靴のサンプル依頼 ラフ仕様書書き方1
そんなこんなで、打ち合わせを終えた後にラフサンプル仕様書を作成します。
靴のサンプル依頼 流れ・打ち合わせ
https://note.mu/riccca/n/n91042ecd6a39
・仕様書作成の前に
・仕様書作成
・色
・素材
・ミシン糸
・裏素材
・中敷き
・ヒール巻
・底色
・木型・ヒール・底材NO、
・中底仕様
・サンプルUP期限
・仕様書作成の前に
ラフサンプル指示書は「サササッ〜と描いて、あとはメーカーさんにお願いするわ」ってデザイナーさんも中にはいるけれど、ラフだからこそきっちり描いた方が後々お互いが楽です。
あとで「ここをこうしてください」と修正しても、そこでバランスや全体の仕様が崩れて大幅に修正になったり、「こんな雰囲気でないのに!」と仕上がったラフをどう修正していいのか分からないほどのサンプルがあがってきたりして、仕様書からうけるイメージがメーカーさんと大きく異なったりすることは多いです。
デザイン画ではなく、仕様書として絵はきっちり靴型のバランスと同じように描く事は基本として、ベルトデザインならば、内側も描いたり、アッパーにデザインが乗ってるときは上からの図も描いてください。
それを描いた上で、こんなアッパーラインの深さをイメージしているとか、写真や現物靴など、参考になるものも添付したほうが分かりやすいです。
自分では分かりやすく描いたつもりでも、同じイメージが相手に伝わっているとは限りません。
業界の高齢化に伴って、靴の型紙師もかなり年配の男性職人さんが多いです。
長く仕事をすれば、お互いの感覚は掴めてきて資料や説明も簡略化できてくるのですが、最初はしっかりと自分の持ってるイメージを伝えてください。
仕様書は決まった形式はないのですが、だいたい下記みたいな項目があれば大丈夫です。
・ 仕様書作成
写真の仕様書はnote用に作ったので、仕様書をはじめて作成する時など、項目がわからない時はそのままの形式で作ってもらっても問題ないです。
この仕様書を左から見て行くと
・ 色
BL黒、BGベージュ、BRブラウンとか問屋ごとに色表記があります。それを記載。
・ 素材
アッパー素材を記載。デザイン画と同じ色分けならば分かりやすいです。
ラフサンプルから指定の素材でお願いできる場合もありますが、だいたいメーカーさんにある似た素材で作ってもらうことが多いです。
・ ミシン糸
指定の色を記載。こだわりの色がある場合は糸を貼付けてイメージを伝えます。
・ 裏素材
靴の裏の素材を指定。メーカーさんによって使う裏材も様々です。
裏の種類としては、合皮のPU、合皮のシルキー、豚革、馬革、山羊革など。
山羊革の裏革になるとかなりお高めな靴になるので、あまり見ませんが。
・ 中敷
中敷の素材を記載。
もしステッチや切り返しなどデザインをいれる場合は仕様書に指示絵記載。
・ ヒール巻き
ヒールを巻く素材を記載。
だいたいの婦人靴はヒール屋さんのヒールをつけています。
高価なものは革の積み上げ等も使用してたりしますが。
このヒールに巻く素材を指定します。
ちなみに、「スタックヒール」は木の積み上げだと勘違いしている人もいますが、スタックヒールは革を積み上げて作っています。
スタックヒール巻き素材は、この積み上げをスライスした素材です。
・ 底色
底の素材は革底や合成ゴムや天然ゴム、スポンジやウレタンなどがあります。使える素材を打ち合わせして色を記載してください。
・ 木型、ヒール、底材NO,
木型やヒール、メーカーさんに番号を聞いて記載。
ヒールは慣れてきたら、靴型を持ってヒール屋さんでイメージに近いヒールを見つけてくることもできますが、最初はイメージの形のヒールがついている靴などを渡して、そのヒールに近い使えるヒールをメーカーさんに探してもらう方がいいです。
ラフサンプルで番号がわからない場合は渡している現物靴の写真を↓みたいに仕様書に貼ったりして伝わるようにしてください。
・ 中底仕様
最近の中底にはスポンジを貼って足当たりをよくしている靴が多いです。
足が地面に直接触れるようなペッタンコの中底より、足の疲れも軽減されます。
スポンジも一時はふんわりしている低反発がブームでしたが、今は足が沈みこまない高反発スポンジも多くなってきました。
履きやすいから、と厚めのスポンジばかり入れると靴がもったり仕上がります。
個人的な感覚としては、きれい目の靴には3mm厚、カジュアルには5mm厚くらいのスポンジが靴のバランスが崩れなくてオススメです。
・ サンプルUP期限
右端のサンプルUP日は記載必須事項です。
打ち合わせしつつ、忘れないようにメーカーさんと確認して日にちを記載してください。
書き忘れると、UP日を約束した、していない、と不毛な争いに発展する可能性大です。
ここまで仕様書をメーカーさんと打ち合わせをしたら、原本をメーカーさんに渡して、カラーコピーや写真を手元に保存してください。
最近はipad 、iphoneでもキレイに写真が写せるので、おすすめです。
手元に資料があると、外出時に問い合わせがあった時にも困らないです。
裏の仕様と絵型については「ラフ仕様書書き方2」に続きます。
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