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あの夏の思い出2

「ジュラシック・パーク

 その画面に映された文字を見て、心が躍った。

 その頃の僕は、ジュラシックという単語の意味は知らなかったが、何となくジュラ紀の事だろうなとは勘づいた。

 恐竜が繁栄した時代の一つ、ジュラ紀。
 その公園…?
 作品内容については、全く思い浮かばなかった。
 (僕がマイケル・クライトンの原作小説がある事を知ったのは、映画鑑賞後だった)
 
 今と違って作品のネタバレを喰らうことはあまりない時代である。
 なんせインターネット自体発達してないんだから。
 加えてジュラシック・パークは公開まではシークレットが多かった気がする。

 ただ、この映画は自分が見たかった「恐竜」を見せてくれるのではないかという期待はあった。

 そして、とうとうその日が来た。

 両親に連れられて映画館につき、期待に胸を膨らませる僕の目に飛び込んできたのは安達祐実主演
     REXのポスター
であった。

……

………

違う、そうじゃない。


 思いっきり動揺した私がオロオロと周りを見たところ、あった。
 今ではお馴染みのティラノサウルスの頭骨ロゴマークが、先ほどの安達祐実とは比べ物にならないほどデカくて黒いポスターにのっており、ジュラシック・パークの文字がそこにはあった。

  あっち!あっち!!あっち!!!

大事なことなので3回くらい大声で叫び、そのポスターを指差した。
 
 両親も一緒にいた弟も驚いたろう。
 それまで人前でこんなに大声を出したことはなかった。
 
 両親としてはREXを見たいらしくしばらく説得されたが、僕のあまりの推し具合に折れたのだろう。
 結果、無事ジュラシック・パークを見ることになったのである。


 因みに書いていたらREXについて気になった。
 調べたところ、不祥事があって打ち切りになるまではかなりヒットしていたらしい。

 なんだか色んなタイミングが不運だったんだなと思わされました。

 

 

 

 

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