「脳の闇」を読んで

人との付き合いの中で思いがけない事態が発生してびっくりするようなことが沢山ある。しかもそのような事態は大体タイミングを選んでくれない。
そのように驚き、時には傷つく事態が発生した時、どうやって乗り越えていけば良いのかわからず、我慢してみたり、伝えてみたり、あたってみたりしてみたものの、どれもしっくりこないまま、もちろん解決もしないままここまで生きてきた。

人としっかり深く関わってこなかったから、自分の中に発生するネガティブな気持ちをどうやって相手に伝えて良いのかわからない。どうやって解消したら良いのかわからない。人間関係の難しさと向き合ううちに、自分がおかしいのではないかと思うようになった。
人間関係も狭く、人とどう付き合っていけば良いのかわからない私にとって、数少ない信じていた人に裏切られた時、予想に反する事態が発生した時、その時の感情をどうやって処理したら良いのかわからない。長い間自分で勝手に生み出した孤独感と生きてきた気がする。
そんな中、中野信子さんの「脳の闇」という本と出会った。

その中で、「信じていたこと」「信じていた人」に裏切られたと感じることが、摩擦やいざこざの原因にもなり、その結果、裏切られた(と自分が感じてしまう)相手に対して、そのルサンチマンをぶつけるかのように攻撃をしてしまうことがあると学んだ。そして、この負のスパイラルを回避する一番良い方法は、他人に「一貫性」を求めるのをやめることだという。

この前ああ言ってたのに、昔は優しかったのに、と過去の相手の発言や行動に縛られるのはやめよう。人は変わる。今と1年前はもちろん違うし、今とさっきだって違うかもしれない。「一貫性」を過信しないこと。それは自分自身にだってそうだ。一貫性を求めて人を縛ってしまった自分もいたが、自分を縛ってしまっていた私もいた気がする。人は変わる。私だって変わっていい。

目の前のことにいっぱいいっぱいになって自分を客観視出来なくなった時は、色んな人の思考になってみて、あの人だったらどうするかな、どう思うかなって考えてみることにする。特定の誰かだけでなく、色んな人の視点を借りてみる。自分のことも相手のことも過信しない。人は間違える。間違ったっていい。

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