贈与の霊
いま現在、私の高校では
出席番号によって投稿時間を散らした、
分散登校という形をとっている。
しかし、昨日久しぶりに
クラスメイトと顔を合わせ、
対面授業を行うことができた。
そして現代文の授業の内容が非常に
面白かったので
文字に起こしてみる。
※現代文担当教師は例のU田先生。
私の自己紹介のnote参照。
贈与論
という本について学んだ。
マルセス・モースの本だ。
この本のあらすじをザッと話すと、
白人とインディアンの間には
贈与に関する価値観の差がある。
白人は贈りものを自分のものにするという
捉え方だが、
一方インディアンは、
贈りものをもらうとお返ししたい。
という感情になるそうだ。
このインディアンの考え方は、
日本人に相通じるものがあると感じる。
そこでU田先生から興味深い発言が
飛び出した。
例えばAさんからBさんへ贈与があるとしよう。
その次のBさんの行動パターンを2つに絞る。
その1、Aさんにお返しの品を渡す。
その2、Cさんに贈与する。
さぁ、この二択で贈与の霊が喜ぶのは
どっちだろうか?
は?
何を言ってるんだ
そんなものAさんにお返しするに
決まっているだろう。
私は即答した。
しかしU田先生は、
その考えももちろん正しい。
でも贈与の霊が喜ぶのはCへの
贈与だよ。
は?
ますますわけがわからない。
するとU田先生はこう述べた。
これは親にならないとわからないんだけどね、
親は子にたくさんの贈与をする。
でもお返しなんていらないんだ。
その子が親になった時に子に贈与をする、
これが一番願っていることなんだよ。
だって、こんな年寄りにお返しが来ても
何に使っていいかわかんないもんね(笑)
衝撃的だった。
その時、贈与の霊というものを
肌で感じた。
物事は双方向で考えなければならない。
Aさんへのお返しをするのでなく、
Cさんへの贈与を続けることが、
Aさんの幸福へと繋がることもあるのだ。
それと同時に、
これまで以上に親を
大切にしようと心に誓った。
ご愛読ありがとうございました。