zozomat1118件からの足型別数値集計
zozomatが配布されて1ヶ月以上が経ちましたね。
ネットにUPされた画像データから足数値を集計してみました。
こんなに足データがたくさんUPされているの嬉しい!
ありがとうzozoさんっ!
◆ 分析したかったこと
● あひる型について
足幅によるワイズ分類が一般的ですが、個人的には甲幅に対して踵が小さい足が増えているのが気になっています。
あひるのような形状なので「あひる型」と命名しました。
夫がこのあひる型で、踵が細くて靴選びにいつも困っています。
幅は太めなのに踵は細い。
夫足長は27サイズなのに踵の大きさは24サイズの私と同じ。
左が夫、右が私の足。
踵幅数値が同じな上に夫の方が踵細いかも…
ネットには夫と同じ悩みをよく見かけるし、街でも同じ形状の足をよく見かけます。
でもこの形状に対応した靴がいまだにない!
そしてその理由もわかります。
踵は靴木型屋さんの聖域として触ってはいけない。
なので、対応する靴木型を作るのは難しいのも理解しています。
このあひる型が多いことが認知されれば、対応する靴も増えてくるのではないかな、と期待!
● グレーディングの数値は適切なのか?
個人作家さん、靴木型を展開する時に既存のグレーディング数値で良いのか悩みませんか?
足長5mmに対して3mm・4mm等差が一般的ですが、問屋時代にこの数値でグレーディングをしていた時に通常サイズ以上では微妙にズレを感じていたことがありました。
この数値は適切なのか?検証してみたかったのです。
● 分類した足型数値をオープンにすれば、標準値以外の靴を作るメーカーもでてくるのでは?
ここを実は一番期待しています。
大手はデータは持っているのかもしれませんが、私は見つけることができませんでした。
幅広型に向けて靴を作ろうと考えても参考数値がわからないと、サイズ展開もできない。
靴を作っている人に向けて参考になるような数値をだせれば、市場の靴種も増えるかも!?
◆ データの分類方法
画像データから数字をスプレットシートに打ち込みました。
全部で1118件のデータです。
5日かかりました…打ち込み遅い…。
男女の区別は途中で諦めました。なのでデータは男女混合です。
ここでは足型で区分けしていきたいので、一般的な甲幅区分(DとかEとかEEEとか)は無視してます。
両足の平均値を求めて、その数から4つの数値分類をしました。
・幅数値 (幅/足長)
・あひる数値(甲幅/踵)
・甲高数値 (甲幅/足長)
・踵数値 (踵幅/足長)
・ 甲幅数値 0.425以上 → 幅広
0.39以下 → 幅狭
・ あひる数値 1.6以上を「あひる」
・ 甲高数値 0.265以上 → 甲高
0,234以下 → 甲低
・ 踵数値 0.275以上 → 踵太
0,244以下 → 踵細
とそれぞれ分類しました。
基準は平均・中央値を境に分類しました。
あひる足については中央値に近いですが1.6以上にしています。
夫の数値が1.6で、その数値で靴選びに難航しているのをみているので1.6としました。
特徴を元に分類はこんな感じです。
◆ 足型分類
分類した足の平面図です。
足の形状は様々なので参考として見て下さい。
甲幅に対して踵幅が小さい「あひる型」が30%近くを締めます。
甲幅が狭い細足でないけれど踵が余る、そんな足の人がたくさんいます。
◆ 足型ごとの数値
サイズについては240サイズ(237~242)245サイズ(243~246)の様にハーフサイズごとに振り分けています。
サイズは平均値でとるとばらつきが大きくなったので、中央値でとっています。
木型作成の時の参考値としても活用して欲しいので、中央値に近い数字になるように等差振り分けをしています。
こんな風に振り分けしています。
各足型、21.5〜28.0まで数値をだしていますが、端サイズは元データも少ないこと、ご理解お願いいたします。
● 標準型
1118人中、該当数は610人。約半数です。
標準値は4タイプに振り分けました。
全ての数値が標準値にあてはまる「標準型」、甲が高い「標準甲高型」低い「標準甲低型」そして踵が太い「標準踵太型」
このうち、標準踵太型はデータが少なかったので集計を諦めました。
集計数は「標準型・336人」「標準甲高型・114人」「標準甲低型・85人」です。
