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時代とアンテナ

私は転職回数がとっても多いです。
20代は会社をコロコロ変わりました。
しかも靴業界が傾きだした真っ最中だったので倒産、リストラ、解雇の連続で自分から辞めた会社は殆どない。
当時は生きるのって厳しいな〜、なんて本気で思ってました。
80代の祖母なんて生き延びているだけで「すごい!」と純粋に尊敬していたぐらい。
でも一人暮らしをしていたし、勤めていても安賃金なので、とりあえず仕事をすぐに探さないといけない。
でも、この経験が今となってはとても良かったと思うんです。
「この会社や職種は当分は失業しないかな?」とアンテナをたてられたから。
靴業界内でも色々な職種を経験することができたし。

この「時代のアンテナを立てる」ことは移り変わりの早い今の時代にとても重要ではないかな?と思っています。
今、盛り上がっていることが来年も盛り上がっているなんて、どの業界でも確約できない。
以前に書いたnoteで「その時代とその時の気持ち」を書いたのですが、時代と人の気持ちはどんどん変わっています。


https://note.mu/riccca/n/n54935efc1ee7?magazine_key=mafde5e0b4dfc


2008年にリーマンショックで人々の気持ちが不安定になって、それまでセールをして安くすると捌けていた商品が、セールで値下げをしても売れなくなりました。
問屋が在庫に慎重になり、メーカーへの発注が激減して製造メーカーがたくさん倒産しました。


→この時セールで捌けるから!と発注を以前と同じにしていたら?
 メーカーに勤めていたら?


2009年のファストファッションブームで海外の大型企業がどんどん参入。これだけ安くて買えるんだ!と人々の価格基準が上書きされた。そして安価商品を売っていた販売業者が軒並み倒産したこと。


→この時ギリギリ安値の中国生産商品を作っているメーカーに勤めていたら?


2011年の震災からは人々の気持ちがどんどん「必要なもの、買いたいモノ」を見つめ直すようになって、なんとなくシーズンごとに購入していた商品を控えるようになってきたこと。
この頃、百貨店ブランドのデザイナーをしていたのですが、トレンドに沿った商品提案がどんどん弱くなってきたのを感じていました。

→この時トレンドを意識したブランドを担当していたら?


あの時にそこにいたらどうしていただろう?
時代が変わっていくごとに自分の立っている場所も少しずつ移動して、その場所がなくなってしまうかもしれない。
そんなゾワッとした気持ちをいつも感じています。

何か変化が起こる時は突然起こるのではなくて、前触れがあるはず。
小さな違和感を感じた時はその気持を見過ごすのではなくて、ちょっと心の中で立ち止まってみる。
このままで良いのかな?少し時代が変わってきている気がする、時代に合わせて自分はどう変わっていこう?考えて少しずつ軸足をずらしてみる。
違和感が大きくなればなる程、軌道修正も難しくなってくる。
だから時代の流れにアンテナをたてて、自分も少し変化をやめないでいたい。

私のようなフリーランスでなくても、誰もがそんな時代に生きているのかも。
どんどん速度が早くなる時代にちゃんとアンテナを感じていよう、そんなこと思います。



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