老猫を引き取る
現在我が家で暮らすタマはもうすぐ18歳を迎える老猫だ。食事の時以外は大体寝ていて、もはやおもちゃに見向きもしない。この話を他人にすると、「長年飼ってきたのだから可愛いのでしょうね」と言われるが、実はそうでもない。実はタマが縁あってうちにやってきたのは去年。出会った時からすでにヨボヨボしていた。はじめのうちこそ「子猫の方が可愛かったかな」と思わなくもなかったが、今は初めての猫に老猫を選んで良かったと思っている。理由は主に3つ。
1 、生活習慣が確立している
野良猫だったりすると話は違ってくると思うが、元々飼い猫であればトイレのしつけなどは一通り済んでいる。もともと猫が使っていたトイレや餌入れ、クッションなどをもれなく揃える、出来る限り以前の環境を再現するなどの工夫は必要だが、イチから全てを教えることに比べたら、格段に楽である。
2、性格形成が終わっている
すでに性格が確立しているということは、対応がしやすいということでもある。人間もそうである様に、すでに晩年に差し掛かった猫の性格はそう変わらない。つまり、自分に相性が合う猫と暮らせる可能性が高いのだ。ちなみにタマはもともと穏やかで、争いを好まない性格。加えて比較的気を遣う猫なので、意思の疎通がしやすくて非常に助かっている。頼みたいことははっきりと言ってくるし、色々な意味で大人だ。猫初心者にとって、これはありがたい。
3、うるさくない
老猫は体力がないので、1日の大半を寝て過ごしている。加えて筋力も落ちているから、あちこちに飛び上がったり、隅に入り込んだりといういたずらも滅多にない。おもちゃで遊んでくれないのは少し寂しいが、自宅で作業することも多い私としては、これはプラスだ。時々Twitterやブログで元気いっぱい、可愛さ爆発な子猫の動画を見て羨ましさを感じることもあるが、隣で穏やかにごろ寝している姿もまたいいものだ。何より高いテーブルには絶対飛び上がってこないので(正確にはこられないのだが)食卓に上がってこない安心感もある。
もちろん、一緒にいられる時間が短い、毎日少しずつ弱っていくのが心配など年寄りならではの憂いもあるし、何よりこのコロナ禍だ。万一私が隔離されてしまったら、病弱なタマを預かってくれるホテルがあるのかは懸案事項だ。だがそれでも、老いた猫を引き取ったことは、今の私にとっては最良の選択だったと思う。