質問のクオリティが,もらえる回答のグレードを上げます!質問する力こそ,コミュニケーション能力です。教採合格もコミュニケーション能力が一番大切です!
質問のクオリティが,もらえる回答のグレードを上げます!
質問する力こそ,コミュニケーション能力です。
教師(教育者)という仕事をしていると,多くの人から,様々な質問を受けます。
そんな時に感じるのは,本当に上手に質問をする人と,質問が下手すぎる人の二極に分かれてしまうということです。
質問が上手だと,回答する方も答えやすく,質問者が期待していた以上の答を差し上げることができます。
しかし,質問が下手すぎると,回答する方は困惑するだけで,まったく回答できないということも少なくありません。
今日は,「質問をする」ということについて,考えてみましょう。
まず,質問をするという行為には,質問へのシリアスな答を求めているものと,そうでもないものがあります。
前者はいわゆる狭義の質問であり,後者は「あいさつ的」に使われる質問です。
まずは,後者の「あいさつ的」に使われる質問から見ていきましょう。
次の会話をご覧ください。
おでかけですか?
ええ。ちょっとそこまで。
もうかりまっか?
ぼちぼっちでんな。
How are you?
I am fine, thank you.
How do you do?
How do you do?
1つめの会話の,「おでかけですか?」というのは,この場合,道端で知り合いに出会ったときに使う,ほぼ「こんにちは」という挨拶言葉に等しいものです。
ですから,答える方も,無難に「ちょっとそこまで」と答え,多くの場合,これで会話は終わりです。
「おでかけですか?」と言われた方が,律義に「はい。中区本町1丁目2の3まで行きます。」と答えたら,聞いた方は困惑するでしょう。
2つめの会話は,伝統的な,あるいは,ステレオタイプ的な大阪の会話ですが(笑),これも,ほぼ挨拶です。
「もうかりまっか?」と聞かれた人が,「はい。今月は,先月の50%増しの利益が出て,300万円ほど儲かりました」などと答えたら,聞いた人もびっくりするでしょう。
ここは,やはり,「ぼちぼちでんな。」と儀式的に答えるのが常道ですよね。
3つめの英語での会話も同様です。
“How are you?”と聞かれたら,概ね,”I am fine.” とか “I am good/great.” とかと答えます。あえて,”My body temperature is 37.5℃, and my blood pressure is 150 over 90.” などと答えたら,ほとんど病院での診察みたいになってしまいます。
4つめの英語の会話などは,もう,”How do you do?” 自体が「はじめまして」というあいさつ言葉になっていて,どちらの人も,形の上では疑問文の “How do you do?” をあいさつ言葉として使っていますね。
あいさつ的な質問は,はっきり言って,いわゆる回答の内容を期待していません。
こちらが何か言ったら,向こうも何か言ってくれれば,それで挨拶は完了です。
こういうあいさつ的な質問には,工夫もなにもありません。
でも,質問への答の内容に期待を馳せている,いわゆる狭義の質問には,工夫が必要です。
私(河野)は,教員採用試験の対策講座を主催していますので,教採を受験する多くの人が,様々な質問をしてきます。
でも,それらの質問の中には,どう答えたらいいのかわからないような,とても「下手な」質問があります。
例えば,
どうすれば合格できますか?
教職教養はどうやって勉強すればいいですか?
数学が弱いのですがどうすればいいですか?
東京都の英語はどう勉強すればいいですか?
面接はどうすれば上手くなりますか?
