後悔しないために。
私は、週に一回「糖尿病教室」で、糖尿病患者さんとお話しする機会があります。毎回色んな患者さんがおられますが、特に印象に残ったAさんについて、お話しします。
Aさんは、現在60歳代の女性で糖尿病の血糖コントロール不良時に現れる「末梢神経障害」を患っていました。よく足裏がピリピリするとか、砂利道を裸足で歩いているような感覚とか表現され、やがて足の痛みという感覚がなくなり、少しの傷や出血も気づかなくなり、そこから化膿し腐り、切断に至るという怖いものです。
Aさんは40代の頃に、「糖尿病」と診断され、それから何もしてこなかったそうです。「自覚症状がなかったから」とおっしゃっていました。好きな時に食事し、好きなだけお腹いっぱい食べ、野菜は嫌いなのであまり摂りません、運動も嫌いです、なるべく歩きたくありません、という生活でした。
せっかく受けた検診で「糖尿病」に片足を突っ込んでいるということがわかったのに、生活の改善を何もしませんでした。診断されてから今まで、さらに20年間同じ生活を繰り返します。少し前から初期の「糖尿病性網膜症」も発症します。眼にも血管はありますから、血液が通るところは全て合併症発症のリスクがあります。このまま、血糖コントロール不良が続くと目が見えなくなってしまうのではないかという不安がやっと出てきたそうです。
今回の入院は、うっ血性心不全と蜂窩織炎を患って入院でした。日常生活での息切れ、脚の熱感、痒み、腫れ・・今まで自覚症状に乏しかったため、放置していたようで、少し懲りたようです。40代から無治療のことを悔やんでおられました。病院食のメニューに感動しておられ、家でもバランスの良い食事に挑戦するそうです。
そう話されたAさん、生き生きと活力に溢れていて、傾聴しているだけの私に、お礼をし、これからのプランを話してくれました。
Aさんの場合は、自身で気づき行動することで、再起不能、大事に至る前に回避することができるでしょう。体験談を広め、私のように後悔しないように、ちゃんと病気と向き合ってほしい、“血糖コントロールの重要性” それを広めることが、これからの私の人生の“使命”と感じている、過去の自分に「未来は大変なことになってるよ」って伝えたい、Aさんは、おっしゃっていました。
過ぎた時間を、戻すことはできません。過去に後悔することがあったなら、これから修正していけばいいのです。立ち止まって現在の自分の立ち位置を、客観的に把握することができれば、それが理想の自分とズレが生じているのなら、軌道修正すればいいのです。
ポジティブなAさんとの出会いは、私に感動を与え、自分を振り返る良い機会を与えてくれました。未来の自分は、今の私を見てどう思うのだろう。
今を、考える。
後悔しないために。
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