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月曜日嫌いですか?

社会人をしていて、一週間の中で一番月曜日が好きって人はなかなかいないだろう
かくいう私も大嫌いでした
大体は日曜日の酒の呪いを背負ったまま出勤したり、週末に遠出してた場合はその疲れを引きずったままだったり。
土日好きなことをして、それに未練を残したままの月曜日。特に月曜日の朝なんて地獄だ。嫌われるのは当たり前のようにも見える。

私が仙台で働いていた時。
とある月曜日に30人弱が働く会社のフロアに出勤すると、やはり前の金曜日に比べるとどんよりしている。そのどんよりの一躍を自分も担ってしまっているのもわかる。
大体みんなが気だるそうにタイムカードを押す。
半ば諦めかけているような顔だ。
みんな大人だから笑顔で挨拶しているが、どうも無理をしているように見える。肩に手を置いて「泣いてもいいんだよ」と優しく声をかければみるみる泣き顔になるんじゃないかと思ってしまう。

月曜日なんてこんなものだよな。徐々にアゲてけばいいんだよ。と自分に言い聞かせながら自分のイスに座る。

そんな始業をして数分後、フロアのドアが閉まっているのに、ドアの向こうから「ぎゃはははは!」という笑い声がこっち側に聞こえてくる。 
見ると耳に携帯電話をあてた部長が、大笑いしながらフロアに入ってきた来た。
めちゃめちゃ声がデカいのだ。相手はお客さんのようだが、一通りなんだかわからない話をはずませて電話を切った。この人は吉幾三ばりに訛っている。仙台ではなかなか見ないレベルで、岩手や宮城の海岸側の訛りを煮詰めたような人だ。

部長の席は私に近い。部長が電話を切り、笑顔で「はぁ~あ」と言って携帯電話を充電器に差し込むのを見て、私は「おはようございます」と声をかけた。
すると部長はこっちを見て、笑顔で「おうっ!!」と言った。

ここで気がついたのだ。朝の部長は、金曜日も月曜日も変わらない。

今時ダブルの派手なスーツに赤っぽい茶色の革靴。ともすると取り立て屋のような風貌なのに、私が部長を信頼しているのは、いつも変わらないからではないか。

とある飲み会の帰りに部長が奥さんではない女性と歩いているのを見たことがあった。女にも男にも好かれる我らが部長なのだ。賛否あろうが、モテなくてブレてる人より部長がいい。

大人になれば本当は誰しも大なり小なり悩みを抱えているものだ。でも、海や山のようにそこに変わらずいてくれる部長を、やはり誰もが欲してるのではないか。
私も月曜日も魅力的な私でありたい。
結構難しい。でも誰でもどこでもチャレンジできる。
いつもの月曜日を、金曜日の退社一時間前と同じように過ごせたら、社会人として無敵かもしれない。
週の始まりも終わりも、好きな自分でありたい。


#思い込みが変わったこと


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