#95 おめでとう、そしてお疲れ様
僕の親友が後期試験で合格した。
朝9時になって発表だったはずだが、12時になっても連絡がこない。
たまたま彼の住んでいるところに昨日寄ったので会っていた。
合格していたらすぐにでも連絡がくるだろうと思い、春休みを良いことに11時頃まで寝ていた僕も今日は早起きしていた。
来ない。
僕の親も自分の息子かのように心配していたので、どうだった?と心配そうにしていた。
僕が不合格だったらすぐには連絡できないなあ。
不合格かなあ。と思いお昼を食べていると一通LINEが届いた。
受かったよ!!!
ごめんバイトしてて今見たんだ(笑)
ここ7年で初めてかもしれない。
彼からきたLINEにビックリマークが3つも付いていたのは。
本当に良かった。
前期の第一志望には通らなかったが、彼が納得して進めるところにようやくいけた。
これで彼の時計もようやく動き出す。
「いや〜疲れた。
ようやく少しはゆっくり寝れる。」
彼からのLINEにはそう書いていた。
お疲れ様。
言えば言うほど彼の心にしみるのであれば1000回ほど言いたかったが、男同士だしなあと思い1回にしておいた。
今年で最後にするかもしれない。
彼からはセンター試験が終わったタイミングでそう聞いていた。
ネガティブな発言をほとんどしない彼が珍しくそう言うので少しびっくりしたが、限界だったようだ。
頑張ろう頑張ろうと思ってなんとか勉強してきたけど、これでダメならいよいよ心が砕けそう。
僕はなんと返したら良いのか正解は分からなかったが、彼はそう言っていた。
毎日毎日恐怖と不安が増していく感覚で、現役や一浪の時のようにエネルギー満点に切り替えるのは到底できない状態だったようだ。
僕からしたら、ここまで頑張れる気力と根性には尊敬しかない。
でも、それは近くで見ているからであってその他大勢から見られる視線や他人と比較してしまう目線は彼しか分からないものだ。
そこと向き合わなくてはいけなかったからこそ、最初に出た言葉が「疲れた」だったのだろう。
僕は4浪で合格できたが、僕も合格した時は喜びもあったが疲れたなあと言う感覚が強かった。
自分の努力に対してよりも自分の苦しみへの労りが強く出るのかもしれない。
本当に良かった。
何よりも彼が納得して進めることが自分のことのように嬉しい。
そして自分のことのように喜べる友人がいることも誇りであるし、幸せなことだなあと改めて思った。
美味しいお酒と焼肉を食べに行こう。
お疲れ様、そしておめでとう。