【読書録】RUNNING LEAN
おすすめしてもらい購入。
冬休みの自主的課題図書⛄️
目的
リーンキャンバスの各項目を理解し、自力で書けるようになる。
感想
リーンキャンバス上の各項目について、各目的から記載があり想像以上に理解が深まった。顧客や投資家からはどの項目が重要視されるか、複数目線で学ぶことができた。また、製品ローンチまでに、どの時点で何の検証が必要か、段階を踏んで書かれているため置かれたステージ毎に参考にできそう。
下記は読み進めながらメモした覚えておきたいこと✍️
イントロダクション
完璧な製品を目指しても顧客の欲しいものは完成しない
MVPを作るのではなく、まずは定義する
自分自身のバイアスと製品への愛情が最大の落とし穴
第1部 設計
事業計画書は誰も読まないので、リーンキャンバスを書くべきである
投資家や顧客はソリューションより、顧客エンゲージメントや課題そのものを気にする
ソリューションに捉われず、ビジネスモデル自体を製品だと認識することが重要である
ビジネスモデルを設計する
1章 アイデアをリーンキャンバスに分解する
リーンキャンバスを書くときには、埋める順番や空欄を気にせず、一気にスケッチする
顧客は製品にお金を払う人であり、ユーザーはお金を払ってくれないことを覚えておく
アーリーアダプターを決める(TAM)
全ての人を対象にすると誰にも届かないUVP なぜあなたの製品には独自性があり、注目するべきなのか?
価格は製品の価値を決める一部であり、価格により顧客も決定される
優位性は簡単にはコピーできないもの
ユーザーと顧客が異なる場合はマルチサイドモデルを使用して双方の視点を検討する
アイデアが成功するかどうかは、需要性、事業性、実現性の3条件で可視化できる
2章 需要性のストレステスト
誰もが無意識のうちに課題を発明してしまう
新しい課題は古いソリューションから生まれる
新しいソリューションにスイッチするまでは常に存在していた課題を許容したり回避しているので、古いやり方で遭遇している課題にフォーカスする
機能的に良いもの、感情的に良いものの両方が存在し、感情の方は大きなコンテキストを持つ
アーリーアダプターはスイッチングトリガーを持っている
既存の代替品はカテゴリを超えて考えること
3章 事業性のストレステスト
ビジネスモデルの簡単なテストはフェルミ推定を用いる
トラクション: ビジネスモデルが顧客からマネタイズ可能な価値を回収する割合のこと
MSC(最小限の成功基準)は収益で決め、精度を求めない
収益目標を達成するための顧客数を見積もる
製品の価格を設定するには、顧客が課題を解決するコストと価値提案がキーになる
4章 実現性のストレステスト
実現性をテストするためにはトラクションロードマップを用いる
3年間での成長率は10倍に設定する
PSF(課題解決フィット)→PMF(製品市場フィット)→拡大の順に計画立てる
PSF段階では、既存のソリューションと今できることを組み合わせてMVPを早く検証できる
上記のMVPをオズの魔法使い型MVPと呼ぶ(テスラの例)
5章 アイデアを明確かつ簡潔に伝える
エレベーターピッチは興味を掻き立てるためにある
顧客の課題、課題が続くとどんな危機的状況になるか、それを解決する方法の順に話す
ソリューションをメインに話さない
投資家には市場規模、収益性、優位性を聞きたがる
顧客には"誰のために何を解決するのか"を中心に話す
ビジネスモデルのピッチはストレステストの順に話すとよい
はじめに、需要性(なぜ今なのか→危機的な状況→課題→ソリューション)
次に、事業性(優位性→収益の流れ→マイルストーン)
最後に実現性(現在の進捗→チーム→聞いてくれる相手への依頼)
第2部 検証
6章 90日間サイクルでアイデアを検証する
90日間のサイクルは、最初の2週間でモデルの作成、優先順位づけを行い、その後10週間でテストと改良をする
実験から得られる結果の質は、最初に掲げる仮説の質による(ゴミを入れればゴミが出てくる)
創発実験で仮説を作るためのインサイトを発見→評価実験で仮説を検証
チームは2枚のピザで足りるくらいが望ましい(amazon創業者).
