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暮らしの道具 ざる編

ある日夕飯の準備中に、そういえばこんなに持っていたのか!と今更ながら驚いた道具がありました。
それは、ざる
大きさも形も様々。我が家に何個もある台所道具についてのお話です。


全部で7枚

改めてざる総出の記念写真を撮ってみました。以前はアルミ製のものや、そのまた以前にはプラスチック製のザルを使っていたのが、今はすべてが竹や自然素材です。中には実家で長年愛用されてきたであろう功労者もいます。
それぞれ形や用途が異なるので同じ「ざる」という道具であることを忘れていました。どれも湯切りや水洗いとしてだけでなく、様々なステージで大活躍の働き者たちばかりです。

左上から時計回りに、
実家のもの、タイのざる、リサイクルショップにて、岩手の竹ざる、岩手の竹ざる、実家のもの、岩手の竹ざる

おやつとざる

パンケーキや蒸しパンなどのおやつを作ったときには、ざるに並べたままテーブルに出します。余計な熱と水分を逃してくれるので、器に触れている部分が湿ってべちょっとしたりくっついたりすることなくおいしさを保ってくれます。ポテトチップスやポップコーンなどの袋菓子をみんなでつついて食べたいときには大皿のかわりに広げてみるのもいいかもしれません。

スコーンも
パンケーキも
クッキーも
木の実も

出しっぱなし食材をまとめるザル

冷蔵庫に収める必要のない食材は食器棚の上を定位置にして並べることが多いです。ここに置くと食材がいつも目につくので、一番おいしいタイミングを逃さずにいただくことができます。ふわっと包み込むざるのあたたかいフォルムに癒されます。

みかん
柿も
野菜やパンも

器の水切りとしてのザル

洗い終えた器やお箸を乾かす一時置き場としてももちろん優秀。水はけがいいので、拭き上げようというときには「あれ、洗ったっけ?」と目を疑うほどすぐに乾いてしまっています。

カトラリーを乾かしています
来る日も来る日も
これは「何を乗せたかったのだろう」
こんな時もありました

日本の手仕事って‥

私が持っているざるの中に、岩手県一戸町の鳥越地区にて昔から作られてきたものがあります。

ご自由にどうぞのコーナー

写真のように取っ手が付いている楕円形のざるです。昔から暮らしの一部であって人々に大事にされてきた工芸品が、今また色々な人の目に留まりその良さを語られているのを見ると、同県に住む身として心から嬉しく思います。

鳥越竹細工は地元に自生する「すず竹」といわれる細い竹を四等分に割り肉をそぎ、しっかりと編み込んでいくことで強さを出す。今も昔も変わらず、かご、ざる、行李など日用の「道具」を主に作る、生活に密着した工芸品だ。また、使い込むことで独特の色つや、風合いがでることでファンやリピーターも多い。

1000年の歴史を持つ工芸品
「鳥越竹細工作家 柴田恵」


さまざまなざるを使ってきて思うのは、日本製の竹ざるは強度が高いということ。100年使えるざるとして紹介されているものもあるんですよね。
5人分のそばを湯切りしようが、洗ったさつまいも7、8本と持ち上げようが、美しいフォルムは乱れることがありません。そして洗った後も乾きやすく衛生的、といいことばかり。
道具として毎日タフに使っても丈夫さが光る日本の手仕事の素晴らしさを感じます。少々お値段は張りますが、その分長く愛用していけるお墨付き。安心してがしがし使っています。

↑そういえば、以前鳥越地区の方にお会いしてざるを購入する機会があったのですが、「もうすぐ竹が死ぬ」と言っていたの思い出しました。竹は成長が早い分一気に枯れてしまうのだそう。一度枯渇してから、また竹細工の材料を取り出すには数年かかるとお話しされていました。その方とお会いしてもうすぐ3年が経つので、今少しずつ生産量が増えてきているところなのでしょうか。生きものの生死と対峙して作品づくりをする、すべて消えてしますことすら受け入れている潔さがかっこよくて、ますますざるが好きになりました。

みなさんのキッチンにはざるはいくつありますか。また、好きで複数所有しているものって何でしょうか。よろしければ教えてください。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。

庭のドクダミを摘んでくれた娘たち
どくだみチンキを作ったときの写真です
このざるも祖母の代から母を通じてわが家に。




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