ミニマリストの真髄：「捨て活」が示す、シンプルで贅沢な人生への道／捨て活で見つけた「私」が主役のワンルームライフ
『捨て活で見つけた「私」が主役のワンルームライフ』を読みました。
以下、心に残ったところを引用しながら感想を書いてみます。
この本は、単なる「片付け本」ではありません。著者の経験を通じて、私たちの暮らし方、そして人生の本質的な豊かさについて深く考えさせてくれる一冊です。
本書の核心：「捨てる」から始まる新しい人生
著者は、「捨てるもの」ではなく「残すもの」を選ぶことの大切さを説いています。
「捨てるもの」ではなく「残すもの」を選ぶ「今」必要なものだけに
この一文に、本書の本質が凝縮されています。
本書の核心となる考え方を、以下の5つのポイントにまとめてみました。
① 現在の自分に必要なものだけを残す
買ったときの自分と、今の自分は違う。買ったときに必要なものでも、今の自分にはいらないものかもしれない
② 物は物、思い出は心の中に
ものはもの。それがなくなっても思い出が消えるわけではありません。
③ 「いつか」より「今」を大切に
「いつか」の保険で「今」の空間が窮屈になっては本末転倒です。
④ 美しさと機能性の両立
生活用品は出しっぱなしでも気にならない美しいデザインのものにする
⑤ 暮らしそのものを趣味に
「趣味はありますか」と聞かれたら、迷いなく「暮らしです」と答えます。心地よく過ごすために家をととのえたり、家事をしたり、時間の使い方を工夫したり。そんな暮らしのすべてが、自分をいたわることにつながる。
読者の反応：共感と戸惑い
Amazonのレビューを見ると、この本に対する読者の反応は大きく二分されているようです。
多くの読者が、著者の洗練された暮らしぶりに憧れを抱いています。あるレビューでは、「シンプルライフに憧れて部屋に好きなものしかない生活目指してます」と述べられています。これは、物に囲まれすぎた現代生活への反省と、新しい生き方への希望を表しています。
一方で、著者の極端なミニマリズムに違和感を覚える声もあります。あるレビュアーは次のように指摘しています。
夕食を食べない、化粧をしないなど一般的な生活スタイルとは異なる人が書いた本。
この指摘は、本書の内容が必ずしも万人向けではないことを示唆しています。
私の正直な感想：挑戦的だけど、考えさせられる
正直なところ、最初は著者の生活スタイルに戸惑いを感じました。夕食を食べないなんて、私には想像もつきません。でも、よく考えてみると、これって「自分の生活を自分でデザインする」ということなんですよね。
よし、いっそのこと夕飯づくりをやめてしまおう。そう思いついたのは自然の流れだったように思います。よくよく考えてみると、だれに気兼ねすることなく、自分の好きなように暮らせるひとり暮らし。家でゆっくり過ごせる時間がほしい。その願いを叶えてあげられるのは、自分でしかありません。
私たちの多くは、「こうあるべき」という固定観念に縛られて生きていないでしょうか？ この本は、そんな「当たり前」を疑う勇気をくれます。
例えば、著者が提案する「規則正しい生活」。これは私もぜひ取り入れてみたいと思いました。
繰り返しの毎日に安心感を覚えるタイプのため、習慣化して規則正しく暮らすようにしています。特に朝はできるだけ時間を無駄にしたくないので、効率よく動けるよう、家事や身だしなみ、食事の一連の流れをフォーマット化しました。
どんな人におすすめ？
この本は、以下のような方におすすめです。
物に囲まれた生活に息苦しさを感じている人
自分らしい暮らし方を模索している人
日々の生活をもっと楽しみたいと思っている人
ミニマリズムに興味はあるけど、極端なやり方は避けたい人
最後に：あなたなりの「捨て活」を見つけよう
著者の生活をそのまま真似る必要はありません。大切なのは、この本を通じて「自分にとって本当に必要なものは何か」を考えるきっかけを得ることです。
著者は本書の最後でこう語っています。
何かを捨てたら、何かが入ってくるというのは本当で、家具が少なくなり、スペースが生まれたことで、私はこの光を得ることができました。もし、今、変わらない日々、変われない自分に焦燥感を感じている人がいるなら、なにかをプラスすることに目を向けるのではなく、まずは身の回りや状況、自身を客観的に見つめて、いらないものを手放すことをおすすめします。
私自身、この本を読んで、家にある使っていないものを見直すようになりました。そして、少しずつですが、物を減らすことで心にゆとりが生まれてきたように感じます。
物を減らすことは、決して「我慢」ではありません。むしろ、自分の価値観に正直になり、本当に大切なものを選び取る作業なのです。この本は、そんな新しい暮らし方への第一歩を後押ししてくれるでしょう。
皆さんも、自分なりの「捨て活」を始めてみませんか？ きっと、物を手放す以上の何かを手に入れられるはずです。