教採の面接で合格するための最大の極意のひとつは,「受験奴隷」にならない!ということです。

教員採用試験の面接で合格するための最大の極意のひとつについて,お話しましょう。

教採の面接で合格するための,最大の極意のひとつは,

「受験奴隷」にならない!

ということです。

「受験奴隷」とは,教員採用試験という受験で,合格したいがために,あまりにも卑屈になり,媚びてしまって,いわゆる受験作文的なことしか言えなくなってしまう現象です。


例えば,

あなたを色に例えると何色ですか?なぜその色に喩えたのですか?

というような,非常に自由度が高く,しかも,クリエイティブに回答できる質問に対して,せっかく,その人らしい色を選んだ上で,その色の説明も創造的で素晴らしいのに,最後に,ありきたりの「子供に寄り添い」みたいな,お決まりの受験作文の凡庸で退屈な定型句を付けてしまうというようなものです。

具体例で言うと,

あなたを色に例えると何色ですか?なぜその色に喩えたのですか?

はい。夕焼け色です。
夕焼け色は,夕焼け色は,普段は爽やかな青い空が,夕方だけ,燃えるように赤く見えます。
爽やかな青い色が,太陽の光が陰り,暗くなる直前に,一気に燃え上がるように見えるのが夕焼け色です。

(さらに,その人にぴったりの説明やエピソードが続く。)
<ここまでなら完璧なのに,この後に愚かな文を続ける人がいるのです。>
→ この夕焼け色のように,私も子供と保護者に寄り添って,共に心を通い合わせるような教師になります。
<この付け加えの文で,この語りは,台無しになります。>

この語りでもわかるように,せっかく,夕焼け色という素晴らしい色を選び,素晴らしい説明で始まり,その人にピッタリのエピソードを続けておきながら,最後の最後で,「子供と保護者に寄り添って」というような,平凡で,退屈で,愚かしい,受験作文を置くことによって,この語りが台無しになっています。


多くの人は,教員採用試験の面接では,何を答えるにしても,教育に結び付けなければいけない,教育に結び付けた方がいいと,固定的に考えています。

それは,大きな間違いです。

確かに,教員採用試験の面接ですから,教育について語ることは,良いことです。

でも,教採の面接は,教育学の口頭試問ではありません。

教育論的な面接課題なら,当然に,教育について語りますが,人物論的な面接課題ならば,自分の資質や能力,そして,魅力をアピールするべきであり,ムリして,教育に結び付けて,「自爆」する必要はありません。

ここで,自爆と言うのは,せっかく,ユニークで,好感度抜群のことを語っているのに,最後に,受験作文的な結びの文を置いて,せっかくの魅力的な語りを台無しにしてしまうことです。

教採の面接を受験する人は,まだまだ,面接の語りにも正解があると思い込んでいます。

正しいことを言えば,合格すると勘違いしています。

学習指導要領や答申などに絡めて話せば,合格すると錯覚しています。

そして,残念なことに,面接の指導者を気取っている管理職や先輩教員などが,こんな愚かな誤解を,さも当然のことのように,間違って指導しています。

そういう指導や助言を信じてしまっては,不合格への一本道です。


教採の面接で合格する人は,人間的な魅力を伝えることができる人です。

教採の面接で合格する人は,この人,素敵な人だなあ!という感動を与えることができる人です。

教採の面接で合格する人は,受験作文ばかり振り回す「受験奴隷」ではなく,自分の想いを,自分の言葉で,クリエイティブに,ユニークに,インパクトを持って,好感度抜群に語ることができる人です。

不合格が続くような人は,「受験奴隷」になっています。

面接官に媚びて,何でもかんでも,教育に結び付けて,ありきたりの「寄り添う」とか「個性を生かして」とか「子供の笑顔」とか,どこかで聞いたような,定型句を連発します。

そのくせ,大した教育観も,子供観も,指導観も持っていません。

合格したいという思いだけで,正しそうなこと,どこかで聞いたカッコいい言葉を言っていれば,合格できると勘違いしているのです。

だから,こういう人は,何年も,何年も,面接で不合格なります。

不合格になる理由は,語っていることが間違っているからではありません。

語っていることに魅力がないからです。

語っていることは,正しいこと,適切なことかもしれませんが,受験作文であることが丸出しで,その人の想いも,魅力も,ユニークさも表現されていないからです。


あなたが,子供(児童生徒)だと仮定してみてください。

学習指導要領や,答申などの言葉だけを,意味もなく引用し,ただ正しいだけの語りをするような先生に教えてもらいたいと思いますか?

それとも,自由で,ユニークで,ユーモアがあり,魅力あふれる語りをしてくれる先生に教えてほしいと思いますか?

答えは明白ですよね。


受験奴隷にならないでください。

受験奴隷になって,媚びてみても,合格は勝ち取れません。

受験奴隷を脱却して,自由に,ユニークに,ユーモアをもって,魅力をもって,語ってみてください。

あなたの魅力は,受験奴隷として,受験作文で,正しいことをいう姿ではありませんよ。

あなたの魅力は,あなたらしく,あなたの想いを,クリエイティブで,ユニークに語るところにあります。

受験奴隷になることなく,自分らしく,教採の面接で,語ってくださいね


河野正夫
レトリカ教採学院

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