ついに東京都教育委員会へ署名提出!!
ながいながい5ヶ月間だった。
2020年8月28日、東京都教育委員会藤田教育長宛の署名を提出しに都庁に向かった。ただのいち保護者で、教育のプロでもなんでもない私がここまでこられたのは、本当にたくさんの方々のお力のおかげだと思うと、感慨無量です!ご賛同、ご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました!!
世界中でロックダウンが始まってすぐ、海外の友人たちから続々とオンライン授業実施の情報が届くのに、日本では学校も学びも止まったままだった。先行きが全く見えない状態だった3月19日に、change.orgにて、【学校再開後も必須の、オンライン授業を早急に推進してください!】 というデジタル署名運動を一人でスタートした。
当初は「デジタル署名?なにそれ、怪しい」「オンライン授業って、よくわかんないし……」「そんなことやったって結局変わんないでしょ?」「自分の意見を公にするのは嫌だし怖い」といった反応もあった。いや、実は今でもそういった反応はある。
大きな団体に属するわけでもないのに、たった一人で社会的に大きなテーマに挑んでしまった署名活動は、思ったよりも苦戦したが、その後数々の出会いがあり、たくさんの方々に助けていただきながら、ついに提出の日を迎えられたのだった。
署名を受け取ってくださったのは、東京都教育庁総務部 企画調整担当軽部課長と、総務部 教育政策課川原主任。一緒に提出したのは、私の主宰するFacebookのグループ、【未来の教育シンポジウム Future Education Symposium -FES-】 の、共同主宰者の玉置梨絵さんと、メンバーで東京都保護者の川原美紀さんだ。
最初は一人で始めた署名だったが、その後、FESのメンバーにも支えられ、ここまでくることが出来たこともつけ加えておきたい。
これが、藤田教育長宛にお渡しした1278名の方のご署名。無名の私達の呼びかけに賛同してくださり、アクションを起こしてくださった方々の気持ちを届けたい!という思いが、私達をここまで進ませてくれた。
国内のみならず、世界中からもたくさんの方にご賛同いただき、プリントアウトされた署名を改めて見ていると、本当にありがたい気持ちで胸がいっぱいになった。
今回、都議会への請願書も提出予定なので、署名提出時は、口頭で私達の希望を伝えるのみにとどめたが、かなり踏み込んだ要望をお伝え出来たと思う。私達の質問にも詳細にお答えくださり、真摯に対応してくださった軽部課長、ありがとうございました! そしてみなさん、藤田教育長のこれからの手腕に期待しましょう!!
その後は、都議会文教委員会理事の、福島りえこ議員とあかねがくぼかよ子議員を訪ね、請願書についての打ち合わせをした。議員という立場でありながらも保護者の気持ちもよく理解してくださるお二人とは、オンライン会議でお目にかかってはいたが、リアルでお目にかかるのは初めて。素人の私達が、都議会への請願書提出へと動いていけるのは、お二人の教育にかける熱い思いがあってこそのことだ。
と、やっと署名提出を無事終えたわけだが、ここで私の今の心情を綴ってみたい。
「若者、バカ者、よそ者が変革を起こす」という言葉がある。私は若者ではないが、バカ者、よそ者であることは間違いない。教育のプロでもないのに署名運動を始めて、なかなか理解されず孤独感を感じるときは、そんな風に思ったものだった。
でも、一連の流れの先鞭をつけてくださった、都民ファーストの伊藤ゆう議員に言われた、この言葉で救われた。
「一番いいのは、やはり保護者の方が声をあげることなんですよ。議員や役所がやるのではなく、保護者が行動を起こすのが理想だけれど、実際に社会に大きく働きかけるような行動を起こす人は、なかなかいない。10年前は神谷さんみたいな人はいなかったでしょうね。」
ま、ある意味10年に一人のバカ者か?とも思うが 笑
署名運動を始めてから、教育に対する自分の考えを発信するようになり、たくさんの方に力づけられることもあったし、無視されたり、ネット上で非難されることもあった。何かの意見を言えば、それに対して一定数のアンチがいるのは当たり前だと思ってはいるが、いろいろな人がいるんだなぁと驚くこともあった。
でも、私にとっては、非難をされることよりも、非難を怖れて口をつぐんで生きることのほうが辛い。それから「アンタ一人がそんなことしたって、世の中は変わらないよ」という斜に構えた諦めの生き方をするのも嫌だし、誰かや何かのせいにして行動も起こさずに傍観するだけ、またはネット上で悪口を言うだけ、なんてのもごめんだ。
いち保護者のただの母親だった私が思い切って行動を起こし、声をあげたことで周りからたくさんのエネルギーをいただき、それはそれは見事なほどに現実が変わっていった。自分の在り方がすべてを決めるのだと改めて実感している今、最初は怖かったけれど、やっぱり思い切って声をあげて良かったと思う。
この激動の歴史的転換点に、新たな価値観を受け入れてどんどんシフトチェンジしていくのか、それとも旧態依然とした価値観にしがみついて変化を怖れて受け入れないのか。オンライン授業への態度は、新時代への踏み絵として、実はその人の在り方をくっきりと浮き彫りにしてしまったようである。
これからを生きる子供たちに大切なことは(オンライン授業を用意するだけじゃなくって)大人が、自分の生き様や背中を見せることなんだ!!
結局それが、今回のことで私が得た、一番の学びなのかもしれない。