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Vol.6 AKLO「Catch me if you can」feat.KREVA

第6回目はAKLOの2枚目のアルバム『The Arrival』収録のKREVAをフィーチャリングした1曲です。(2014年リリース)

曲名「Catch me if you can」は"捕まえられるなら捕まえてみな"といった意味だと思いますが、お互いに自らを、ジェームズ・ボンド("007")や"石川五右衛門"といったスパイや怪盗に例えて、その仕事人ぶりを表現することで、ボーストしていくという曲になっています。

【AKLO】

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最初の8小節です。

基本的には小節のケツで踏む脚韻です。ただし、英語と日本語で踏むという特徴が挙げられます。

AKLOはバイリンガルですので、発音はネイティブ並みだと思います。つまり正確に言うと、英語の発音と日本語で踏むということをしているのだと思います。

1行目「君の」「criminal」「video」、2行目「all black everything」「巧妙な手口」、4行目「手に入れたい」「tell me anytime」などがそうです。

これは、発音に優れたAKLOの技と言えるのではないでしょうか。例えば、「criminal」をカタカタ語にすれば、「クリミナル」で、母音は「uiiau」ですが、英語の発音にして日本語での母音だけで取り出してみると「iio」になり、「君の」と踏むことができます。

こういった手法をAKLOは多用していると感じます。

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ここでの8小節も脚韻を中心に進んでいき、2小節単位でメ韻は変わっていきます。

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最後の8小節でも傾向は大きく変わりません。

最後も「もう無い」「all mine」で踏んでおり、「英語+日本語」の手法で締めくくられます。

【KREVA】

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最初の8小節です。

KREVAもAKLO同様、小節のケツで踏む脚韻を基本としていることが分かると思います。しかも5~7といった長めの音数でしっかりと母音を合わせています。

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この8小節でもスタイルは変わりません。

「犯行予告」「感動を呼ぶ」「正面突破」「頂点取った」といった教科書のような押韻に、「賛ばかりだ」「サンバ・カーニバル」「リオ・デ・ジャネロ」「一目だけでも」といったユニークな韻が続きますが、この4つの韻の共通点がみなさんはお分かりでしょうか。

それはどれも、

名詞+文章

という組み合わせになっている事です。KREVAのライムではよくあるような気がしますが、個人的にはこの踏み方は気持ちよくて好みです。

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最後の8小節です。

2行目に「"忘れん""逆転"」という連続して踏む韻がありますが、基本的には、2小節単位の脚韻です。

ファッションの話で、

桁が違うんだよお前とゼロ三個

というボーストがありますが、その前に「fashion」は母音、「参考」では子音で踏むことで「三個」をより印象的に聞かせています。

ちなみに、今僕は、1,900円のGUのパーカーを着ていますが、ゼロ三個違うとなると、KREVAは190万円の服を着てるんですかね(笑)

「200万なんて昼飯代」というパンチラインをフリースタイルで残していますが、KREVAの稼いでるボーストシリーズには今後も注目です。

まとめ

両者とも、主なスタイルとして2小節単位の脚韻という点では共通していましたが、それぞれ、

AKLOは「英語+日本語」、KREVAは「単語+文章」(しかも長め)で踏むという特性がみられたかと思います。

この2人のフィーチャリング曲はKREVAの曲でいくつかあるので、そうした目線で韻に着目してみるのも面白いかもしれません。

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