アートと感受性
小さな頃から感受性が強いと言われることが多かった。自分では自覚したことはないが、きっと様々なことに一喜一憂する姿がそう見られていたのだろう。
今まで感受性が強くて良かったと思ったことは一度もなかったが、27年生きてきてはじめて良かったと思う出来事があった。
オルセー美術館を訪れて、モネの描いた国会議事堂の前に立った時。同じモネの作品でも他の絵からは感じなかった、得体の知れないパワーを体中に浴びた感覚になった。
それはキラキラと光る油絵の具、海を描いているとは思えない暖色を中心とした色使い、丁寧に塗り重ねられた筆の跡…すべてから伝わってきた。
負のエネルギーを醸し出す絵画は多く、その暗さに当てられてしまうことはあるが、ポジティブで温かいエネルギーを大きく感じたのは初めての感覚だった。
旅行後に、絵画からエネルギーをもらうという話を同僚にしたところ、誰もが同じ感覚ではないから、その感受性の強さは大切にした方がいい、と言ってもらった。
この感覚が確かにあるうちに、あらゆる場所で心動くものに触れたいと思った体験だった。
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