the GazettEを振り返る:第1回「結成初期から『DISORDER』まで ~10年早い浮世絵化とポスト・インターネット~」
※本記事は、2015年8月27日に公開されたものの微修正版です。
00年代にネオヴィジュアル系四天王として注目を浴び、 その音楽性からシーンでもっと話題を集め、そしておそらくもっとも“売れている”、いわばネオヴィ版METALLICA――それがthe GazettEです。彼らの音楽性を知ることは、現在のヴィジュアル系シーンを知ることに繋がります。
というわけで、8月の新作『DOGMA』発売を記念して、これまでの彼らの音楽性を見ていこうというのが本稿の趣旨です。とても長くなりそうなので何回かにわけてお送りします。
(ちなみにMetallicaのくだりに深い意味はなく、NIGHTMAREがSlayerでシドがMegadethでA9がAnthraxとかそういうわけではありませんし、強いて言えばたぶん全部Metallicaです)
Eternal時代
レコードレーベルMatina系列のEternalに所属していたことがあるものの、作品は多くありません。このころは歌謡曲要素が強く、後述する洋楽からの影響が弱いです。彼らはこれを原型してさらに様々な要素を取り入れていきます。
(執筆当時、Matina時代と書いていましたが、正確にはMatina系列のEternalの間違いでした。申し訳ありません。情報の精査に努めてまいります)
大日本異端芸者時代(『DISORDER』まで)
2003年、広告戦略の強さで知られるPS COMPANYへと彼らは移籍しました。大日本異端芸者と名乗っていたこのころの作品には、今の彼らに通じる重要な要素が詰まっています。以下にその特徴を述べていきます。
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