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私と英語との関わり 〜上達のために必要な事

 学生時代の自分にとって英語はわりと得意な学科だったが、その学習に受験以上のモチベーションはなかった。つまり留学したいとか海外に行きたいという気持ちはなかった。だが、就職して2年後、非英語圏のある国に派遣されることになった。「派遣先では英語が通じるから」と言われたがこっちは英語さえも出来ないのだ。自分と英語との本格的な関わりはそこから始まった。

 派遣先で働き始め、相手は自国にいるのに外国語で喋ってくれているのに、自分が英語が話せないのはもどかしかった。なんとかしたいと思ったが、そう簡単に英語は上手くならなかった。
 しかしある日、今から思えば片言だが、突然英語が喋れるようになった。この瞬間は今でも鮮明に覚えている。海外に派遣されてから4ヶ月ぐらいだったと思う。この理由を考えてみた。

 英語でのコミュニケーションには球技スポーツと同じように様々なテクニックが総合的に必要だ。テニスでラケットを正しく振るには上半身、肩、腕、肘、手首が、正しく連動していかなければならない。また、ラケットを振るのが上手くてもフットワークが悪ければボールにはうまく当たらない。これと同様に、英単語を聞き取り、文法を理解し、文全体の意味を理解し、自分の言いたいことを英語にし、英語を発音することが連動してできなければ会話は成立しない。それぞれの能力は個別に上達していくが、何かが足を引っ張っているとそのせいでうまくコミュニケーションができなくなってしまう。その、律速している何かが解決されると急に会話の回路ができるのだ。もう回路の他の部分はできているので、それが急な成長のように感じたのだと自分は考えている。

 これが正しいとすると、その会話の回路がなんとか繋がるXデーに到達するまで上達曲線はほぼ平らなままだ。ここが最初の関門だったのだ。無事、Xデーが過ぎたあと、対人の長い会話が可能になった。多分、これが中級の始まりだったと個人的には考えている。相手にゆっくり言ってもらえば、いろんな場面で英語のやり取りが可能になった。英語漬けになってから4ヶ月というのはそんなに短くない。1日15分勉強する人にとっては結構な年月になってしまうかもしれない。

 他人も自分と同じかどうかは自信がないが、初級者はなんらかの「上達した」と感じる成功体験が必要で自分のXデーを突破できるように続けることがまずは大事だと思う。英会話教室に通ってもいいし、アプリを使ってもいいし、ネットミーティングを使ってもいい。できればインタラクティブに話す機会があるものがいい。海外に行けるならもちろん一番いい。

 さて、上級者は一般に専門職として働くことができる程度の英語力を持っている人と言われている。自分が上級であると仮定しての話だが、中級と上級に間に上のような明確なボーダーはなかった。自分の場合、海外に行って「英語がお上手ですね」とお世辞を言われたらまだ中級だと感じた。相手が自分を見て英語でコミュニケーションできることを前提としていない証拠だから。さて次の問題はどうやって中級から抜け出すかだ。以下では、自分がこれは良いと思っている勉強法を紹介したい。

 誰かの受け売りだが(誰だったかな?)、英語が聞き取れない理由は大きく分けて3つあるという。1つは単語が聞き取れない。2つ目は単語(や熟語)を知らない。3つ目は話の内容の知識がない。「聞き取れても話せなきゃダメじゃない」と思う方がいるかもしれないが、聞き取れるものは話せるものなのだ。だから、聞き取れるかどうかが英語力の最も重要な評価基準になる。

 1番目の単語を聞き取る能力の強化には、YouTubeのKendra's Language Schoolチャンネルで、英語を聞いてその答えを文字で確認して自分も発音するようなトレーニングが単純で個人的には気に入っている。いろいろな難易度の例文が無限に近いぐらいあるので空いた時間にでも聞ける。動画の一例を下に上げておく。

 これも受け売りだが、話すことによって脳に記憶が刻印され聞き取れるようになるらしい。よって、話せない環境であっても、頭の中だけでも発音するといい。

 2番目のボキャブラリーの強化にも上記KendraのYouTubeは役立つが、やはり王道は英語の書籍や新聞などを読むことではないだろうか?できればその場で辞書がひけるコンピュータ上で読むのがいいと思う。他の記事で洋書の書評を書いているように、私は年に数冊だが洋書を読むようにしている。ネットの英字新聞も読むし、紙の新聞もたまには読む。新聞で記事の内容がとっつきにくい場合は最初の段落だけでもDeepLとスマホのカメラを使って翻訳させて、大体何について書いてあるかを頭に入れてから、読み始めると楽だ。

 3番目の会話の背景にある知識を強化する方法についてだが、一般教養の強化とすでに海外にいる場合はローカル情報の獲得だろう。上で述べた書籍、新聞のほかに、さまざまな英語のメディア、そしてできれば現地のネイティブの人との会話などがそれらのリソースだ。これを強化するのは近道はなく、いろんなことに興味を持ち、そして深掘りすることが重要だろう。また、ネイティブとの何気ない会話の機会は貴重だ。

 ここまで自分と英語との関わりについて思いつくところを書いてきた。語学学習は楽しむことが最も重要だと思う。苦痛なことは続かないので、楽しく勉強できる方法を見つけるのが一番だ。例えば、フレンズ英会話カフェというYouTubeチャンネルがあるが、人気ドラマFriendsを切り取って解説している。楽しく勉強でき、Kendra's Language Schoolとともに自分が愛用しているYouTube教材である。

以上、自分もまだ修行の身だが、参考になれば幸いだ。

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