固定化されその傾向が強いらしい。
移住前、自分がオーストラリアに引っ越したらそういった洗礼を受けるのだろうかと少し恐れていた。しかしながら結論を言えば、そんなことはなかった。ローカルの人が集まるスポーツクラブに参加して電話で連絡を取り合うような知り合いも何人かできた。友人と言えるかどうかわからないが、近所の人とも世間話をする。オージーはフレンドリーだと思う。
噂と自分の経験とのギャップの原因はなんだろう。総じて、オーストラリア人は話し好きだ。レストランやカフェは笑顔で会話している人で埋まっている。オージーは食べたり飲んだりすることよりおしゃべりの方が好きなのではと思うくらいだ。ということは、話が通じない人にはあまり興味がないと想像できる。会話に参加することができて初めてオージーの友達ができるのだと考える。
偉そうなことを言ったが、自分はネイティブ同士の会話についていけないことが多い。多分、話している内容の予備知識が圧倒的に不足しているせいだと思う。そして知識不足だけでなく文化的な距離というのもあり、日本でずっと暮らしてきた自分がその距離を埋めるのは簡単ではなさそうだ。わからない会話を聞いているのはつまらないが、今のところは我慢するしかなさそうだ。ただし、自分が理解できる内容の話もあるのでそう言う時は積極的に会話に参加している。上で言ったように会話の一員であることが大事だから。
もしオーストラリア人が冷たいと感じている人がいるなら、それは人種的な差別・偏見とかではなくて、ただ自然に楽しいことを共有できる人を求めている結果なのだと思う。新しくオーストラリアに来た人はその辺のことを知った上でオージーとの付き合いを考えるのがいいだろう。
それではオージーの友人が欲しい人はどうしたらいいのだろうか?手取り早い方法は何かのボランティア活動かスポーツまたは文化クラブに入ることだと思う。特に、オージーはアウトドアが好きなので、ハイキング、ランニング、サイクリングなどはおすすめだ。例えば、音楽が好きならそういうサークルに行けば良い。共通の話題は最初からあるので、少なくとも友人でないが知り合いならたくさんできる。多くの知り合いができればその中でお互い気が合う人と出会える可能で大きくなるだろう。また、オージーに何か誘われたら、自分の興味のあることではなくてもとりあえずやってみたらどうだろうか?いろんなことから道は開けると思う。また、通りで会うオージーとは笑顔を作り目を合わせて挨拶すべきだ。近所の人はローカルの情報を持っているので貴重だ。
自分だって平均的な日本人で多分世界基準ではシャイな方だと思う。日本にいた時も、友人が多い方ではなかった。ただ、外国にいれば「自分はシャイだから」などとは言っていられない。オージーの友人がたくさんいればオーストラリアに溶け込みより充実した生活を送れることは間違いない。自分自身へのメッセージでもあるが、簡単ではないが英語力と積極性をこれからも磨いていきたい。