鉄フライパンの沼にはまって見えたこと
私は小学生のころから台所に立ってたんやけど、当時は鉄フライパン(以下、鉄パンと書く)が主流で、洗剤で洗ったら油ならしにニンジンの皮とかを炒めてた記憶がある。でも、ええ年になってからステンレスフライパン(以下、ステパンと書く)を使いだして、ほんまにそんなことをする必要があるんかな?と疑問に思った。キャンプ動画の観すぎで鉄パンを買おうと思い立ち、どれにしようか考えながら鉄パン関係の動画を目ぇから血ぃが出るほど観て、同じくブログを目玉が割れそうになるくらい読んでみた。
油の種類なんか関係あるの?!
油って、値段・色・香り・味・酸化のしやすさ(しづらさ)、だけやと思っていたら、ヨウ素価とかいうのの高低で不乾性油・半乾性油・乾性油に分かれるということを知った。油絵を描く人は詳しく知ってはるという話やけど、私なんか鉛筆でドラえもんの絵を描くのが精一杯やから、そんなん言われてもわからへん。はよ言うたらオリーブ油以外の生食することの多い、高い油が油ならしに向いている乾性油らしい。
とはいえ、油ならしのためだけに高い油を買うのは絶対イヤ。当面の間は炒め物とかに使ってるこめ油を油ならしにも使って、それがなくなったら、ひまわり油を使うことにした。
油ならしの説明と具体的なやり方は、このお二方の動画がとても参考になったので、よかったらどうぞ。
だいじなのは「ライデンフロスト現象」では?!
「店でも開くんか?」と己にツッコみながら、鉄パン1つ、炒め鍋1つ、厚板の鉄鍋を1つ買うた。どれも「洗った後は油ならししなくてもすぐに使えます」という親切なヤツ。せっかく買うたし、気ぃは心やし、とりあえず、鉄パンを温める→油を染みこませたウエスで裏表全体を拭く→冷ますを3回繰り返してから、使ってみた。ステパンをお使いの方は、水を少したらしてそれが球になってコロコロ転がるまで温めてから、油をひいて調理する、を実践してはると思う。この水の球コロコロを「ライデンフロスト現象」とか「ライデンフロスト効果」と言うらしい。
この生徒さんが実によく実験してまとめてはるので、興味のある人はご一読を。
https://www.pref.nara.jp/secure/256930/21_narakyouikudaigakufuzokucyuu_youshi_raidenfurosuto.pdf
先述の動画でも「吸着水」に触れてはるが、これを熱で飛ばしてから油をひいて調理したら、たいがいのものはくっつかへんはず。仮にくっついたとしても、金属には熱を加えると膨張して冷めれば収縮する特性があるから、ど派手にくっついても冷ましてからヘラでこそげば、かなりキレイにはがれるはず。材料によっては水気も出てくるから、それで余計にはがれやすくなるしね。
鉄も金属やねんから、ライデンフロスト現象が起きるまで温めればいけるやろう。
ライデンフロスト万歳!!と思いきや……
たいがいの鉄パン動画は目玉焼きを作って見せてはるけど、一番くっつくのはタンパク質やない。伏兵は糖質の多い野菜とアブラナ科の野菜や。レンコンを少し厚めに切って揚げ焼きして、仕上げに塩をぱらぱらとかけるとおいしいんやけど、これを鉄パンで作ってみたら見事にひっついた。ライデン
フロスト現象が起きるまで鉄パンを温めて、油を多めに入れても、レンコンのデンプン質と糖質に完敗した。もっとひどかったのはアレッタのオイル蒸し。あれを惨敗と言わずして何を惨敗と言おう。油とは……、水とは……と嘆くらい焦げついた。野菜の糖質に比べたら卵や肉のタンパク質なんかかわいいもんや。これからは糖質の多い野菜とアブラナ科の野菜はステパンで調理しよう、と心に誓った。
無理やりまとめる
ぎょうさん油を使う油返しは不要(油、高いし)。油ならしも油を鉄パン全体に薄くのばす程度でOK。
とにかく鉄パンを「ライデンフロスト現象」が起きるまで温める。油ならしをしたときに油を入れすぎて、水をたらすのが怖かったら、白い煙が上がるまで熱すること。
汚れたら洗剤で洗っても何の問題もなし。最後に油ならしをしたらいいだけの話。酢豚やオムライスなんかを作ったら洗剤で洗う方がいいと思う。中途半端に酢やケチャップが残ると錆の原因にならんとも限らんしね。
死んでも洗剤を使いたくない人は、タワシで洗ってから布巾でぬぐうように洗うと吉。布巾で拭うように洗うと、かなりキレイになるよ。でも酢やケチャップを使ったら洗剤で洗おう。
うわっ。めっちゃ長うなった。続きはそのうち~。