不合格になる方法、教えます!
不合格になりたい方は、次のことを行うとよいかもしれません。
自分が講師として勤務している学校の校長や教頭に、自己アピール文などを添削してもらうこと。
これが、不合格への第1歩です。
勤務校の校長や教頭に自己アピール文を添削してもらうことは、多くの場合、百害あって一利なしです。
理由を言いましょう。
1. 校長や教頭のほとんどは、無難を求めます。
少しでも「刺激が強い」表現などがあれば、薄めようとします。
徹底的に平凡路線の書き変えを助言する傾向があります。
ユニークさを嫌い、いつも聞き慣れている表現で書くことをアドバイスしがちです。
2. 校長や教頭は、たとえ面接官の経験があったとしても、面接官として読む心と、添削者として読む心が違うことを意識していません。
面接官としてなら、「おっ、こいつ面白いな!」と思って興味を持つかもしれないところを、添削者としては「これはちょっと奇抜だから、学習指導要領に書いてあるようなことを入れて書こう。」などと言います。
3. 校長や教頭は、教育委員会への提出書類としての無難さを求めるという心から逃げられません。
ですから、ちょっとでもリスクがあることを避けようとします。
だれにも文句を付けられない、つまり、まったくインパクトがない文章に変えようとします。
校長・教頭は、文章添削においては、必然的に、無難志向です。
でも、ユニークさやインパクトとは、基本的には「ちょっとした驚き」に基づくものです。
「おっ、こいつは面白いな!」
「なるほど。これは凄い経験だな。」
「こういう人材こそ欲しいなあ。」
こういった感動を面接官が持つのは、面接官が受験者の語りに「ちょっとした驚き」を見出したからです。
感動の本質は、ちょっとした驚き、気付き、発見です。
でも、校長や教頭の添削は、無難を求めます。
学習指導要領や教育資料や教育方針にあるようなことを文章に書かせようとします。
彼らは、いつもそんな文章ばかりに触れているからです。
彼らからユニークさや個性をインパクトを持って表現するための添削を期待するのは困難です。
もちろん、彼らは面接官の経験者かもしれません。
面接官の知り合いもたくさんいるでしょう。
でも、彼らが気付いていないことがあります。
それは、面接官になったときの心と、校長・教頭として添削するときの心は全然違うということです。
だから、騙されてはいけません。
たとえ、面接官を経験したことのある校長でも、校長として添削するときは、面接官ではなく、その学校の上司として、あなたの自己アピール文を読みます。
そして、無難な文章に変えてしまいます。
そもそも、校長や教頭に添削をお願いするなど、愚かなことです。
あえて喩えるなら、浮気をしている夫が、浮気での悩みを妻に相談するようなものです。
確かに、妻は夫のことを一番分かっている人かもしれませんが、妻という存在は、夫が自分の浮気について相談する相手ではありません。(浮気を悔いて、打ち明けて謝罪する場合なら別ですが。。。)
私は、過去に校長に添削してもらって、平凡で無難で退屈な自己アピール文になってしまって、不合格になった人をたくさん知っています。
もともとの原稿は活き活きとして、ユニークで、インパクトもあり、「興味深くて,素敵な人だなあ!」ということが伝わっていたのに、校長に見せて添削してもらったせいで、台無しになった例はたくさんあります。
校長は上司ですから、いったん添削してもらったら、その助言を完全に無視するのは難しいものです。結局は、校長の助言を受け入れざるを得なくなります。
既に校長の添削済みの原稿と、自分のお気に入りのもともとの原稿との間で悩んでいる人がいたら、どうかあなた自身のハートに従ってください。
あなたの心で提出したいバージョンを選んでください。
校長は、無難で平凡な添削をして,あなたが不合格になっても、一切、責任を取りません。
善意から添削をしてくれていても、あなたの合格に対して、本気で責任を持っての戦略的な添削ではありません。
ただ単に平凡で無難で一般的な添削となりがちです。
過去20年の経験から、はっきり言います。
校長・教頭に自己アピール文を添削してもらうのは、不合格への第1歩です。
もちろん、例外もあるでしょう。
優れた添削をしてくれる校長・教頭もいるかもしれません。
でも、それは極めて稀であることを知っておいてください。
どうか、皆さん自身のハートが選んだ原稿を提出してください。
校長・教頭の添削で、不合格に近付かないでくださいね!
河野正夫
レトリカ教採学院