母さん、発赤ができたって……(褥瘡突発帰省編)
母との日課であるLINEのやり取り。
そのホットワードがある頃から『発赤』になっていました。
まだ赤みがある。薬とガーゼを張られたなど、日が経つにつれ気になる内容へとなっていきましたが、訪看さんも週三で入ってくれているから大丈夫だと思っていた矢先。
貼っていたガーゼを剥がしたら皮膚が一緒に剥がれました。
えっ? えっ? 発赤って剥がれたっけ?
それってもしや、悪化してない!?
そもそも母のような頸髄損傷の人にしてみれば『発赤』という二文字でも恐怖新聞並の通達。
なのにそれが十日以上治らない時点でアウト。
何かできることはないかと、とりあえず一週間の予定で急遽里帰りすることになりました。
週三だった訪看さんが毎日になり、私が帰宅した次の日も処置があったので、一緒に母の傷の状態を確認させてもらうことに。
……母さん、これ発赤やない! 完全に褥瘡のIIかIIIの段階や!!
我が家と褥瘡には深い深い因縁があります。
入院中にできた褥瘡で、母のリハビリは二年近く遅れることになり、当然退院も半年でと言われていたところがのびのびに。
これは一大事と思ったものの、所詮私は素人。
ネットで調べ、必要な栄養素、適切な塗り薬等について勉強はしたものの、先生や訪看さんに意見できる立場ではありません。
なんとなーく、滲出液が少ないのにユーパスタでいいの? 確かに蒸れは気になるけど、ゲーベンクリームではないのか? などなど聞いてみたいことは多々あれど、生半可にネットでつけた知識を盾にする患者や家族は嫌われます。
けれどさすがというべきか、私が行くまでにこれは大変とケアマネさんや訪看さんたちが動いてくださり
・傷口に貼っていたガーゼを、ラップ療法に切り替える
・除圧ができないので、車椅子のクッションをロホクッションからモルテンのパワークッションへの変更
・毎日訪看が来て傷口のチェックと処置
という環境にして、様子を見ていこうという話しになっていました。
ありがたい!!
ラップ療法は気になっていたので試して欲しかったし、正直ロホクッションの空気入れが適切にされている感じもしなかったので、自動で除圧してくれるクッションは非常に頼もしい。
何より、お忙しい中、色々よくしてくださる全ての方に感謝してもしきれません。
とりあえず帰宅し、本来ならば寝かせておくのが一番の治療ではありますが、平日は訪看さん、訪問リハさん、訪問入浴さんなどで、割と寝たり起きたりの生活。
私にできることと言えば、少しでも下半身の血行が良くなるようにとマッサージをしたり、コラーゲン飲料などを購入してきたり、普段なら頼めないちょっとした体位のズレを直したりなど。
帰省後そんなこんなをしていると、状況が良くないという話を訪看さんから聞きつけ、先生が往診に。
その手には、褥瘡の本。
本と母の傷を見比べながら、色々説明を受け、その結果薬がユーパスタからゲーベンになりました。
……結果オーライだけど、どうして不安になるんでしょうか?
そして追い討ちをかけるように、先生は
「車椅子に長時間座ってるんでしょう? そんな生活してたら今回治ってもまたなるよ。もっとベッドにいる時間増やさなきゃ」
と発言。
えぇ、わかってますとも。
遠方に住んで、介護も人様にお任せしているこの状況。
笑顔で「そうですね」と頭を下げます。
この先生にも、本当に両親ともどもお世話になっているし、とても良い先生です。
がっ!
見とけよ! 今回の経験を活かしてもう二度とこんなふうにならないよう、絶対褥瘡ができないよう、今まで以上に遠方からだが手を尽くしてやる!!!!!
なんかうちの田舎の先生たちは皆、施設に入れとか寝かせてろとか、うーん、モヤっとするなぁ。
田舎だからでしょうか?
後日先生連携をとったケアマネさんが、ある程度治るまで母のベッド時間を増やすよう調整してくださいました。
そしてコソっと、褥瘡に詳しい先生がいるらしいので、私からは言えないが、娘さんからならうまくそちらの先生にも診てもらいたいとか言えるかもと、ありがたいお言葉も。
これは自分自身のかかりつけ医の先生からも聞きますが、医者には得意分野があるので、そうでないことは少々難しいみたいです。
とりあえず帰宅後、母には通気性の良いズボンと、栄養補助食品を送っておきました。
蒸れも乾燥のしすぎも、偏った栄養も良くないですからね。