言葉より行動を記録する
7章 90日間サイクルをキックオフする
製品を作る前に顧客を獲得する
顧客は製品ではなく約束を買う(iphoneを事前に試すことはできなかったため、顧客はジョブズのデモを見て購入を決断した)
顧客はオファーを買う(オファー:価値提案、デモ、行動要請)
オファー購入の主な例はクラファン
オファーのテストには様々なやり方がある(スモークテスト、ランディングページ、ウェビナー、予約注文、クラファン、直接販売、マフィアオファー)
PSFからPMFに進めるかどうかは下記3つの判断基準が満たされてるかどうか
①アーリーアダプターの興味の喚起を繰り返し起こせているか(需要性)
②アーリーアダプターからの具体的な前払いなどコミットメントを確保しているか(事業性)
③アーリーアダプターへの価値提供のためにMVPを定義できているか
マフィアオファーは課題→ソリューションの順に顧客にオファーする
アンケートでは本質的な顧客課題に辿り着けない
初期の課題探索は、アンケートのように決められた質問ではなく、自由回答形式の質問から得られる
8章 顧客以上に課題を理解する
顧客は課題をわかってない、言いたくない、ソリューションを伝えてくることがあるため、課題発見は難しい
検証ではなく発見を目的にする
顧客はソリューション自体がほしいのではなく、ソリューションがやってくれることがほしい
顧客の大きな目的を見つけるためには、"よりよい(x)を作らずに、より良い(xのユーザー)を作る"と考えると良い
例: より良いカメラを作らずに、より良いカメラマンを作る
なぜなぜで考えると大きな目的に到達しやすい
例: なぜドリルを買うのが→穴を開けたい、なぜ?→壁にフックを固定するため、なぜ?→絵をかけたい、なぜ?→自己表現のため、なぜ?→……
インタビューの仕方は『起業の科学』とほぼ同じで、事実を聞くこととタイムラインや定着を聞く
既存品の使用や、スイッチングトリガー(使用しているものを変更するきっかけ)、今後何を使うか…
CPFをテストするには、2つの質問をする。スイッチを起こすほど大きな課題が既存の代替品にあるか、既存品に十分お金と労力がかけられているか
9章 スイッチを引き起こすソリューションを設計する
MVPで重要なのはスイッチを引き起こす最小限のソリューションをすばやく提供すること
スイッチを引き起こすのは課題と約束
課題の領域は以下の3つ
①不満を解決する
②使用時の摩擦を解決する
③選択時の摩擦を解決する適正な価格は、既存の代替品と既に払っているコスト
使用頻度を用いてフェルミ推定アーリーアダプターはすでにスイッチ経験のある人
スイッチがどのタイミングで行われたか明らかにする
MVPは、顧客がオファーを受け入れてから2ヶ月以内に提供
コンシェルジュ型MVP : 製品を自分に置き換え、少しずつスケール可能なパッケージに置き換える
オズの魔法使い型MVP : 既存製品に新しい物を組み合わせる
フィットインザドア型MVP : 顧客の世界に入り込むまでの最小限のMVP
10章 顧客が断りきれないマフィアオファーを提供する
目標はアーリーアダプターから確かな約束をもらうこと
ipadの例: 既存の代替品であるネットブックより優れていることを説明し、納得させた上で代替品よりも安い価格を発表→迷うことない合理的な購入を成功させた
人気のある代替品を認めて、それよりも優れていることを示す
ピッチの流れは、設定(大きな目的の共有)→衝突(古いやり方の打破)→解決(新しいやり方)→行動要請(スイッチを求める)
設定では、古いやり方に固執するとリスクがあることを伝え、危機感を煽る
衝突では、既存代替品の課題を伝える
アーリーアダプターの条件は見直しが必要な時もある(そもそも代替品を使っていない人はなり得ない)
11章 90日間サイクルレビューを開催する
エレベーターピッチの作成(5章のテンプレートと同じ)
リーンキャンバスの見直し
トラクションロードマップの見直し
投資家には成功劇を演じてはならない、また投資家の言うことに素直に従ってはいけない
第3部 成長
PMFまでの道のりを3つに分ける
①MVPのローンチ
②SCF (解決/顧客フィット)
MVPは価値を提供して幸せな顧客を産んでいるか?定着を見る③PMF(製品/市場フィット)
成長の加速、成長させるエンジンとなるものは何か?
12章 ローンチの準備をする
製品ローンチとマーケティングは分ける
顧客に対して価値提供を繰り返しできた時に、マーケティングの発表を行う製品開発と同時に、顧客獲得を続ける
顧客ファクトリーは一旦やめると、再び稼働させるのが大変
常に入ってくるユーザーがいると、スルーで最適化できる
再現性は成長の前提継続的デリバリー戦略を導入し、短いサイクルで段階的に新機能をリリースする
途中で顧客からのフィードバックをもらう
最初は最良のアーリーアダプターを選ぶ
大勢ではなく少数の優良顧客
13章 幸せな顧客を作る
"顧客を幸せにする" <<< "幸せな顧客を作る"
幸せな気持ちにするだけでなく、望ましい結果を達成できるよう支援する顧客の獲得はさいしょのきっかけにすぎず、価値が生み出されるアクティベーションと、定着がないと収益化はしない
新機能を実装し続けると、シンプルなMVPはすぐに肥大化したモンスターになってしまう
80/20の法則
ローンチ後の80%の時間は既存機能の改善や分析に使い、20%で新機能を追加する既存機能の課題発見は、既存の代替品の課題を見つけるように調べる
習慣のループは、きっかけ→ルーティン→報酬
行動デザイン=モチベーション&能力&きっかけ
顧客のロードマップはアウトカムを小さく段階的に与えると良い
製品を触って30分以内に最初のアハ体験を提供する
アウトプットよりも感情的なウォンツを満たすアウトカムを重視機能はシンプルに、必要のない機能は隠す
定着するまでのきっかけ、進捗支援、最終的な報酬は明示的に作ることが必要
14章 成長ロケットを見つける
持続的な成長にはシンプルなルールがある
『過去の顧客の行動が新しい顧客を呼び込む』(リーンスタートアップ著者 エリック・リース)既存顧客から回収できる価値は、お金、コンテンツとデータ、紹介
収益型成長ループ
顧客からの収益をもとに新規顧客を獲得(広告、セールス等)定着型成長ループ
既存顧客が生み出した資産で新規顧客を獲得する(youtube等のユーザー生成コンテンツ)紹介型成長ループ
既存顧客を使って新規顧客を誘導(口コミ等)
エピローグ
製品が失敗する最大の理由は、誰も欲しがらないものを作っているから
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