かおりずむ@香り研究者
香料会社がどんなことをしているのか紹介していきます!
香料業界にまつわる専門用語を解説していきます!
私は香料会社で研究員をやっているかおりずむと申します。香料会社の研究開発職にはどのような仕事があり、それぞれどのようなキャリアパスを歩むのか考えてみました。 世間的に香料会社の研究開発職は非常にニッチな職業であり、興味もあれば心配もあると思います。そんな悩める就活生、そして香料会社に興味を持ってくださる皆さんに向けて記事を書いております。 私個人の意見ですので、事実とは異なることもあると思います。もし、同業さんがご覧になっていれば、本記事に対する感想やご意見をくださると、
私は食品業界に絞って就職活動を行いました。食品系の勉強をしていたし、興味もあったし、親和性もあると思ったからです。世間的には高学歴ですし、簡単に内定をGETできるだろうと思っていました。 しかし、現実は甘くなく苦労することになりました。ESはなかなか通過しないし一次面接の通過率も50%くらいでしょうか。無意味に自己否定してしまい思い悩む日々でした。苦労したのは当たり前である、就活ごときでこんなに思い悩む必要はない、という風に今は感じています。 当時思い通りに進まなかった理
香料業界で研究開発職で働いているかおりずむです。香料会社ではどんな研究が行われているのかをまとめました。 各社のホームページおよびJ-Stageなどを参照しながらまとめています。皆さんの企業研究の足しにしてください。皆さんの企業研究のお役に立てば光栄です。 香料業界は食品用途のフレーバーと香料品用途のフレグランスに大別されます。日本の香料市場は圧倒的にフレーバーの方が大きく*、研究発表もフレーバーに寄ったものがとても多いです。私もフレーバー専門ですし、そのことを前提に記事
香料会社研究職の仕事の中には「化学合成(有機合成)」があります。 概要まず、化学合成の仕事内容について研究職紹介記事から引用します。調香師などの仕事にも触れているのでご興味ある方はどうぞ! 香料とは「有機化合物」であり、有機化合物を多種類組み合わせて一つの香料製品を創ります。そんな香料原料のコストダウン、新たな原料の製法(合成法)検討などの役割を持ちます。その結果、スペシャリティと言って、自社独自の香料原料を持つこともあります。大手ほど化学合成に人員を割いていると思います
香料会社の国内売上ランキングです。 日本国内 海外の要素は省いて、日本における立ち位置を比較してみました。日本国内のシェアや売上高を把握できれば、企業のさまざまな側面を想像できるかと思います。 各企業の情報は、長谷川香料のIR資料、従業員数や一部の企業の売上高はマイナビや会社HPを参照しました。 参照:長谷川香料 2020年9月期決算説明会 シェアは長谷川香料の決算説明会を引用しています。そして売上高は、資料中の長谷川香料の売上高とシェアを基準に計算しています。高砂香料
香料会社という存在をご存知でしょうか? 就職活動、社会人生活で初めて知る方がほとんどでしょう。世間の認知度は非常に低いと思います。 「香料会社?香水作ってるの?」 私も初めて香料会社という存在を知った時にはそれくらいの認識でした。しかし、皆さんの想像以上に香料会社は日常に根付いた存在です。 そんな謎に包まれた香料や、香料を製造する香料会社の正体を解き明かしていきましょう。 香料が使われている商品 香料は食料品、日用品、化粧品など、日常の至るところに使われていて、私た
香料業界は認知度の低い隠れた業界です。香料会社の名前をひとつでも言える方が一体どれだけいるでしょうか?おそらく数%レベルかと思います。 その一方で、香料は生活に根付いた存在です。加工食品、日用品、香粧品などあらゆる商品に香料が使用されています。 さらに、香料会社は日本に100社以上あると言われています。香料会社は縁の下の力持ち的な存在ですね。 香料会社の商売相手は、食品メーカー、日用品メーカー、香粧品メーカーなどの企業です。すなわちBtoBです。日本における香料の売上で
こんにちは、かおりずむです! 「キレイな研究所で働きたい!」 研究者ならば誰もがそう思います。質問箱にてそんなご質問をいただきました。 私も気になって、主要な香料会社の研究所を調べてみました! 高砂香料 https://www.takasago.com/ja/index.html 1993年 神奈川県平塚市 2010年にフードデザインセンターが新設されるなど、マイナーチェンジを続けている模様です。 長谷川香料 https://www.t-hasegawa.co.
こんにちは!かおりずむです! 香料分析法という少しマニアックなお話をします。 香気成分を分析する時には、多くの場合、サンプルから香りを濃縮してあげる必要があります。 なぜなら、1kgの天然物に含まれる香気成分量はmg単位しかないからです。 そのため、さまざまな香気分析法があります。 ①溶剤抽出 ②蒸留 ③ヘッドスペース法 ④固相抽出 最適な手法は、分析の目的や期限によって変わります。 特徴を簡単にまとめていきます。↓ 4つピックアップしていますが、厳密には並列情報
力価香りの強さのこと 閾値香りを認識できる最小濃度のことです。認識閾値と検知閾値に分類されます。 認識閾値香りの質が分かる最小濃度 検知閾値香りがしていることが分かる最小濃度 香気成分によって閾値が異なります。閾値が低い化合物ほど、力価が強いです。 同じ濃度でも力価は化合物ごとによって異なるのです! 閾値の低い香気成分は良くも悪くも食品への影響力が強いです! 例えばトリクロロアニソール。これはカビのような香りがする成分で、食品には忌み嫌われています。ワインや清酒
香りの研究について調べるとよく見かけるのが「ヘッドスペース」という言葉です。香料業界では当たり前のようにヘッドスペースという言葉が飛び交います。香料ユーザーである食品メーカーや日用品メーカーの方々にも浸透していると思います。 感覚的に理解できる言葉ではありますが、今一度定義を確認しておきましょう。 ヘッドスペースとは、 ・容器の空間のこと ・サンプルの香りが漂う気相部分のこと です。HSと略されることもあります。 「なんだそんなことか」 確かにヘッド
かおりずむです。香料業界で働く研究者です。 就職活動や入社当時を思い返すと、香料業界の訳分からない専門用語に振り回されていました。中には、香料業界で働いて初めて現れる言葉があり、当時は苦労したものです。 先輩たちの会話が全然理解できないし、後で調べようと思ってもドンピシャな答えが見つからないことも多々ありました。 そんな経験もあって、香料業界特有の専門用語から知っておくべき専門用語まで、noteに記録していこうと決めました! ただの辞書にするのではなく、解説も加えなが
調香師という職業をご存知でしょうか?wikipedia先生のまとめをがっつり引用します。 調香師 調香師(ちょうこうし)は、食品や香粧品の香料を調合する職業。フレーバー(食品香料)を調香する調香師はフレーバリスト(en:Flavorist)、フレグランス(香粧品香料)を調香する調香師はパフューマー(en:Perfumer)とも呼ばれる。 調香師の仕事 大きく分けて、食品メーカーや化粧品メーカーなどのユーザーから、香りのテーマや予算・期限が決まった調合の依頼を受ける依頼研究