といった,下手すぎる質問です。
1番目の「どうすれば合格できますか?」というような質問は,もはや回答不能です。
回答を求めるのであれば,現在の自分の学力・能力・準備状況・学習方法・学歴・職歴・バックグラウンドなどの詳細な情報が必要です。
はっきり言って,「どうすれば合格できますか?」というような簡単な問いで済むものではありません。
個人レッスンの90分でやっと回答できるかどうかの内容です。
個人レッスンでも,先程述べたような,その人の学力・能力・準備状況・学習方法・学歴・職歴・バックグラウンドなどの詳細な情報を聞いてから,それらの情報を視覚的に整理しながら,アセスメントを行い,その上で,どうすれば合格できるのかの戦略を立案していきます。
いきなり,LINEで,「どうすれば合格できますか?」と見ず知らずの人から質問されても,どうしようもありません。
2番目の「教職教養はどうやって勉強すればいいですか?」というのも同様です。
確かに,「教職教養」と範囲は狭まっていますが,まだまだ,あいまいすぎて,どう答えたらいいのかわかりませんよね,。
教職教養についての,その人の現状がわからなければ何とも言えません。
まったく手を付けていないゼロ状態なのか,昨年,勉強したけれど,上手くいかず筆記試験で不合格になったのか,教職教養の中の特定の分野が不得意なのか,参考書や問題集の選び方がわからないのか,そういった基本情報を何も言わずに,「教職教養はどうやって勉強すればいいですか?」と質問されても,答えようがありません。
教職教養の勉強法を聞きたいのであれば,まず,これまでどんな勉強をしてきて,どんな結果だったのか,自分が得意な分野・不得意な分野はどこなのか,これまで使った参考書や問題集は何なのか,いま,どこで困っているのか,少なくとも,そういった情報が必要です。
結局,「教職教養はどうやって勉強すればいいですか?」としか聞けない人は,自分の現状の分析も困難点の分析も何もできていない人なのです。
「神頼み」のように,「どうすればいいのですか?」と聞いても,どうにもなりません。
3番目の「数学が弱いのですがどうすればいいですか?」という質問もあいまいすぎて,回答することができません。
数学が,どのレベルで困難を感じているのかという情報が絶対に必要です。
小学校高学年の算数レベルで既にわかっていないのか,中学校の数学レベルなのか,数Iレベルなのか,あるいは,微分・積分レベルのことを言っているのか,そういう自分が困難を感じているレベルを明らかにしないと,質問をしてもダメです。
また,数学と言っても,いろんな分野があります。全分野がダメなのか,特定の分野に特に困難を感じているのか,そういう情報も必要です。
また,これまで,どういう勉強方法を取ってきたのか,どんな参考書・問題集を使ってきたのかの情報も必要になってきます。
数学で困っているのは分かりますが,「数学が弱いのですがどうすればいいですか?」という質問では,なんの回答も引き出せません。
4番目の「東京都の英語はどう勉強すればいいですか?」というような質問は,自治体や教科を変えて,たくさん質問されます。「埼玉県の国語はどう勉強すればいいですか?」,「千葉県の理科はどう勉強すればいいですか?」などです。
私は,こういう質問しかできない人は,もうそこで,教師失格だと感じています。
学力も,思考力も,判断力もなにもない,教師には絶対になれない人なのではないかと疑ってさえいます。
なぜ,そんなに強いことを申し上げるかという理由は以下の通りです。
そもそも,東京都の英語,埼玉県の国語,千葉県の理科,などというものが存在するはずがありません。
英語は英語です。国語は国語,理科は理科です。
東京都でも,犬はdogで,猫はcatです。埼玉県でも,枕草子は清少納言が書いたことになっているはずです。
千葉県では,理科の法則が変わって,酸素の方が水素より軽いということはないはずです。
こういう質問をする人は,学問をしていません。
ただ,その県の過去問しか見ていません。
その県の過去問とは,出題パターンを見るには役立ちますが,その県では,多くの場合,二度と出題されない問題です。
特に専門教科の場合,英語を受けるのであれば,まずは英語に精通し,それから,自分が受験する自治体の出題パターンを研究する必要があります。
それを「東京都の英語」を勉強したいなど,まったくもって本末転倒です。
木を見て森を見ず,「過去問読みの英語知らず」とでも呼びましょうか。
それでも,自分が受験する自治体に特有な出題形式についての準備をしておきたいということであれば,そもそも,質問の仕方を工夫する必要があります。
例えば,「東京都の英語の筆記試験は,他の道府県の英語の試験に比べて,XXXという特色があります。このXXXに備えるためには,どんな勉強方法があるでしょうか?」なら,質問をされた方もアドバイスしやすくなります。
