香りの魔術師、調香師になるには?
調香師という職業をご存知でしょうか?wikipedia先生のまとめをがっつり引用します。
調香師
調香師(ちょうこうし)は、食品や香粧品の香料を調合する職業。フレーバー(食品香料)を調香する調香師はフレーバリスト(en:Flavorist)、フレグランス(香粧品香料)を調香する調香師はパフューマー(en:Perfumer)とも呼ばれる。
調香師の仕事
大きく分けて、食品メーカーや化粧品メーカーなどのユーザーから、香りのテーマや予算・期限が決まった調合の依頼を受ける依頼研究と、自らで新しい香りを創り出す創作研究とに分けられる。調香師には、数多くある香料素材の香りの記憶や、香りの構成知識の修得だけでなく、香りの流行傾向や製品カテゴリーの市場動向、香料の安全性、基材に対する安定性・着色性の知識も要求される。
出典:wikipedia
一般的には、香料会社の研究開発員であることが多いです。企業の研究開発員でありながら、芸術家としての側面を持ちます。非常にレアな職種だと思います。
調香師に興味を持ったら、まずは香料会社を調べることになると思います。
調香師になるには?
ルートは大きく3つです。
①香料会社に調香師として採用される。
②食品メーカーや化粧品メーカーの調香師として採用される。
③調香の専門学校を卒業後、①や②を目指す。
Q. 未経験からの調香師への転職は可能?
A. 正直難しいです。調香師にならないと調香師のスキルを磨けないにも関わらず、未経験から転職することは厳しいです。
したがって、どうしても未経験から調香師を目指したい場合は、③を経ることが最も一般的なルートだと思います。
ちなみに、社内で別部署から異動して調香師へと転身することもレアケースです。事例はあるので、本人のやる気と行動次第ですね。
必要な資格
特別な職業ですが資格は必要ありません。
香料会社に調香師(開発員)として配属され、そこでスキルを磨いていくことになります。調香師として働いていれば、経験がいくら浅くても定義上は調香師です。
ちなみに、一人前の調香師になるには10年かかるとも言われています。技術の進歩で、成長速度も速くなっているかもしれません。
しかし、調香師としてのスキルは人の記憶力・想像力・鼻に依存しているので、技術ではどうしようもないことも多く、日々の地道な努力が必要です。
必要なスキル
必要と思われるスキルを分類してみました。もちろん他にも要素はあると思います。さまざまな調香師と関わる中で、こんなスキルが必要だろうというものを書き出しました!
①化学的知識
②創造性
③感性
④言語能力
①化学的知識
香りとは、揮発性の有機化合物です。
高校レベルの化学の知識があれば、業務に大きな支障はありません。
しかし、有機化学の基本的な知識があれば、想定外の事態に対応できますし、安全面にもより配慮ができるようになります。有機化学の知識はあればあるだけ得をするでしょう。
②創造性
調香には、想像力と創造力が必要です。
「この成分を使ったら、もっとフルーティになりそうだな」と、混ぜる前にどれだけ完成した香りを想像できるかが、調香の効率を左右します。
また、常識にとらわれずに、意外な成分を使うことで香りをより良くしていくことも必要です。
創造力を働かせて作ったレシピが、その調香師の作品であり、個性になっていきます。
③感性
「良いモノを作るには良いモノを知るべし」
良い香りを知っておかないと、良い香りは創れません。良い香りがなぜいいのか?悪いモノはどういう点で悪いのか?
また、細かい違いを知ることも必要です。あまおうととちおとめの香りはどのように違うのか?など、自分で理解した上で表現をする必要があります。
④言語能力
実は最も大切かもしれないのが、「言語能力」です。当然、調香師は一人で仕事をするわけではありません。香りの感じ方は人それぞれ違います。自分がどのように感じているか、言葉にしながら仲間とより良い香りを創り上げていきます。
お客様とディスカッションをすることもあります。その時に、なるべく正確にお客様の要望を聞き出したり、言葉にしたりする必要があります。
目には見えない香りを相手にする分、言葉にする能力は非常に大切だと思います。ソムリエなどと近いところがあると思います。
まとめ
調香師ってカッコいいですよね。特殊な職種だけに、狭き門でもあります。視野を広く持ちながら、感性を磨いていくことが重要かと思います。