カオス / 現在の日本を俯瞰する
最近の世の中、どうでしょうか?
日本の状況はどんどん悪くなっていくような気がして、不安に感じている人も多いと思います。
一方、毎日大量に流れてくる情報やコンテンツ、消費行動のループに囚われ、現実に麻酔をかけながら日々を送っている面もあったりするのではないでしょうか。
そんなカオスに知らぬ間に飲み込まれ、意識と自分自身を見失っていかないよう、現在を俯瞰的に把握しておくために、各カテゴリー別に私見を残しておこうと思います。
社会
日本には法律で定められたルールとは別に、人々の相互監視によって生み出される「同調圧力」という二重のルールが存在しています。
村社会を維持するための相互監視が作り出している同調圧力という厄介なしきたりの中では、変化を拒み、出る杭は打ち、村にこもっていれば自由と引き換えにこれまで通りの生活が保証されていくと信じ込まされています。
上の人間に都合の良い儒教の教え(年功序列、年上を敬え、先輩後輩、男尊女卑、子は親のために死ね、etc…)は、民を押さえつけてコントロールするために江戸時代から引き継がれ、今も日本に根深く残る負のシステムの基礎となっています。
このシステムが崩れない限り、上の人間が権力の取り合いゲームをしているだけの国であるという現状は変わりません。
今の日本は相当疲弊しており、物価や税金がじわじわ上がっていますが、本当はこんなものでは済まないほどの大病を患っています。
それも政府の情報統制によってギリギリまで村社会の保証を維持するべく取り繕いますが、大きな崩壊は突然やってくるのでしょう。
今日明日の話ではありませんが、これまでの10年20年と同じ日々がこの先も続いていくわけではないという現実から目をそらさず、むしろこれまで以上に注視しながら備えていく必要があると思います。
突然不意打ちを食らうのと、しっかり受け身を取れるのとではダメージも相当違ってきます。
労働
一昔前はパソコンも無く、紙とペンと電話で仕事をしていたはずですが、デジタル技術が普及し、明らかに当時の数倍の仕事量をこなしている現在でも、その頃と同じどころかそれ以上の時間と日数を労働に費やしています。
それでいて給与水準もほとんど上がっていません、不思議ですね。
現状の世の中には必要な仕事なのに、それを長く続けると詰んでしまうというような仕事も存在していたりします。
以前からAIや自動化の波によって仕事が無くなるとは言われてきましたが、実際にレジ打ちなどの身近な仕事も思っていた以上に早く無くなってきています。
昔は、刺し身にタンポポを乗せるだけの仕事がしたいなんて言っていた人もよくいましたが、ネタでは無く本当にできることならそれがいいと思ってしまうマインドのままでいるのはこの先とても危険です。
ロボットのような仕事をするのは、ロボットかロボットのような人間だけになるのでしょう。
この先更に減っていく人間のポジションに、どんな劣悪な条件になってもしがみつき続けるのか、という話になってきます。
これまで手厚く保護されてきた、会社で何をしてるのか謎なおじさんたちがそういったポジションに流されていく話もよく耳にするようになってきました。
これからはこれまで以上に、理解力、文章(説明)力、新たな技術に適応して使いこなしていく継続的な学習能力が要求されることになります。
国民
全体の国民としての意識は、諦めに近い形で確実に低下してきているように感じます。
多様性と言われてはいるものの、島国ゆえの国際感覚の不足は否めませんし、国やメディアが打ち出すキーワードに世間が同調し、そこに乗っからざるを得ないというのが現状で、個人の意識が本当に追いついているのかはまた別の話となります。
また、長い間植え付けられてきた思想なので仕方のないことですが、どんなに国や自分の生活が悪くなっても、騒いで和を乱すより、今あるもので満足しろという考えの中に収まってしまいます。
日本人は海外の宿泊施設でも、他の国の旅行者と比べて悪い部屋に振り分けられることが多いそうです。
