「サボる」事って悪いこと?~子どもの心理から見る~
私の自己紹介になっちゃうのですが、実は子供たちに勉強を教えるお仕事をしています。
やる事を指示したあとで他の子を見るためにちょっと目を離すと、筆箱のシャーペンを分解して遊んだり机の上に突っ伏して寝たフリをするんですよね。
いわゆる「サボり」ってやつです。でもそれって本当に悪いことなのかな?と色々と見てきた中で私は考える事が増えてきました。(まぁ大半の理由は悪い方に分類されるんですが)
じゃあその「悪くない」理由ってなんだろうとなりますよね?今の子供たちも苦労してるよなぁという事が隠されているんです。
誰かに見てほしい・構ってほしい
技術革新って素晴らしいことだけじゃないってことは皆さんも聞いたことあるはずです。公害問題とかスマホ依存とか、色々あります。
ここでは皆1度は聞いたことがあるであろう「イタイイタイ病」を紹介しておきましょう。(字面こそ可愛いものの、実際の様子や歴史を知るとまた見方も変わりますよね)
(取り上げておいてなんですが)今回対象になるのはどちらかと言うとスマホ依存などの「便利さに人々が精神的に飲み込まれていく」側面についてです。
私もZ世代なんて呼ばれる身ではありますが、少なくとも
子どもと触れ合っている際に親が自分のしたい事のためにスマホを弄っている
などという怪異に遭遇したことはありませんでした。
でもそういった事がここ数年はかなり増えてきているみたいだから「時代も変わったなぁ」と20余年しか生きていない人間でも感じます。
25%もの子供たちが、親を居場所として認識する大事な時期に親から距離を置かれている兆候にあるというのは恐ろしいことだと思いませんか?
私の身の回りでも、スマホ依存と関わりがあるかはさておき「ちゃんと親に大切にされてるのかな?」と心配になる子供たちは割と居ます。
そういった子ども達って、普段は親から無関心を決め込まれた上に成績不良などのマイナスポイントに関してはしっかりとお叱りを受ける可能性も高いように思います。
そんな状況だから、一番安心を感じる存在であるはずの親が徐々に心理的に遠い、冷たい存在になってしまうのです。
親を拠り所と出来ない子どもたちがどうするのかと言うと、他の大人に居場所を作ろうとするんですよね。「この大人なら自分のことをよく見てくれているかな?気にかけてくれるかな?」といった具合で様子を伺おうとします。
そういった心理が「サボる」という行動に繋がるのだと思います。
周りの子供たちが真面目にしている中、自分だけ別の行動をして目立てば「自分を気にかけてくれるかな?」とか、突っ伏して寝ているフリをしたら「どうしたの?どこか具合が悪いの?」と心配してくれるとか、
大人に関心を向けられる暖かみを普段感じていないからこその行動
に向かってしまうのも致し方ないです。
様々な情報に揉まれて年不相応に大人びた子どもたちが最近は本当に増えてきましたが、純粋な根はいつの時代も変わらないと思います。どんな子も心のどこかでは人の暖かみを求めているのです。
そしてこれは子ども達だけの問題でもないのかも知れません。
ピーターパン症候群などはこういった事例が原因で引き起こされることも考えられます。(かなり深刻な状況だと思いますが)「周囲の気を引く」ためにサボりを働く大人だっていてもおかしくは無い…と私は思ってしまいます。
「サボる」のは悪に見えるかもしれませんが、1度ふと立ち止まって目の前の人を見つめてあげてください。
その人がどんな悩みを抱えていて、どんな状況に置かれているのか、を知ろうと努力できれば、もっと優しく暖かい世界になるかもしれませんね。
温もりが足りない人には、皆で分け合い支え合って生きていきたいものです。
(意味もなく「サボる」のはダメだぞ)
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