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ものとの付き合い方や経年変化の楽しみについて
おっちょこちょいっていういい方はかわいらしい響きがしてお得な気がするけれど、
この性格と長年付き合っていても、「なんだかな~」と自分に悶々としてしまうことがあります。
器に対しては特に注意して扱っているつもりでもカチャカチャと洗い物をしている中で、「やっちまった~」と明らかにどれかが割れた音が聞こえてきたり。
それがお気に入りの陶器だったり、人数分ちょうどしかない器だったりするともうがっかり。そして自分への怒りがマグマのように(笑)…
そんな中、出合った「金継ぎ」という修復法。
金と聞くとなかなか一般市民には難しいものかと思いきや、書店には「はじめてキット」と呼ばれる初心者向けの道具が揃ったセットが売られていました。
何度も購入を迷った挙句(即決が苦手です)、今は、このキットにとても助けられています。
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へら、マドラー、串、
それぞれの過程に必要な材料が入っていました。
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くっつけた跡の上に乗せていきます。
割れてしまった = 廃棄 ではない世界。
好きで暮らしの道具として家の中にお迎えしたものと長く付き合っていける方法を見つけられたことがうれしい。
それに、金継ぎ部分がなんだか素敵なおめかしをしてもらったよう。
金継ぎのラインが入ってこその器だったのではないかと思えるくらい模様の一部としてフィットしているような。
娘3人の取り分け皿は一枚だけ金継ぎしてあって、
そのお皿が置かれた末っ子が一言。
「金継ぎしてあるお皿きれい。」と。
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子どもたちの皿は右の器です。
子どもの目にも、きっとこのおめかしが光って見えてるのだろうな。
形あるものとしては、今後どうしても使えなくなる日が来るかもしれないけれど、できることなら育てていくという感覚で長く付き合っていけるものを増やしていきたいなあと思いました。
金継ぎは、器づかいをさらに楽しくさせてくれ器への愛着もさらに深くなったように思います。
私が持っているキットはあくまでも初心者用の簡易的な金継ぎなのかもしれません。
地方ではなかなか難しいけれど、いつか金継ぎを習ってみたいなぁとやりたいことが一つ増えました。
あとは、例えば「木のカトラリー」も同じように経年変化を楽しんで使っていきたいものだと思っています。
わが家で持っているカトラリーの数は決して多くはないと思います。
必要最低限のものを大切にできたらそれで十分幸せです。
木のものはお手入れをしていくとしっとりと濃い色に育っていきます。
最初は淡くてパリッとしている色合いが、少しずつ丸みを帯びてしっとり艶めいていくんです。目に見える変化がうれしい時間。
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人間も歳を重ねて衰えていくことは避けられない。
でも、そればかりに目をむけるのではなくて、生きてきた年輪が施す心の豊かさやこれまでの経験で紡いできた時間を大事に思う人でありたいです。
共に年をとっていけるようなものとの出合いを楽しんでいきたいと思います。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。