【合格を引き寄せる力:予測と期待が現実を変える】

【合格を引き寄せる力:
予測と期待が現実を変える】

私が心に留めている格言の一つに、「予測は期待となり、期待は現実となる」というものがあります。

これは、最初は単なる予測に過ぎなかったものが、やがて自分の心の中で強い期待となり、その期待が最終的に現実として具現化する、という考え方です。

この格言は、私たちの思考がどのように行動に影響を与え、結果として私たちの現実を形作るかを示唆しています。

この格言を、教員採用試験の挑戦に当てはめて考えてみましょう。

例えば、「自分は十分な勉強をしていないから、きっと不合格になるだろう」という予測を立てたとします。

この予測は、単なる客観的な見通しであり、最初は自分の現状に対する冷静な評価であるかもしれません。

しかし、この予測を繰り返し考えることで、それが徐々に不安を引き起こし、自己疑念を抱かせる要因となります。

すると、次第に「どうせ不合格になるんだから、勉強を頑張っても無駄だ」という思いが強くなり、不合格という結果を受け入れることが、むしろ精神的な逃避先になってしまうかもしれません。

やがて、この「不合格になるだろう」という予測は、内心で「不合格になっても仕方ない」という期待に変わり、最終的には現実として不合格を引き寄せてしまうのです。

このようなプロセスは、心理学でいう「自己成就予言」(self-fulfilling prophecy)の一例です。

これは、ある予測が主観的な期待や感情を通じて行動を変え、結果的にその予測通りの結果を生む現象です。

最初は単なる推測だった「不合格」という予測が、自分の学習意欲を削ぎ、試験に向けた取り組みを鈍らせ、その結果、実際に不合格という結末をもたらすのです。

一方で、逆のシナリオも考えられます。

もし、最初の予測が「自分は十分に努力を重ねれば合格する可能性が高い」というものであったとしたらどうでしょうか。

この予測があると、その期待を現実にするために、さらに努力しようという意欲が生まれます。

学習に集中し、着実に進捗が見られれば、自信がつきます。

そして「私はきっと合格するに違いない」という期待へと変わり、それがモチベーションをさらに高めます。

その結果、最終的には合格という現実を自らの手で掴み取ることができるでしょう。

この過程も、自己成就予言のポジティブな側面を示しています。

さらに、他者との関係においても、この予測と期待の連鎖は強く影響を与えます。

例えば、ある友人が教員採用試験の勉強を怠っている様子を見て、「あの人はきっと不合格になるだろう」と予測したとしましょう。

この予測が「どうせ不合格になるなら、何も助ける必要はない」といった期待に変わると、その友人に有益な情報やサポートを提供しなくなるかもしれません。

結果として、その友人は本当に不合格に近づき、予測が現実になってしまいます。

これは、他者に対しても予測と期待が現実を形成する力を持つことを示しています。

教員採用試験という大きな目標に挑む皆さんにお伝えしたいのは、最初に抱く予測が自分の期待となり、やがて現実に影響を与えるということです。

ポジティブな予測を立て、それを現実にするための行動を起こすことが、結果的に目標達成につながるのです。

心理学や教育学の分野でも、ポジティブな思考とそれに基づく行動が成功を引き寄せることが数多く研究されてきました。

「期待と現実の関係」を意識し、自分の目標を明確にし、ポジティブな期待を持ち続けてください。

最終的には、どんな試験でも、「自分は合格する」という強い予測と、それを支える行動が、現実の合格へとつながるでしょう。

どうか、試験に向けた努力を惜しまず、ポジティブな未来を自らの手で引き寄せてください。


レトリカ教採学院
河野正夫


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