読書メモ『具体と抽象』 抽象化を制する者は思考を制す!
『具体と抽象』
世界が変わって見える知性のしくみ
著者:細谷 功
会社で会議に参加していると、
あれ?この人何の話しているの?この話、テーマに関係なくない?
そういうつもりで言ったわけではなくて・・・(話がかみ合っていないぞ)
そもそも、この会議の目的って何だっけ・・・?
と、思う場面が多々あります。
なぜなんだろうか?とモヤモヤしていたところに、本書を読んで「こういうことか!」と気づかされました。
議論がかみ合わないのはなぜか?
議論がかみ合わないのは「抽象度のレベルが合っていない」ために起こります。
ある人は「具体的に」「一個人としてのケース」を話している。
ある人は「抽象的に」「全体でのあるべき姿」を話している。
どちらも大事ですが、今はどちらの話(抽象or具体)を進めているのか、を切り分けないと、話が全然まとまりません。
本書の中に度々出てくる、三角形がとてもイメージしやすいです↓
この三角形のどのレベルで、
今、自分は考えているか(話しているか)
今、相手は考えているか(話しているか)
という視点を持つことが、今までの私自身に抜けていたと思います。
500ページの資料を読んでもらうには?
いきなり500ページの資料を渡されて読めと言われても、誰も読みません。
私だって読みたくないです。
けれど、資料を渡されたときに、
3分で資料の要点を説明されたら、どうでしょう?
「面白そうだな」と興味を持ったら、きっと読みますよね。
要点の説明は、まさに「具体→抽象」です。
抽象化ができると500ページの資料を読んでもらえるのです!
もちろん相手に興味を持ってもらうというのは簡単ではありません。
しかも相手にとって興味を持つポイントは様々。
そこが分かっていないと「面白い」と思ってもらうのは無理ですよね。
ところで、私は『ハリーポッター』シリーズを読んだことがありません。
あの冊数の本を読む気力は、なかなか湧かないからです。
なので、読んだことのある夫に「ハリーポッターの魅力」を聞いてみました。
いわく、「現実とファンタジーの融合がワクワクする」とのこと??
ファンタジーにあまり興味が湧かない私には刺さりませんでした・・・。
徹底的に抽象度を高めた学問「哲学」と「数学」
数学は、純粋に理論的な学問で、
哲学は、理論だけでは説明がつかない人間の思考や感情を扱う学問です。
「理論的」かどうかで考えると対局にいる両者ですが、共通点があります。
それは抽象度がめちゃくちゃ高いということです。
哲学や数学に触れたときに
「何言っているのか全然わからない」
「これって実生活で役に立つことあるの?」
と感じるのは私だけではないはず。
抽象度が高いということは応用がきくということ。
つまり哲学と数字を学んで「どう活かすことができるか」を考えられる人って最強なのでは?と思いました。
もちろん簡単にできることではないですが。
「何だか難しそう・・・」と毛嫌いしていたこのふたつに興味が湧いてきました!
この本を読んで自分がこれからすべきこと
① 抽象的な表現を具体に落として考える
② 具体的な事象の共通点を見つけて抽象化できないか考える
②の方が私にはより難しそうに感じます。
「抽象⇔具体」のイメージができていると、人の話を聞くときや、自分の話を説明するときに、相手にわかりやすく説明できそうです。
さいごに
本書は決して分厚い本ではなく、文字数が多いわけではなく、難しい言葉や表現もなく、なんなら猫のかわいい漫画までついた!とっても読みやすい本です。
ただし、内容が「本質的なこと」なので、はじめ読んだときは「わかったようで、わからないような・・・」という感想でした。
けれど、読む前と読んだ後では、あきらかに自分の考えが変わります。
「抽象⇔具体」のどのレベル?という新しい視点を持てたのが大きかったと思います。
思考に行き詰ったときに何度も読み返すとよい一冊だと思いました!
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