義母も女だと思ったとき(その4)

それから間もなくして、義父と女性との

間に子供がデキてしまった。

あの時代のことだ。

どれだけパニックに陥ったことだろう。

この段階で普通は籍だけでも入れるもの

である。

ところが、二人は入籍はおろか、一緒に

暮らすこともなかった。

そのあたりの事情を、もっと詳しく知り

たいところだ。

だが、如何せん、義父も義母も相手の女性

も、もうこの世を去ってしまっている。

また、親戚も昔の話だけに、詳しい話を知って

いる人がいない。

連れは、「父は、まだ母のことが好きだった

から、その女性と結婚しなかったんだと思う。」

と、言っている。


相手の女性は、身ごもった子供だけは絶対に

産むことを決めていたらしい。

それについては、生前の義母と話していた

ときのニュアンスで伝わって来た。


さて、生まれた子供は男の子だった。

義父は自分の子供を産んでくれた女性とは

男と女の縁が切れてしまったが、

子供を認知して経済的なサポートは続けた。


で、この男の子というのは、連れの半分血が

繋がったである。

ただ、その事実を連れが知ったのは、30歳

を過ぎてからのことだった。

義父は肝臓がんで入退院を繰り返すことになり、

亡くなる前に連れに兄の存在を知らせることに

したのだ。


🐶今日もいそろくさんのイラストを使わせていただきました🌻



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