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クリスマスに何食べる?
~コバンザメのシチリア滞在記~
クリスマスの料理といえば、日本ではなぜかローストチキン。某業界の戦略を感じないでもないが、それはそれでその日は夕飯のメニューを考えなくて良いし、行き過ぎない程度に緩く受け入れたいと思っている。
大きいホールチキンを焼けば形になるので、自分でも20年ほどこの時期はチキンを焼いてきた。
ところが、シチリアではクリスマスイブに肉を食べないらしい。イブは魚料理と決まっていると友人に言われて驚いた。
干したタラがクリスマス食材としては一般的らしいのようだが、たぶん家庭ごとにそれぞれの味でそれぞれの魚を食べているのだろう。
家族や親せきが集まり賑やかな食事の時間。イブから始まって3日間くらい断続的に食べ続けるらしい。
ファミリーを大切にするシチリアらしいと思いながら、食事を作り続けるマンマに思いを馳せ、心の中でお疲れさまと労った。
ところで12月25日の夜、友人がディナーではなく夕方に軽く飲まないかと誘ってくれた。いわゆる「アペリティーボ」。食事の前に何かをつまみながら軽くお酒を飲む会のことである。
25日は多くのレストランやバールが閉まっているが、観光エリアには開いている店もいくつかあるとのことで、指定されたバールに向かう。
にこやかに現れた彼は、しかし相当眠そうだ。たくさんの親戚が集まって二日ほど夜遅くまで一緒にずっと飲み食いして過ごしているらしい。そんな中でも私たちとの時間を作ってくれるというところがなんだか人情に篤いなあと恐縮もする。
席に着くとカクテルとおつまみの盛り合わせを注文してくれた。
私たちにはおなか一杯、じゅうぶんな夕飯となった。忘れられないクリスマスの“食事”である。
ところでこの時期、テレビでも胃薬のCMがとても多い。
さすがのイタリアの皆さんにとっても、クリスマスシーズンは食べ過ぎ注意の季節であるらしい。