なぜなら環境が悪い部屋でも日本人が一番文句を言ってこないからです。
全体の空気に合わせながら紛れ込む群れの一部ではなく、世の中のおかしなことには異を唱え、進む道は自分で選ぶどころか作っていける強い個人としての意識を持つようにしていかなければなりません。
若者
生まれたときからネット環境やデバイスに触れる機会があり、デジタルネイティブ世代と言われるだけあって、一番多くの情報を浴びせられながら育った世代だと思います。
情報へのアクセスの手軽さから、考える前に調べてしまうほどの情報中毒と隣り合わせです。
WebやSNSを駆使してトレンド、効率、最適解を求めているようにも見えますが、たどり着くその情報は本当に正解なのでしょうか。
自分たちの送る日常とは無関係に思える上の世代(時には同世代)から、無垢な消費者として一方的に監視・分析され、最適化された情報やコンテンツを提供されながら、それを違和感無く消費するよう、思考と趣味嗜好を一定の方向へ誘導されている可能性もあります。
企業間では、不変である人間の一日24時間という時間の奪い合いとなり、短くて分かりやすいドーパミンがドバドバ出るようなファストコンテンツを次々と提供して消費を加速させています。
テック企業の高精度なアルゴリズムや搾取システムに、10代にして抗い、自制していくのは困難を極めることになるでしょう。
一方、この現状を理解し、自己の成長に投資している若者も多くいると思いますが、そういった人ほど周囲とは壁を感じたり、時には揶揄されながら足を引っ張られることもあると思います。
こうして優秀な人ほど居心地の悪さを感じ、海外に流出していく傾向が強まるかもしれませんし、それを防ぐためにかかる圧力や空気も出てくるかもしれません。
いくらインスタントに情報を取り入れても「実際の経験」に勝るものは無いため、情報に溺れないよう距離感を保ちながら、今後の来たるべき時に備えて今は力を蓄えておく時期なのかもしれません。
ミドル世代
若者でも高齢者でもない世代をなんと表すのが適切なのか分かりませんが、大体その中間ということにしておきます。
世の中のコンテンツの多くはこの世代に作られているのではないでしょうか。
若者の活動や作品、仕事の多くも実質この世代にマネジメントされており、近年では過去作のリメイクなども多く、ミドル世代に最適化されたコンテンツも散見されます。
多くの人が労働や家庭に本腰を入れなければならない世代であることもあって、若者ほどの時間も無く、ある程度は消費するコンテンツや情報を選んでいるかもしれません。
しかし、若者と同様の搾取システムの対象にはミドル世代も十分含まれており、時間の代わりに「課金」という形の消費行動を最もしている世代でもあると思います。
また、人生や仕事においても、これまで通りのやり方が通用しなくなっていく転換期に曝されている世代でもあり、最後まで自己の成長が求められることになります。ここが、長く活躍していける尊敬できる大人と、そうでない大人になるかの分かれ道になっていくと思います。
足場を見失わないよう自己実現へ進むと同時に、他者を導くことのできる良き師を目指すべきでしょう。
下の世代も本当は年上を尊敬したいのに、尊敬できる師のような大人がとても少ないのが問題なのだと思います。
高齢者
長く日本のシステムの型にはめられながら生きてきたということもあって、現在最もテレビにコントロールされている世代かと思います。
実際、今のテレビは高齢者向けの作りになっていて、お茶の間や老人ホームで一つの大きな画面をみんなで見ることを想定し、感情(不安と安心)をコントロールするニュースと、何も考えずに見られる食べ物の映像がドアップで映っている場面ばかりです。
十分に思考を停止させたところで「今のあなたにはこれが足りていません」と、引くことを考えさせずに何かを足すことで解決に導こうとする、催眠商法のような広告の餌食にしていきます。
