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「哀愁」~五十川航汰(NPOぎふ新体操クラブ)
まだ15歳の少年に「哀愁」ってどうよ? とは思うのだが、五十川航汰にはどうしてもその言葉が似合ってしまう気がする。とてもイケメンくんだと思うのだが、そのイケメンっぷりが決して「チャラい」ほうにいかず、なんだか物哀しげな雰囲気をもっているのが、演技者としての彼の魅力かと思う。まだジュニア。「かっこいい! かわいい!」だけでも十分な年齢なだが、彼はその物憂げな印象ゆえに、華奢な体にもかかわらず、演技の端々でシニアのような風格を感じさせるのだ。
もちろん、五十川が大人っぽく見えるのは、容姿のせいだけではない。手具操作が巧みで、タンブリングもうまい。おそらく年齢のわりに「できること」が多彩なのだろう。まだ実施でミスが出ることはあるが、演技の内容がシニアにもひけをとらない、ように感じるのだ。そのよさは、とくにクラブの演技で見えた。じつに多彩で大人っぽい。
リングやロープは、まだ「つめこんでいない」演技で、演じていてゆとりさえ見える気がする。そして、その分、彼のポテンシャルの高さが感じられ、これからの期待がふくらむ演技だったように思う。
今、彼はことさらに「こう見せよう」「こう演じよう」と意識して、この憂いある雰囲気を出しているわけではないように見える。これから、もっと自分の「見え方」を意識して、その強みを意識した演技をするようになれば・・・かなり末恐ろしい存在になりそうだ。
<「新体操研究所」Back Number> 2010.12.9.掲載
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