JAの人事異動
JAの人事異動について少し話そうと思う。
この人事異動が引き金になって退職や転職を考える人が多い。
これは各JAによって異なるので、私が所属していたJAでの話になる。
私のJAは広域JAに該当する。範囲が広いため指揮系統を円滑に行う事を目的に複数の統括部が配置され、支店や営農センターを束ねる役割を持つ。
JAの人事異動は、この統括部の部長や課長が統括部内で青写真を描く。それがだいたい12月末くらいから始まる。
その後、人事部が各統括部から上がってきた物を参考にして人を動かしていく。最終的に役員の承認を得て決定する。
ここまでは公表されている人事異動の内実。
実態はもっと早い段階から人事異動の計画は始まっている。上半期が終わったくらいのタイミング、すなわち9月末頃から本店部署から要望を集めだし本店に配属する主要メンバーを決めていく。
なので統括部が描く青写真に本店がほしいメンバーが入っていた場合は別の人が配置されるのだ。
私が入組してからしばらくは、信用共済部門の職員は信用共済へ異動。営農経済事業の職員は営農経済への異動が多かった。だが、徐々に退職者が増え人が足りなくなってきた5年くらい前に「総合職と一般職」を分けると言った方針が示された。
総合職=渉外担当者
一般職=渉外担当者以外
と位置づけられ、渉外が嫌だった人は皆一般職を選択した。希望が多すぎて総合職のまま残った職員もいた。そして一般職となった男性職員は大半が営農指導員になった。
この時の資料を私は今も保管している。いかに当時の経営陣や本店が営農経済員の役割を軽んじていたかの指標だろう。
また新規に入組した職員については、5年後に総合職か一般職かを選択できる事となっている。
これ以降、毎年一定数は総合職から一般職への希望が出て営農指導員になった職員もいる。
だがルールや規定を作っていたとしても地元理事や役員から「鶴の一声」で人事異動が変更になる。
「あいつを上げろ」
「なんであいつは上がってない?」
「あいつを飛ばせ」
「あいつは要らん」
等の要求も激しいと聞く。最も不可思議なのが、管理職になった後「異動」はあっても「降格」はない。どう考えても管理職の適性がない人がいつまでも管理職から変わらない。
結局は内部でどうとでもなってしまうのがJAの人事異動である。
それはまさしく「ムラ社会の論理」
決して逆らえない。
逆らったら辞めるしかない不条理。
そして私はそれに逆らった。