また、TikTokやインスタは見ないけどYouTubeは見ているという人はそれなりにいるようです。
一つの動画を見るとその後もアルゴリズムによって似たような動画が次々とおすすめされ、猫動画ならまだしも、それが陰謀論だったりするとズブズブとはまっていってしまいます。
そういった仕組みを理解している人も少ないため、ある意味情報やアルゴリズムに一番支配・翻弄されている世代かもしれません。
これらのシステムには当てはまらず、自分たちに有利なルールを作り上げ、若い世代のイノベーションを抑制しながら利権を守り、甘い汁を吸い続けているのが上級国民です。
食生活
昔から食の欧米化なんていう話はされてきましたが、小麦や砂糖といった糖質を多く含む食事はかなり浸透し、多くの日本人が糖中毒の状態です。
メディアでの性的な表現は規制されていく一方、食欲を煽るフードポルノは規制されず、人々の健康はお構いなしにマーケティング戦略で誘導しながら次々と新しいものを食べさせていきます。
旅番組(動画)やキャンプ動画を見ているつもりが、実際その内容のほとんどは食事のシーンだったりもしますし、そのほうが数字も稼げてしまうのが実際のところです。
飢餓よりも食べすぎで亡くなってしまう人のほうが多いこの世の中では、自分の身体にとって本当に必要で最適な食事を見つけていくことが最重要課題になります。
環境
環境利権によって唱えられる温暖化よりも実際の問題は寒冷化で、電気ガス代の高騰と、そこに続く震災などが大きなリスクになっていきます。
本当の意味でのサバイバル能力と備え、いつでも必要な物だけを持って移動(移住)できる決断力と身軽さが必要になります。
また、中国をはじめとした海外資本に北海道や沖縄の土地が買われているのは有名ですが、京都の不動産買い占めも問題視されており、国自体は日本であっても中身は日本では無くなっていく可能性が高いです。
言語
日本は100%日本語の国ですが、英語の重要性は高まり続けています。
英語がこれからも重要なのは、ネットが普及してから英語をしゃべる人が増え、良質な情報が英語に集中する傾向が深刻化しているからです。
目の前の文章を機械翻訳することは簡単ですが、英語が身に付くとネット上や膨大な資料の中から英語で検索して情報を得られるようになります。
今では新しい技術も海外から入ってくるものが多く、翻訳を使いながらでも早い段階から理解し、使いこなしていけることが強力なアドバンテージとなります。
日本で仕事をするにしても、インバウンド対応、英語版コンテンツの作成、オフショア開発などによるフィリピンや近隣国の従業員とのやり取り、円安による外貨を稼ぐ必要性の高まりなどによって、英語を要求される場面は増え続けています。
何より、英語はプログラミング言語などと違って流行り廃りや破壊的な大幅アップデートも無く、何年かけて学習し続けても損をすることは無い、優れた自己投資先です。
まとめ
というわけで、日本の現状を把握しつつ今後の指標とするための個人的メモみたいなものを適当に書いておこうと思ったのですが、やたら真面目になったり深刻(辛辣)になったりしてしまいました。
俯瞰とはいっても何を上から目線に…という感じですが、私見を多く含む個人の見解です。
そして、今後取り組むべきこととしては
徹底的な健康管理。
経済状況に合わせた生活レベルの調整と備え。
本当に必要なものの再認識。
語学やITスキルも含む広い意味での学習の継続。
自分と向き合うこと。
等々を挙げてみますが、最後の「自分と向き合う」という項目は、世間が思っている以上に重要性が高いです。
保守的な日本は例のごとく出遅れてしまっていますが、先進的な国では、マインドフルネスといった流行りのようなものを越えた、精神世界や内的宇宙の開拓が進んでおり、新たなムーブメントが起き始めています。
次に流行る音楽ジャンルにも影響を及ぼしそうなので、それも絡めて次回はなかなかぶっ飛んだ話でも書いてみようかと思います。
それでは。