【教員採用試験の面接で成功するために:場面指導への備え方】

【教員採用試験の面接で成功するために:場面指導への備え方】

教員採用試験の中で避けて通れないもの、それは「個人面接」です。

一次試験で行われる自治体もありますが、多くの場合、二次試験のメインとして実施されます。

面接官は、数多くの受験者の中から、教師としての資質や適性、さらに人間的な魅力を持った人物を選び出そうとしています。

そのため、面接官はさまざまな質問を駆使し、受験者の本質を見抜こうとします。

受験者もその試練に向けて入念に準備を重ねます。

面接練習を繰り返し、面接対策の本を読み込み、講座に参加するなどして、面接に挑むのです。

まさに、面接官と受験者の間には、緊張感漂う「キツネとタヌキの化かし合い」のような状況が生まれます。

面接官は優れた人材を見極めようとし、受験者はその理想像を演じようとするのです。

しかし、面接官はこう考えています。

「受験者は、自己アピールや志望動機について、十分に練り込んでくるだろう。趣味や特技、これまでの経験に関する質問にも、しっかりと準備しているはずだ」と。

彼らも受験者があらゆる質問に対して回答原稿を頭に入れていることを予測しています。

そこで、面接官が使う「切り札」があります。

それが「場面指導の質問」です。

なぜ場面指導が重要なのか?

場面指導の質問は、事前に準備してきた定型的な答えでは通用しません。

場面指導とは、面接官があるシナリオを提示し、その場面で教師としてどのように対応するかを問うものです。

このシナリオは無限に考え出すことができ、同じ質問に答えた経験がない受験者にとって、新たな挑戦となります。

これにより、受験者の真の資質や適性が浮き彫りにされるのです。

たとえば、面接官が「ある生徒が授業中に大声で友達をからかい、クラスが騒然としました。あなたならどう対処しますか?」といったシナリオを提示します。

これに対し、受験者はその場の状況を的確に読み取り、即座に適切な対応策を提案しなければなりません。

このような質問では、教師としての冷静さや判断力、コミュニケーション力が問われます。

なぜ場面指導が効果的か?

一般的な面接質問は数百問程度に限られますが、場面指導のシナリオは、要素を変えるだけで無限に作り出せます。

これにより、受験者が過去に準備してきた答えでは対応しきれない場面が必然的に出てくるのです。

さらに、場面指導では、単に知識だけではなく、感情や態度、言葉のトーンや声の質までもが評価対象となります。

そのため、教師としての実力がより明確に表れるのです。

どのように場面指導に備えるか?

場面指導は、一見すると答えが無限にあるように思えますが、実際にはそのパターンを効率よく身につけることができます。

学校現場での生徒指導や学習指導の場面は、無数にあるようでいて、よく観察すれば共通する要素が見えてきます。

これを類型化し、練習を重ねることで、どんな場面でもスムーズに対応できる力を養うことができるのです。

例えば、生徒が授業に集中できないときや、友達とトラブルを起こしたとき、あるいは保護者との対応など、よくある場面を想定して、どう対応するかを具体的に考え、演習しておくことが重要です。

また、指導の目的や方法を常に意識し、どのようなシナリオでも柔軟に対応できるようになることが求められます。

面接での場面指導は、実際の学校現場であれば教師が日々直面している問題そのものです。

日常の指導場面をイメージしながら、自分ならどう対応するかを日々考えることで、場面指導の質問にも自然と対応できるようになります。

圧倒的な準備で場面指導を制する

場面指導の質問に答えるには、単なる準備や暗記ではなく、自分の経験や考え方を柔軟に応用することが求められます。

あらかじめすべての質問に対して「原稿」を作るような方法では、場面指導には対応しきれません。

しかし、類型化した場面に対する答え方を分析し、何度も演習することで、実際の場面でも自信を持って答えられるようになるのです。

特に最近では、面接の途中で突然、場面指導の質問をされるケースが増えています。

このような予期せぬ質問に対応するためには、事前のシミュレーションと集中した特訓が鍵となります。

しっかりと準備をすれば、場面指導はむしろ他の質問よりも高得点を取れるチャンスとなります。

最後に、場面指導は苦手に感じる人も多いですが、集中的な特訓を行えば驚くほどの向上が期待できます。

しっかりと指導の理論を理解し、実際の現場を意識しながら、場面指導の練習を続ければ、面接官にも自信を持って対応できるようになるでしょう。


レトリカ教採学院
河野正夫


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