あるいは,例えば,「埼玉県の国語は,YYYといった特別の形の出題があります。この出題形式が苦手で困っています。こういう形式の問題で正解できるようにするには,どのように準備したらよいでしょうか?」なら,質問された方も,指導しやすいですよね。
質問が下手な人は,自分の現状を語りませんし,自己分析をしません。
ただ,おまじないのように,「どうしたらいいですか?」と聞いてきます。
自分の現状も,困難点も,ターゲットとなっている試験の出題の特色も語らず,ただ,「合格するにはどうしたらいいですか?」とか「東京都の英語はどうしたらいいですか?」と聞きます。
そんなメンタリティだから,毎年,不合格になるんだよ!と叱ってあげたいくらいです。
5番目の「面接はどうすれば上手くなりますか?」は,最悪・最低と言えるような質問ですよね。答えようがありません。
まず,面接でどう高評価を取りたいのかの方向性がわかりません。
ただ単に話下手だから話し上手になりたいということなのか,毎年,面接で不合格になっているからその原因が知りたいのか,自分には不利なバックグラウンドがあるのでそれを克服したいのか,自分の強みがわからないのか,話す内容はいいのだけれど表情やパフォーマンスがダメなのか,そういったどういう方向性で改善していきたいのかが,この質問の仕方では,さっぱりわかりません。
「面接はどうすれば上手くなりますか?」という質問をするような人にも,だから,永久に面接で不合格になるんだよ!と教えてあげたいくらいです。
面接で合格したい,面接で不合格が続いたから来年こそ合格したい,この想いの本気さは理解できます。
でも,面接で合格するとはどういうことなのか,面接での不合格続きの原因を突き止めて克服するにはどうすればいいのか,を戦略的に考えることが絶対的に重要であり,それなしに,合格はあり得ません。
だからこそ,自分の現状や困難点,自分のアセスメントもせずに,なんの情報も伝えずに,「面接はどうすれば上手くなりますか?」と質問するのは,はっきり言って,ムダであり,はっきり言ってアホです。
面接で合格したければ,かなりの準備が必要です。
そもそも,1行の質問で解決できるわけがありません。
それでも,どうしても,面接について何か聞きたいのであれば,ピンポイントの質問をすることです。
例えば,
私は二つの眼鏡を持っています。どちらの眼鏡をかけていくのが,面接では好印象を取れるでしょうか?(それぞれの眼鏡をかけた,2枚の画像付き)
私はAA県を受験する志望理由として,次の文章(語り)を考えました。これで,AA県の採用側の面接官は納得してくれるでしょうか?(考えた文章付き)
私の強みはBBBだと思っています。これを強調した自己アピールを考えてみました。これで,採用側の面接官は好感を持ってくれるでしょうか?(考えた文章付き)
これなら,よいアドバイスができます。
でも,もし仮に,次の質問だったら,どうしようもありませんよね。
どんな眼鏡がいいのでしょうか?
➡ まず,あなたの顔も知らないし,雰囲気も知らないし,答えようがない。
行ったこともない県を志望するのですが,どんな志望理由にすればいいのでしょうか?
➡ そもそも何県を受けるの?あなたはその県について何を知っているの?というか,なぜその県を受けるの? こういう情報もなく,答えることはできませんよね。
自己アピールってどのように書けばいいのですか?
➡ そもそも,あなたは誰?あなたはどんな人?何が強みなの?学校種は何?志望教科は何?あなたは何歳?何をしている人? こんなことも分からないのに答えることなどできません。
私(河野)を効果的に活用するためには,上手な質問をすることです。
上手な質問をされると,河野は,本気で考え,確実な答えを提供します。
そして,これまでも,河野の答えを活用して,数多くの受講生が教採合格を勝ち取ってきました。
意味も分からない,下手すぎる質問だと,河野は回答できませんから,「その質問では,答えられません。」と言います。
そう言われて,上手い質問に切り替えて聞いてきた人は,上記の人のように,教採合格を勝ち取ってきました。
河野から「その質問では,答えられません。」と言われても,繰り返し,どうしようもない質問しかしない・できない人は,教採合格を勝ち取れたためしがありません。
質問が上手いか下手かは,その人の教採合格の可能性を予測する,最大の判断基準でもあります。
質問が上手い人は,教採に合格します。
質問が下手な人は,いつまでたっても合格しません。
これは社会に出ても同じことでしょう。
上司にかわいがられ,同僚とも仲良くできる人は,質問が上手い人です。
上司からは嫌われ,同僚とも不仲な人は,質問が下手な人です。
この場合,【質問の力=コミュニケーション能力】という等式が成り立っているのだと考えます。
皆さん,質問上手になってください!!
そうすれば,教採合格も勝ち取れますし,学校でも職場でも上手くいくはずです!
河野正夫
レトリカ教採学院
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