Internacia Tago de la Gepatra Lingvo 「国際母語の日」について【北川 郁子】
2月21日は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が1999年11月17日に制定した「国際母語の日(International Mother Language Day)」*。ユネスコは世界エスペラント協会(UEA)と公的協力関係にもあり、この日の制定目的である「言語と文化の多様性、多言語の使用、そしてそれぞれの母語を尊重することを推進すること」は、まさにエスペラントの理念と一致します。1952年のこの日、当時はパキスタンの一部だったバングラデシュのダッカで、ベンガル語を公用語として認めるように求めるデモ隊に警官隊が発砲し、4人の死者が出た事件があり、バングラデシュでは、独立運動の中の重要な事件の一つとしてこの日を「言語運動記念日」としているという背景があります。
また、2016年の国連総会では2019年を「国際先住民族言語年」(Internacia Jaro de Indiĝenaj Lingvoj)とする決議が採択されました。ユネスコ事務局長は「2週間に1つのペースで消滅しつつある先住民族の言語を守る必要があります。それは人類の遺産にとって取り返しのつかない損失だからです」と述べ、また国連マイノリティ問題に関する特別報告者リタ・イザック・ンジャエ(Rita Izsák-Ndiaye)さんは、「エスペラントが目指す、多様性を守ると同時に、共通性を創造するという2つの役割に期待する」と述べています。 (詳しくはhttp://www.linguistic-rights.org/21-02-2019/)
(月刊誌『エスペラント La Revuo Orienta』2019年2月号 p.7から)