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親の介護は突然にー2話 zoomとLINEと高齢母ー
前回、なんとか枚数をかき集め、とりあえ母の元へと届けたタオル。
母からは後日、父のデイケア用のタオルだったと苦情が来ました。
元医療関係者ということもあり、父の介護をしていた母ですが「お父さんの洗濯物と私の洗濯物、一緒に洗わないでって言ったじゃん!」という年頃の娘並みに、父のことが嫌いな母。
そんな母が情けない声で「看護師さんが『顔を拭きますね』って、目の前にお父さんの名前が書かれたタオルを近づけられても、イヤですって言えないじゃない? でも本当にイヤだった」と後日面会に行った妹から聞かされた時には、申し訳ないけれど大笑いしてしまいました。
色々なことが重なってどうしようと落ち込みつつも、あんな時ってなぜだか笑ってしまうんですよね。
そんな母との面会は当初、コロナのためほとんどがzoomでした。
画面越しとはいえ母の顔を実際に見ることができるのはとてもありがたく、忙しい中それを手伝ってくださっていたであろう看護師の方々には、今でもとても感謝しています。
そしてこのzoom面会を家でやるにあたって、長期帰省になる可能性を見据え持参したiPadが大活躍。
もちろんスマホでもzoomはできるのですが、少しでも大きな画面で母の顔を確認したかった私にとってiPadは、救世主のような存在でした。
断じてiPadに入っているソシャゲのログインを欠かしたくないなんて理由で持っていった訳ではありませんからね!
ちなみに一般病棟に移ってからは、これまた看護師の方のお手伝いで、母から電話をもらうようになりました。
しかし電話は人の手を借りるため、毎日なんてできません。
その上、緊急搬送された病院から転院したリハビリのための病院では、インターネット環境があまり整備されていなかったため、電話で頻繁な連絡をしていては通信費がかさみます。
ただ母は、怪我を負う前からLINEでのやり取りが可能でした。
これが面会のできない入院生活で功を奏します。
介護をすることになる親が、スマホは持っていてもLINEまでは使っていない、なんてこともまだまだある話。
けれど大部屋のため電話はできなくても、LINEなら気軽に家族とも連絡が取れます。
自分の欲しいものをお願いしたり、今の感情や状態を伝えたり。
第三者を介さずとも自分の言葉で思いを伝えられるのは、母にとっても重要なことでした。
頸髄を損傷し指が動かなくなった母は、リハビリにリハビリを重ね、当初は三行程度の文章を打つのもやっとでしたが、日々家族や友人にLINEを病院から送り続け、今では孫も驚くほどの長文を返せるまでになりました。
そんな母なので、現在はアレクサと一緒に同居をしていますが、それはまたの機会に。