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統計検定に合格してからQC検定を受験する方へ

7/18:統計検定2級(CBT)合格
9/6 :QC検定2級受験(10/15合格確認)
今回は、2ヶ月ほどの間に上記をこなしてみての感想などを書いていきたいと思います。

統計検定受験までのことに関しては、こちらに書いています。

QC検定を受験した理由

統計検定は機械学習とかやってみたいなぁという自発的な理由だったのですが、QC検定は会社からの薦めです。調べてみると2つの検定は出題範囲がかぶっているということだったので、効率的に受けられるならいいかと思って受験を決めました。

出題範囲の違い

統計検定は名前の通り統計学のみが出題されます。一方QC検定は、おおまかには、統計+計算問題+暗記ものとなります。
内訳としては、統計40%+計算問題10%+暗記もの50%といったところでしょうか。なので、統計検定の範囲を十分に理解・記憶しているならば、QC検定の40%ほどはNO勉強で得点できます。
計算問題は、具体的には管理図と信頼性工学のことで、勉強する必要があります。暗記ものは、用語を回答する問題もありますが、文脈や消去法でなんとかなる問題も多く、単なる国語力の問題となっています。
私は始めから過去問で勉強していましたが、答えを見ずに解いてみて、合格点を下回っていたことはありませんでした(ただし時間は測っていません)。

つまり統計検定に合格していれば、合格圏近辺からスタートできるということになります。

統計検定とQC検定の重複範囲

・正規分布、二項分布、ポアソン分布
・母分散、母平均に関する推定、検定(差と比も含みます)
・サンプリング手法(集落サンプリングとか層別サンプリングとかです)
・相関分析、単回帰分析
・実験計画法(一元、二元配置実験)
おそらく一番難しいのは統計検定にはそれほど頻繁に出てこない二元配置実験ですが、問題のパターンはほぼ決まっていて、A水準×B水準×n数=2の実験でF検定ができればOKです。

統計検定を受けてからQC検定の勉強を始めて感じたこと

特筆すべきは、QC検定では不偏分散は与えられず、偏差平方和が与えられることが多いです。単回帰分析や実験計画法の問題は、これらを使った公式を覚えて問題を解いていくことが求められます。
また、偏差平方和を自力で求めることもありますが、これにはよく修正項というものが利用されます。統計検定では定義通りの計算していたので、つまづくポイントになると思います。単に定義式を展開して、計算しやすいようにしているだけなので、一度確認したら公式として覚えてしまいましょう。

あと、すごく違和感を感じるのは、記号の違いです。
統計検定でsと言えば標本の標準偏差を表しますが、QC検定でSは偏差平方和です。小文字大文字の違いはありますが、自由度で割ってあるのかないのか、最初は本当にややこしかったです。
また自由度も統計検定ではνを使いますが、QC検定ではφを使います。
地味ですが、こういった違和感をしばらく感じながら勉強することになります。

両方受験してみての感想

QC検定は必要ないというのが私の感想です。
もし会社から言われるようであれば、楽に合格できる3級だけ適当に受ければそれで十分だと思います。それくらいQC検定には価値が見出せません。

問題の質としても、統計検定は頭をひねって答える問題もあり、解けなかったら悔しいと思えるのですが、QC検定は重箱の角をつつくような問題やどっちも正解ではないかという問題(暗記ものの部分です)で難易度を上げてくるので腑に落ちません。

また、前述したように、QC検定の統計分野は、統計検定の範囲の一部です。暗記ものの部分も、あまりにも国語力の問題になっているものが多く、身になりません。唯一意味があったと思えるのは信頼性工学の部分ですが、範囲が浅すぎます。

受験のしやすさに関しても、CBT方式で受験ができる統計検定に軍配が上がります。筆記で受ける場合も、台風などのときは統計検定の方が早くから中止を公表してくれるなど、対応が素早い印象です。
私が受験した第30回は、ちょうど台風が九州に来ていたのですが、影響があるか微妙だった福岡では、試験開始数時間前に中止を発表したようで、非常にかわいそうでした。

QC検定のいい部分は製造業での知名度のみです。
受ける必要がないならおすすめはしません。統計検定の方が役に立つと思うので、こちらを受験しましょう。

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