誰かに、作品を届けられることがうれしくて。
11月の上旬に、私は人生で2度目のマルシェに出店した。友人と2人で、「UbuntU」として。私は刺繍の小物、友人はビーズのアクセサリーを販売した。
私自身、マルシェに出店し、ましてや、友人とともにブランドを運営するなんて、思っても見なかったこと。どちらも、私が苦手としていることだから。
私は人と何かをすることが、好きだ。だけど、好き以上に、”苦手”が大きい。
1人でやっていた方が気楽だし、やりたいことを試しやすいし、大人とはいえ、誰かの人生の一部(大げさかもしれないけど。)の責任を持つのは難しい。それに、お互いに気を遣いすぎるのが好きではない。お互いに疲弊してしまうから。
これらが要因で、今まで何度も「また、途中で終わってしまった…」という経験がある。
それから、私はいわゆる”接客業”が苦手で嫌い。(学生時代のバイトも、「絶対に接客はしないぞ」という気持ちで探していた。)
だから、マルシェに出店する気も、誰かと何かをする気も、なかった。
それなのに、友人と3人で活動し始めて、約1年。
お互いに別の仕事をしながら、月に1回程度集まって、それぞれ作品を作って、半年に1回ほどマルシェに出店して。
今でこそ言えるけど、正直、ここまで続けてこれるとは思っていなかった。友人のことは出会った頃から好きだったけれど、手放しで信用しているというわけではなかったのだと思う。
この3人で活動していると、私が苦手としていることと、他の2人が得意としていること、それらが噛み合っているのだとつくづく思う。逆もまた、しかり。
バランスが取れているのだと、思える。
私がマルシェに出店しようと思えたのも、この2人と一緒だから。
全て丸投げとは言わないけれど、私が苦手としている接客や外部とのやり取りを、積極的に担当してくれる。誰かと一緒に何かを作り上げることが苦手な私が発した言葉にも「いいね」と言ってくれる。
逆に、私ができることは私が積極的にやる。(あんまりないけど…)
それぞれ仕事や家庭があって、個人の目標は、違うのかもしれない。でも、共感できる想いをもっていて、すり合わせもしながら、少しずつ進んでいく。
それが、私たちのスタイルなのだなと、思えるようになった。
何より、友人たちや私が作った作品を、誰かに届けて、喜んでもらえることが嬉しい。作品と出会って、お迎えして、使ってもらえることが、私たち作り手の喜び。
マルシェは、それを存分に味わえる場所。友人と一緒だから、私のような人間でもマルシェを楽しめる。
次の出店も決まって、少しずつ準備をしていこうと思っているところ。
とはいえ、「いつまで続けられるか分からない」という不安は隣り合わせ。それぞれの事情があって、活動が思うようにできない時もやってくると思う。
それでも、できるところまではやっていきたい。それぞれが大切にしているものを、きちんと大切にしながら。
こんなところで言うのもなんですが、これからもよろしくお願いしますという気持ちです。