・ 標準型
全て数値が標準枠内に収まった足です。
1118人中、該当数は336人。
一番数が多く、全体の30%、約1/3の人がこの足に当てはまります。
JISワイズ表記に照らし合わせるとD~Eぐらいの足囲になりました。
・ 標準甲高型
甲高値(甲幅/足長)が高い以外は標準値の足です。
近い数字を割り当てると足囲が5mm、甲高1.4mmの等差になりました。
1118人中、該当数は114人。全体の10%です。
足幅は標準足と変わらないのですが、その他の数値が若干大きめです。
足囲と甲高の等差も大きめです。
・ 標準甲低型
甲高値(甲幅/足長)が低い以外は標準値の足です。
近い数字を割り当てると足囲が4.5mm、甲高1.2mmの等差になりました。
1118人中、該当数は85人。全体の7.5%です。
● 幅狭型
足幅数値(幅/足長)が 0.39以下の幅狭型です。
近い数字を割り当てると足幅2mm、足囲が4.5mm、甲高0.8mm、踵0.9mmの等差になりました。
足長サイズが大きくなっても各部の数値が大きくは変化しないのが特徴でした。
1118人中、該当数は80人。全体の7%です。
JISワイズ表記に照らし合わせるとA~Cぐらいの足囲になりました。
● 幅広型
足幅数値(幅/足長)が 0.425以上の幅広型です。
近い数字を割り当てると足幅2mm、足囲が5mm、甲高1.4mm、踵1.3mmの等差になりました。
1118人中、該当数は115人。全体の10%です。
JISワイズ表記に照らし合わせるとEEE〜ぐらいの足囲になりました。
● あひる型
あひる数値(甲幅/踵)が1.6以上の足です。
甲幅に対して踵が小さい足を「あひる」型としています。
1118人中、該当数は309人。約30%です。
JISワイズ表記に照らし合わせるとD~EEぐらいの足囲になりました。
あひる型は幅が標準・幅広・幅狭数値で分けました。
標準213人・幅広94人・幅狭7人でした。
幅狭は該当人数が少なく集計外に、そして幅広は数値にばらつきがあり、等差でだすのが難しかったので集計を諦めました。
特徴としては平均値よりも踵が細く、足長が大きくなるごとに踵との幅差が大きくなるので、男性のあひる型が目に入りやすいです。
また、横アーチが落ちた開張足で「あひる型」になっているかはデータだけではわからないのですが、集計では甲低より甲高の数が多くなっています。
これは個人的な観測なのですが、あひる型の方は歩き方に特徴がある人も多い気がします。
「歩行時に踵から着地して親指から脱陸が正しい歩き方」と言われますが、あひる型は歩行時に踵が着地せずに前足部だけで歩く人が多く見られました。
◆ 集計をしてみて
足の形は様々であること、さらに実感しました。
サイズごとにグレーディングで各部を少しずつ大きく展開していくように、足もサイズごとに数値も大きくなっていく、と想像しがちですが実際には足長ごとに各部サイズが大きくなるのではないのも発見でした。
サイズ等差も均一に3mm、4mmとなるのではなく、足によって等差も変わってくるという辺り前のことにも気付かされました。
同じ足の特徴でも各部は均一ではなく人それぞれ。
作り手は「日本人の足に合わせた」という言葉を使いたくなりますが、体型が其々な様に足も様々です。
靴業界は今後もどんどん縮小していくと思います。
そんな中、同じ平均値の靴型サイズ展開ではなく、少数派な足にも寄り添って靴を提案していくのがブランドにとっても生き残りに繋がると思います。
今回の数値を参考に様々な足に対応した靴ブランドが増えてくれると嬉しいです!
(注:木型でデータ参考にする場合は実際の足囲値ではなくのコロシ数値にすること忘れずに(人それぞれだけど95%ぐらいの数値が目安かな?)
そして、足と靴の数値データを持っている会社さん、ぜひご連絡ください!この辺り、個人的に興味ありますのでもう少し深く探ってみたいです!!!
◆ 後日談:zozo発表の日本人平均数値と標準値がほぼ同じでした!
zozoの日本人の平均値が発表されました!
平均足型のサイズが「標準型」の数値とほぼ同じでした〜!!
答え合わせできたみたいで嬉しい!
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