個人的SM/DSの考察(というか、まとまらない考えの垂れ流しw)の2
前回は「SMは何がきっかけでカジュアルになったのか。」について、個人的な考えと時間の流れの途中まで書いてみました。
ざっくり要約すると「地下3階」のアングラだったSMは一部の嗜好者によってのみ認知されていて、書籍中心に情報が発信されていたが発信力が弱かったため一般への認知・浸透には至らなかった。
これがホームビデオの普及によりアダルトビデオが出回りやすくなり、その商品の差別化によってアブノーマル作品の一環でSMものが人気を博し、広まっていった「のではないか」というところまでを書きました。
ではAVによって地下2階レベルまで認知されてたSMが次の段階「地下一階」に上がってきた要因は何だったのかを考えてみました。
これはテレビの影響が大きいと考えています。
TV番組は多数が認知し、不快感を与えなければ放送される度合いが
高いコンテンツだと考えています。なので日中~夜11時までの時間帯で、いきなり「ガチのSM行為」は放送できません。
1980年代初頭にオールナイト・フジという現役女子大生をメインに据えた深夜番組が放送され、多大な人気を博しました。この番組内の1コーナーにAV作品を紹介するものがありました。概ね2~3本くらいを紹介していたように記憶しています。このコーナーは結構人気が高く、またオールナイトフジの視聴率も深夜枠で考えると非常に高かった(最高で7.2%、平均で3.5%)ため、他局でも深夜番組が続々と開始され同様のAV紹介コーナーも放送されていました。より高い視聴率を上げるために紹介されるAVも過激なものになっていき、SMもののAVも取り上げられるようになっていました。
この深夜番組の高視聴率を狙った番組作りは、AV紹介以外のコーナーも過激なものになっていったために現総務省(当時は郵政省?)の自粛通告により内容の変更、番組の打ち切り(飽和状態故の視聴率低下もあって打ち切ったのではないかと思ってます。)もあってAV紹介は無くなりましたが、概ね2年くらいの間に紹介されてきたのでSMという言葉、行為自体を全く知らなかった人達、特に20~30代の若い世代にはかなり浸透したのではないかと思っています。
この他にも、テレビ朝日で放送されていた「トゥナイト」の木曜日には映画監督の山本晋也さんが性風俗を探訪するコーナーがレギュラー化しており、その中で自縛をした女性が登場する等していました。
こうして特に若い世代に広く認知されたと思われるSMは1980年代に深夜枠で扱われるのみでしたが、1990年代に一般のマンガ雑誌やテレビドラマで扱われ、より多くの人の目に触れる機会が多くなります。TBSで放送されたドラマ「ずっとあなたが好きだった」の中で、佐野史郎さん演じる「冬彦」がとあるパーティーでSMの女王様とプレイし、魅了されるという回がありました。
金曜夜10時のTBSのドラマ枠は深夜のそれとは比べ物にならない程の視聴率ですから、先に書いた通り「多数が認知し不快感を与えなければ放送される」わけです。つまり、SMはそういうコンテンツとして認知されたと言っていいと思います。
TVでの扱いによって地下一階まで上がってきたSMがいよいよ地上に上がる時を迎えます。その要因は「インターネット」であると考えています。
ホームビデオ普及の時もそうだったように思いますが、やはり人間の根底、本能の中には「性的なもの、ことへの欲求」が占める割合が多いと思っています。AVが制作されず、過去の映画ばかりであったらレンタルビデオ屋さんは大きく繁盛しなかったと思いますし、大きく繁盛しなかったらレンタルビデオ店は大きく増えなかったと思います。
話を戻します。
インターネットが大きく普及した要因のひとつはアダルトコンテンツサイトだと考えています。1995年当時、IBMのCMで地方に住んでいる大学教授が孫娘と会話するものがありましたが「何々の文献はNYから、何々の資料はアリゾナ?から」というものが有りまして、インターネット以前では集められない、調べられないもの、ことが集められる、調べられるという次世代の素晴らしさを伝える内容でした。しかし、そんな高尚なことにだけであっては世間一般には広がりません。やはりエンターテイメント系のコンテンツが無ければ一般ピープルは興味を示さないし、使用しないと思います。
なので、アダルトサイトの「充実(?)」によってインターネットの使用率は大きくあがったと思います。
アダルトサイトも無修正の画像類を閲覧するものの他に、チャットをメインに扱うものがありました。アダルトチャットも普通の猥談、雑談が多かったのですが、アブノーマル嗜好者専門のチャットもあり、特にSMに特化したチャットは人気だったように記憶しています。
※かく言う私もSM系のチャットで色んな人と会話を楽しんでいましたw
このインターネットを使用したSMチャットの存在は、その地位を地上に上げるのに大きく寄与したのではないかと考えています。
SMに興味がある人はもとより、自分の性的嗜好に疑問を持っていた人がその答えあわせのために参加していました。そしてネットの特長とも言えると思いますが、同じ嗜好に人間が多く集まるとマジョリティーと勘違いしがちなのです。マジョリティーと勘違いした人々が一般社会の中で普通にSMを語り始め、それが普通になっていった結果、アニメやマンガの中で「ドS」「ドM」という表現を使いはじめ、それが違和感なく受け入れられている。という現状に繋がっているのではないかと「個人的には」考えています。
しかしながら、一般化、カジュアルになったSMには弊害も生じていると思っています。この弊害については後日述べさせていただきます。
※引っ張っているわけではないので「なんだよ!」とか思わないで下さい^^;
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