見出し画像

かんぽ生命の特約還付金に相続税はかかる?

相続税の申告をするときに
「かんぽ生命」から保険金を受け取った!
という方は注意が必要です。
なぜなら、「かんぽ生命」から受け取る保険金は
内容によって相続税の取り扱いが異なるためです。
今回はそんなかんぽ生命から受け取った『特約還付金』
について解説していきます。

特約還付金とは

生命保険を契約する際には
基本契約(死亡したら○○円の保険金が受け取れる)のほかに

  • 災害があったときの特約

  • 介護が必要になったときの特約

  • 入院が必要になったときの特約

  • 手術が必要になったときの特約

など様々な事態に備えることがあります。
つまり、毎月の保険料は
基本保険料+特約保険料
を支払っていることがあるのです。

そして、相続が発生すると
この特約保険料のうち積み立てられていた部分
が返還されることがあります。
これが特約還付金です。

『簡易生命保険特約簡易生命保険約款』にはこのように記載されています。

第52条(一部省略して記載)

次に掲げる場合において、特約還付金があるときは、保険契約者は、その支払を請求することができます。

(1) 被保険者の死亡

(2) 特約の解除

(3) 特約の失効

(4) 特約の変更

(5) 特約保険金の支払免責

簡易生命保険特約簡易生命保険約款

つまり、特約還付金は
保険契約者が請求できるもの
であるため
保険契約者が死亡して相続人が特約還付金を受け取った場合には
本来の相続財産
を受け取ったことになります。

ちなみに、本来の相続財産ですので
遺産分割協議の対象
となります。

生命保険金の非課税枠

相続税の計算をするうえで生命保険金には非課税枠が設けられています。
この非課税枠は
500万円×法定相続人の数
で計算します。

例えば、法定相続人が3人の場合には
500万円×3人=1500万円
までの生命保険金が非課税となります。

ただし、非課税枠が使える生命保険金には制限があり、
相続税法第3条第1項第1号
の規定で本来の相続財産ではないが
相続税の対象とみなされた生命保険金
が非課税枠を使えることとなっています。

特約還付金に相続税はかかるのか?

かんぽ生命の特約還付金は
特約保険料の積立部分を払い戻したものであるため
本来の相続財産
に該当します。
そのため、生命保険金の非課税枠を使うことはできません。

豆知識

相続税の申告をするうえで
生命保険金の非課税枠
が使えるかどうかは大きな問題です。

生命保険金と一緒に支払いが行われるものごとに
非課税枠が使えるかまとめてみました。

非課税枠がつかえるもの

  • 死亡保険金

  • 前納保険料

  • 剰余金や割戻金

  • 契約者配当金

「法第3条第1項第1号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる保険金には、保険契約に基づき分配を受ける剰余金、割戻しを受ける割戻金及び払戻しを受ける前納保険料の額で、当該保険契約に基づき保険金とともに当該保険契約に係る保険金受取人(共済金受取人を含む。以下同じ。)が取得するものを含むものとする。(昭57直資2-177追加)」

相続税法基本通達3-8

非課税枠がつかえないもの

  • 特約還付金(相続税の対象)

  • 入院保険金(相続税の対象)

  • 手術保険金(相続税の対象)

  • 遅延利息(相続税の対象ではありません)

おわりに

生命保険金は内容ごとに
相続税の課税関係が変化する厄介な存在です。
困ったら自力で解決しようとせず、
税理士に相談しましょう!

名古屋の相続相談所レクサーでは
土日祝日でも相続の相談が可能です♪

是非相談してみてくださいね!


いいなと思ったら応援しよう!