rich は filthy なのか?
たまたま "filthy rich"(大金持ち)というワードを見つけ、filthyの意味を調べるとdirtyより程度がひどい汚さというわけなんだが。日本でも「汚い金」というように、お金持ちが後ろ暗いことをしているという、貧乏人のやっかみも含んだイメージは残っている気がする。
「単なる慣用句だとしても、少しはそういうニュアンスもあるんでしょうね。あなたは、richはfilthyだと思う?」
汚いやり方で稼ぐ金持ちはいるだろうね。最近、エクアドルかどこかで刑務所内でリッチな暮らしをしていた麻薬王が脱走したニュース記事を見かけたけれど、ダーティなやり方・分野で儲ける人はいる。お金を用いて権力を懐柔することで、権力を自分に有利に操ることは、グローバル企業といわず、地方の金持ちにもいる。金があれば命令を聞く人も作れるのだから、汚いこともやりやすい。
同時に、貧乏人にも汚い人はいっぱいいる。汚いことをして日銭を稼ぐのは、闇社会の末端では多いと思う。闇バイトなんて特に、数万円で弱みを握られ、数年間・数十年間を刑務所ぐらしだからねぇ。日々の暮らしに窮している人の方が、生活の心配とは無縁な人より、鬱屈は多いだろうし。
「filthy poorは悲惨ね」
"清貧"という言葉はあるけれど、よほど自分の信念として確立しないと、心清らかに貧乏でいるのは難しいように思うね。"ミニマリスト"の人たちも、"貧乏ぐらし"と言われたら、ムカッとするか、こいつ何も分かってないと思いこむようにするんじゃないの。物があっての引き算で、物がないところでの平静では、なかなかありえない。日常世界とは異なった思想・価値体系、宗教などにシフトすればいけるのかもしれないけれど。
「ところで、filthyの汚さって、行いの汚さ? それとも状態として、ひねくれたり卑屈であったりという、欠け方? どちらなの?」
行いの汚さ、のように感じるね。"filthy old man"がスケベ親父らしいので、積極的に名乗っていきたい。
「スケベ親父でいることも、エネルギーがないとできないでしょう? マックでデート、公園でまぐわう、というわけにもいかない年齢なのだから」
物語の中の金持ちはfilthyに描かれがちではあるけれど、ネットの人気者は金持ちが多い気がするね。金持ちだから人気になるのか、人気があるから金持ちになるのかは不明だけれど、金持ちってことは、人気を金に換えるシステムが上手いわけだからねぇ。汚いといえば汚いし、賢いといえば賢い。それぞれの価値観によるだろうね。
「それで結局、richはfilthyなの?」
お金で目的を達せるという意味では、filthy richがfilthy old manである確率は高い。しかし、filthy old manを余裕で達成できるお金があれば、逆にfilthyではなくなることも多々ある。
確かなのは、Aは汚い、と声高に叫ぶ人間は、大抵の場合はfilthyだから、信用してはいけないということかなぁ。エネルギー回路としては、有効だと思うけどね。
「まぁあなたは、filthy richにはならないわけだから、 filthy richを罵ってやっかむ楽しみはあるわけね。filthy poor って素敵。無敵」
ぎゃふん。
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