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八木重吉

最近気になってる人がいまして。といっても、もうとっくにお亡くなりになっている方なんですが。八木重吉という大正期の詩人です。

八木重吉「素朴な琴」

秋というか、どちらかといえば春を感じるほど、ぱっとひらけた明るさがある。

日記にたびたび登場する友人・杏奈ちゃんにこの詩を教えてもらい、いたく感動したのが2年前。
あれからこの詩人の名前を意識したことはなく、というよりまるっきり忘れていました。

でも最近になって、詩集をパラパラめくっていたとき、たまたま以下の詩を発見。

秋になると、果物はなにもかも忘れてしまって
うっとりと実のってゆくらしい

八木重吉「果物」

なんだこれは…めちゃくちゃいいじゃないか…作者は誰じゃ…八木重吉…八木重吉…あれ、どっかで聞いたぞ……ん、あ、そういえば…!!

といった感じで頭の奥から記憶を引っ張り出し、点と点がつながって、八木重吉というひとにものすごく興味を持ちました。

最近は、ことあるごとに八木重吉が日常へひょっこり姿を現し続けています。


それで今日も(えっと実はいま青森にいるのですが、しかも例の杏奈氏といるのですが)、八木さんに会いました。

「国際芸術センター青森」という、山のふもとの小さな展示施設に行ってまして。ただ芸術センターに入るころには、もうすでに日がとっぷり暮れておりまして。

センターの入り口まで、あたり一面 真っ暗闇の林道を進みました。人っ子ひとりいません。「クマ出没注意」と書かれた黄色い看板が暗闇の中にぼわっと浮かび上がった段階で、完全に怖くなり早く帰りたくなっていました。


展示を見た後、ちょっとした図書室にも立ち寄ることに。
私は「もう遅いしさ〜ホテルもどろ〜よ〜」とごねたのですが、杏奈氏が

「まだいたい」

とおっしゃるので、渋々書架をぼーっとながめておりました。

そのときパッと目に入ったのが『八木重吉詩集』(現代詩文庫)でした。

これをまあ、クマへの恐怖も時間も忘れて1時間弱ほど読みふけったわけです。
八木の作品というより、末尾についていた編者の解説(田中清光「その詩の指し示すもの」)を読んでいました。


すると、八木というひとは

・キリスト教との関わりが相当深いこと
・実存としての寂しさを抱えた人であること
・どうやら「あかちゃん」になろうとした人であるらしいこと

などがわかり、これは腰を据えて彼について学ばなければならないと思いました。何か大きな宿題を渡されたような気分です。自分と共通するところが多い…といったらおこがましいですけれども、ある程度同じベクトルを持っているのは確かで。

まとまって何かが書けそうだったら、ここに書きたいと思います。


今週の質問:いいクリエイターってなんだろう?


「いいクリエイター」の前に、そもそも「クリエエイター」が何か、あまりよくわかってない気がするのですが、

「一歩引いて見ることに慣れている人」という気がします。

対象物に近づきすぎず、適度に離れてその背景まで視野におさめられる人が、思いもよらない面白いことを言ったりやったりするイメージです。

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