はじめに今日のテーマは「VR酔いの軽減」というものです。おそらくVRをプレイしたことがある人の多くが、1度は経験したことがあるのではないかと思います。車酔いと似たような現象ではあるのですが、少し違う面もあるため、ここでは長時間のヘッドマウントディスプレイ装着及び、VRの利用により目眩、頭痛、吐き気、ふらつきなどを引き起こすような症状を「VR酔い」と呼ぶようにします。 VR酔いが感じられる場面はいくつかあるのですが、よくVR空間内における移動が1つよくある場面として挙げられま
今回ご紹介するのは、刺激の提示範囲と、ベクションの感じ方の関係性を調べた論文です。 この論文の要点としては、 人は、見えているとされる周辺視野よりも広い範囲の視野で、刺激を感じ取っている可能性がある ということです。では順に説明していきます。 これまでの先行研究として、刺激の提示範囲が広がると、ベクションの感じ方が強まる可能性が示唆されてきました(感じ方は変わらないという研究も存在します…)、ただしそれはあくまで平面のディスプレイに提示することを前提としたものであり、人間
そもそもベクションとは、視覚の情報が引き起こす移動感覚のことを言います。例えば、USJの「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D」であったり、「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー™」のようなアトラクションで、実際には前に進んでいないのにも関わらず、画面を見ているおかげで実際に前に進むような感覚を感じることができます。こういった感覚のことをベクションと言います。上記のようなアトラクションでは、視覚刺激だけではなく、乗り物自